イスタンブール、副都心アタシェヒル市市長と面談

10月8日午後イスタンブールの副都心のアタシェヒル市の市長と面談し、港区の都市開発、東京の防災まちづくりの体験談などをお伝えしました。5日、6日にギリシャのテッサロニキ市で開催されたバルカン地域の建築学会で「東京の防災まちづくり」について小論を発表したところ、トルコ人の教授(女性)が私の小論に関心を持って下さり、「アタシェヒル市の市長を知っており、44歳と若い市長なので原田さんの体験談を伝えてほしい」と要請を受けた次第です。

日本の市庁舎と異なるのは、入口は空港のゲートと同じでセキュリティチェックがあることと武装した警察官が警備していることです。市長室の広さは港区長室の倍くらいの面積、市長のデスクの背後には建国の父であるアタチュルクの肖像写真が掲示されていることです。トルコではどこに行ってもアタチュルクの肖像写真が飾ってあります。

幹部職員を紹介されましたが、また、驚きは副市長が若い女性で、かつ、建築職であることでした。日本の市役所にはない人事と思います。アタシェヒル市は東京でいうと新宿区のような性格で、中心部には超高層の事務所や住宅が林立し、一方周辺には耐震上、防災上問題のある住宅が密集していることです。市長の頑張りを期待します。

ギリシャ、テッサロニキ市でバルカン地域の建築学会大会に参加

10月5日、6日、ギリシャのテッサロニキ市でバルカン地域の建築学会が開催されました。主たるテーマは防災、震災対策です。今年の初め知人の教授から論文の審査委員の依頼がありました。テーマが防災なので私も東京の防災まちづくりについて論文投稿することとしました。防災分野をインテリア、建築、都市計画の観点から様々な研究論文の発表がありました。驚きは女性研究者の発表が圧倒的に多かったことです。事務局はテッサロニキ市にあるアリストテレス大学の教授やお手伝いの学生たち。お手伝いの学生も女子学生が圧倒的に多かったです。場所柄バルカン地域の国々から研究者が参加しました。

テッサロニキ市はギリシャにあってマケドニアに近く、アレキサンダー大王はこの近辺の出身だそうです。また、近代トルコの建国の父であるアタチュルクもテッサロニキ出身だそうです。古代の建築遺跡が多く地元の教授の案内で見学しました。

地域の様子を知るために市バスに乗り移動しました。市バスの料金(90セント、150円程度)、街の風景、乗客の様子など観察しながら市バス移動を楽しみました。古都の観光地であること、学生街であることなどから大勢の観光客で街はあふれていました。

大会中、ルーマニアの教授から来年はルーマニアが事務局なのでぜひルーマニアに来てほしいと声を掛けられました。また、トルコのトラキヤ大学(トルコの古都エディルネ市)の教授から来春トルコの著名建築家ミマール・シナンに関するシンポジウムを開催するのでリモートでよいから基調講演してほしいと依頼がありました。

イスタンブールから乗り継ぎでテッサロニキ空港に到着しましたが、日本人のツアグループを2つ見かけました。お声かけしたらこれからクルーズ船で地中海クルーズとのこと。私もいずれはクルーズ船に乗り地中海クルーズしたい思いでした。

実録港区長日記出版

実録港区長日記を自家製本として出版しました。店頭販売でなく交流のあった方のみにお渡ししております。数人の仲間から「記録を残せ」と助言がありました。手書きの日記をワープロに起こすのに1年以上、全体の目次構成を検討しその内容に当てはめるのに1年以上、編集作業にさらに1年、弁護士の友人などにチェックをいただき再編集に半年ほどかかり合計4年ほどかかりました。

上下巻の2冊構成です。上巻は2部構成。第1部は「突然の出馬要請から選挙当選まで」、4章構成で、第1章「区長選出馬要請」、第2章「選挙戦」、第3章「選挙後から区長就任までの準備期間」、第4章選挙後の後日談、第2部は「区長時代の見聞記、リアル港区政」で6章構成、第1章「就任にあたり」、第2章「3つの懸案課題のスピーディな解決」、第3章「新規政策」、第4章「基本構想策定」(区長自らリーダーシップ)、第5章「各種団体・区民との交流」、第6章「区長の活動」。

下巻は2部構成、第3部「リアル港区政」6章構成、第1章「職員のリアル」、第2章「議会のリアル」、第3章「港区無法地帯」、第4章「区長会とはどんなところ」、第5章「港区に6人の区長」、第6章「周囲からの区長評価」、第4部は11章構成、第1章「次の選挙に向けて」、第2章「謀略1偽情報で回る」、第3章「謀略2 飯倉小学校廃校、満州事変と同じ、勝手に暴走、I教育長」、第4章「謀略3妻への脅し、対抗馬が出ます、原田さん負けたらどうなる?」、第5章「退任強要の言葉」、第6章「新年会等で応援メッセージ」、第7章「出馬せず」、第8章退任直前、カノッサの屈辱ならぬ区長室の屈辱、第9章「武井区長誕生」、第10章「後日談1」、第11章「後日談2菅谷元区長夫妻との会食」以上の構成です。

都立中央図書館と国会図書館に献本しました。書店販売はしませんのでご興味ある方は図書館で閲覧してください。

出版にあたり後日談、原稿をある程度仕上げ、いくつか出版社に相談しました。週刊新潮や週刊文春に「あなたの出版をお手伝いします」と広告があったので相談しました。新潮社から「港区政に関心がある人は少数(売れる本にならない)」と言われました。文春から「関心ありません。企画からお手伝いするならお手伝いしても良い(企画料がかかりますということ)」、幻冬舎は頻繁に営業メールが来るので問い合わせてみたら、600万円以上費用がかかると言われ、経済的に無理と判断しました。仕方ないので、印刷製本し交流のあった友人知人のみにお送りすることとしました。

ニューヨーク、リンカーンセンター、女性理事長誕生

ニューヨークタイムズ8月7日の記事に「リンカーンセンター理事長にマリコ・シルヴァー女史が就任」と紹介されました。初の女性、日系です。リンカーンセンターはニューヨークのマンハッタン、セントラルパークの西側に位置する世界の文化・芸術の拠点です。①メトロポリタンオペラ劇場、②ニューヨークフィルコンサートホール、③ニューヨークシティバレー劇場の3つの有名施設が立地しています。隣地にジュリアード音楽院(世界トップクラスの音大)、小室さんが卒業したことで有名になったフォーダム法律大学院があります。

新理事長に期待されることは聴衆を増やすことと寄付集めです。彼女の前歴はベニントン大学学長、マサチューセッツ現代美術館理事などです。アメリカでの女性活躍(特に文化芸術分野)の一例です。日本では、例えば東京文化会館の幹部は東京都庁幹部の天下りポストでしょう。他の自治体も同様です。本当に文化芸術を理解し、実際に適切に運用できる方なら良いですが。

アメリカハウスメーカー女社長誕生

Builderというアメリカのハウスメーカーの情報誌があります。8月号に全米66位のハウスメーカーMcBride Homes社長にジェニー・オウミラー女史が就任したと紹介記事がありました。本人の努力もさることながら会社としての多様性の方針も素晴らしいことです。日本にも大手から中小まで多くのハウスメーカーがあります。社長の性別のデータは不明ですが、少なくとも大手のハウスメーカーの社長は男性ばかり。女性の視点からの住宅開発、販売なども大切です。組織の多様性も大切です。日本でもハウスメーカーで女性社長の誕生を期待しています。

日航機御巣鷹事故39年続く日本航空の不祥事

8月12日、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落し39年目というニュースに接しました。「空の安全」を誓う、との報道です。本当ですか?と疑いたくなる事件が続いています。パイロットが酩酊状態で勤務しようとし、ロンドンで警察に逮捕されたり、他の地区でも同様のことがありました。結果、遅れたりし、乗客に多くの迷惑を掛けました。日本航空の最高幹部、また、現場を預かるパイロットに安全を守るという緊張感が欠けています。殿様商売で一度は倒産した会社です。客の前で笑顔(作り笑顔)、しかし、背中向け乗客を馬鹿にしています。。

エリザベート音楽コンクール日本人6位入賞

少し前の情報ですが、24年6月2日ベルギー、ブリュッセルで開催されたエリザベート音楽コンクールのバイオリン部門で日本人吉田さんが6位入賞しました。素晴らしいことで、うれしいニュースです。こうしたニュースに接するたびに感じることは、欧米の文化芸術分野での審査の公平性、公正性です。国籍、性別に関係なく良いものは良いと審査する姿勢です。古くは小澤征爾のパリでの優勝、10年以上前ですが、テキサスで開催されたコンクールで辻井伸行さんが優勝しました。日本でのコンクール審査の在り方を考えさせられます。若い素晴らしい才能を発掘できない日本の指導者に失望しています。

帝国ホテルでジャズフェシバルで元気をいただきました

8月13日(火)帝国ホテルで開催されたジャズフェスティバルに行きました。ホテルからすれば夏枯れ対策のイベントと思いますが、出演者は豪華な顔ぶれです。驚きはジャズピアノのレジェンドの秋満義孝さん、御年四捨五入で100歳です、と山下洋輔さんが出演したことです。秋満さんは歩くときは杖ついていました。ピアノの前ではシャキッとされすごい演奏。中にトリオ・ロス・パンチョスが来日し、美しい富士山の風景を見て感激し作曲した曲を演奏しました。めったに聴く曲でありません。山下さんも歩く時は背中が猫背状態ですが、ピアノの前でシャキッとされ、激しいテンポでジャズを演奏しました。お二人の演奏姿を見て元気をいただきました。料金は2万円ですが、2時から8時まで6時間の演奏(若手から大ベテランまで)、2ドリンク、1ディッシュ付きですのでコスパは良いです。

また、ステージでジャズオーケストラの指揮者スインギー奥田さんのお話で「戦中、ジャズは敵性文化で憲兵隊が査察に来るという前の晩、作曲家の服部さんと奥田さんのお父上が徹夜で「山寺の和尚さん」の歌を書き上げ、憲兵に示し、難を逃れたそうです。軍事政府が、おそらく文化芸術を理解しないであろう憲兵隊が音楽を審査するとはばかげたことです。

東京女子医大ガバナンス問題、日本の大学のガバナンスの問題

2024年8月3日読売新聞朝刊に東京女子医大、理事長に資金還流かと報道されました。入試や人事で「寄付」を強いて、第三者委員会の報告で「公正かつ適切なものとは到底評価できない」と結論です。岩本絹子理事長の懐にこうしたお金が還流したとのことです。情けないの一言。理事会、教授会で問題が指摘されなかったのか、改善されなかったのか、日本の最高学府にいる方々の常識は幼稚園児以下ということです。最近では日大の田中理事長の不正、東京医科大学の女子受験生を差別する不正が明らかになりました。欧米の大学では、「公正」に運営し多様性に配慮した統治をしなければ大学自体の評価が下がります。アメリカではハーヴァード大学ではハイチ出身の黒人女性が昨年学長に就任しました。(もっとも中東問題に関する発言で辞任しましたが)コロンビア大学ではエジプト出身の女性が学長に就任しました。イェール大学では女性学長が誕生。能力主義です。日本の主な大学ではいいまだに男性老人が学長で、おそらく、明治時代の大学の発想で大学を運営し、女性を排除し、他大学出身者を排除し、外国人を排除しといった状況です。世界を見据えた立派な理事長、学長が現れることを期待しております。

ガーデンシティ・シンガポール訪問

先日会議参加のためシンガポールを訪問しました。赤道に近い南国の都市国家です。建築家の観点から、世界の中で住宅政策に成功した国です。もう一つの国はスウェーデンです。街全体は緑あふれ、道路は広く、路地に入っても電柱がありません。建築はわくわくするデザインです。リークワンユー元首相のリーダーシップが大きいです。元首相の下で住宅開発公社の総裁Liu Thai Ker氏が頑張った成果です。氏はアメリカイェール大学の建築大学院に留学し、帰国後リー首相に見いだされ公共住宅の設計をしました。地下鉄(公共交通)の駅に超高層の住宅を配置、住宅の足元に商店、学校、医療施設などの公共施設を配置、周囲には公園を配置する、文字通り教科書通りの設計です。ある団地に行きました。建物の配置は蜂の巣状、六角形、およそ30階、1階に共同の洗濯場、食堂もありました。3日間だけの限られた時間でしたので改めてシンガポールを視察したいと思っています。