作成者別アーカイブ: 原田 敬美

ニューヨークタイムズ記事「日本は男の高齢者が支配」

ニューヨークタイムズ2021年2月26日、Motoko Rich記者の記事。過日の森元会長の「女性理事が喋りすぎる」と発言した事件を受けて、日本社会の本質を紹介する記事です。タイトルはAn Old Men’s Club Dominate Japan. 長文の記事ですが、概要は以下の通りです。

若者は高齢者の前で静かにし敬意を払うよう教育された日本で、3人の若い女性が立ち上がり、15万人の署名を集め、外に向かって発言を始めた。この瞬間は、日本の強固な年齢による階級は破壊されうるだろうという希望的サインだ。日本で最も力ある政治家、企業経営者(大学なども:原田が追加)は70代、80代、時には90代で、日本の組織は年功序列。3人の女性の一人は「日本では人前で主張するよう教育されていない」と語った。

日本の組織社会を的確に表現した記事と思います。支配層が70代、80代ですと、若者の新しいアイデアを活用しようとか、女性を活用しようとか、そういう意識はなかなか働きません。こうした支配構造も、日本で女性の社会参画が進まない原因の一つです。

タイガーウッズ交通事故の報道現場で警察官・救急隊員が説明。日本との違い

2月24日タイガーウッズ画自動車運転中、自損事故で重傷とNHKの夜9時のニュース報道番組で紹介。アメリカの放送局の画像を一部活用していました。驚き。事故現場で、事故処理がある程度終わった段階で、現場で救急隊員と警察官がメディアに直接説明していました。

日本なら「捜査関係者への取材によると」となります。市民の知る権利、市民に奉仕することが最優先のアメリカでは、現場の警察官、救急隊員が直接メディアに説明します。

1969年、1974年と2度アメリカに留学し、テレビニュースで体験しました。事件が発生すると、現場で捜査中の警察官にマスコミがマイクを向け、現場の警察官が気楽に応じます。大事件の場合は即座に市長(警察の最高司令官)と市役所警察局長、または、警察委員長(日本の公安委員長)が記者会見をし、詳細に説明します。これも文化の違いですが、いずれ、日本の情報公開も大きく発展することを期待します。

アメリカ建築家協会、バイデン大統領への要望

アメリカ建築家(AIA)は1月8日バイデン大統領への要望の論説記事を掲載しました。「パンデミック後の建築に影響を与える政策、その展開に期待」というタイトルです。そのポイントは以下の通りです。

公正なクリーンエネルギーの未来、建築分野で働く人々のための十分な報酬確保のため、持続可能なインフラを構築する必要がある。バイデン政権は、ゼロエミッションの公共交通、4年間で400万棟の建築の質の向上、200万戸の耐久性の改善など新しいニューディールを計画している。具体的には使われなくなったオフィスを低家賃住宅への用途転換である。こうした事業で100万人の十分な賃金の雇用を創出する。

また、バイデンは150万戸の持続可能な住宅を建設したいと言いている。しかし、どこに、どのような方法で、という具体策が見えない。我々は住宅都市開発省は要らない、その代わり、住宅再生・都市再開発省を必要とする。また、空間計画省を必要とする。鳥瞰的な計画策定でなく、一戸一戸の住宅計画、近隣住区の再生、公共空間の創出から始めるべきだ。

さらに、雇用と平等を増加させる技術に投資してほしい。

さて、日本で政権が交代し、新しい首相が就任した際、建築学会や建築士会など都市政策、建設投資などに要望書を出したと聞きません。政策に大いに提言をすべきです。

パンデミック後の海外旅行、健康証明書をパスポートに添付。

パンデミックがある程度収束したら、海外との交流が再び始まります。その際、新型インフルエンザの陰性証明書をパスパートに添付することを義務付けることが各国で当たり前になるかもしれません。この20年、30年、パスポートさえあれば、通常の旅行の場合、ヴィザも不要、健康証明書も不要でほとんどの国を訪問できました。

50年前(正確には1969年)アメリカに留学する時、パスポートに天然痘の予防接種済みの証明書を添付し、また、エックス線の原寸大の写真、健康な体であるというアメリカ大使館指定の病院の診断書を持参し、アメリカに行きました。手続き上の義務でした。到着したカリフォルニア州オークランド空港(サンフランシスコの東側)で入国審査で特に厳重にチェックをされることはありませんでしたが。アメリカ政府の立場は、天然痘や結核に罹患した人物がアメリカに入国することに神経をとがらしていたのでしょう。

これからの時代、健康証明書をパスポートに添付し、海外を行き来することになるかもしれません。医療制度、保険制度が充実した日本ですから、現実に、日本に来て、入院し(保険制度で安く治療や手術が受けられます)、下手すると、退院間際に病院を逃げ出す人物もいます。都立病院は、外国人患者の不払いによる赤字が結構多いと聞きます。

森組織委員会会長辞任。女性理事は話が長い!長い挨拶は森会長自身。

2月11日、森組織員会会長が辞任との報道がありました。報道によると、理事の一人の山下さんが、記者の質問で、「途中で発言の不適切さを指摘できなかったのか?」に対し、「森会長は40分くらいの発言があったので、タイミングを逸してしまった」と発言。おそらく2時間くらいの会議でしょうから、会長自ら長時間発言していたことになります。自己矛盾です。

私は、自営業の建築家(大学の教授や研究者でありませんが)ですが、若い時の海外体験故、よく国際会議に招聘されます。多くの場合、参加者の半数が女性で、女性の主催者、女性の研究者スピーチなど聞いてきましたし、また、会議にもご一緒させていただきましたが、特に女性が話が長いという実感はありません。

考えられることは、森さんの政治経験の中で、総理の時であれ、大臣の時であれ、自民党の役員の時であれ、決まったシナリオを基に議事が進み、だれも質問も意見も言わない会議ばっかりだったのではと思います。想像ですが、森さんが体験した会議は、男性が中心になり、根回し、事前のシナリオ決定、事前のすり合わせなどでだれも発言せず、おそらく、女性には、根回しがされなず、女性参加者が質問や意見を発信したのかもしれません。日本では、そうした会議が多いと思います。自由な意見交換より、シャンシャンでまとめるのが会議と思っている傾向があると思います。

港区での体験です。毎月一回庁議(最高幹部会議)があり、港区の重要な方針を決定します。区長が議事進行します。最初の数か月、提案説明は担当の部長がしますが、だれも発言しません。シャンシャンの会議でした。私は率直な意見が欲しい、異なる意見が欲しいと思い、ある時から、自ら部長たちの発言議事録を書き始めました。どの部長がどのような発言をしたかの記録です。おそらく部長たちは驚き、区長が発言メモを取っているのは「勤務評定」と思ったのでしょう。そうしたら部長たち全員が2回も3回も発言するようになりました。会議が活性化しました。

政治でも、企業でも、大学でも、森さんと同じ意識の男性が多いと思います。そうした方には、辞退していただき、真の男女平等、女性の社会参画に意識のある方が社会をリードしてほしいと思います。

銀座ナイトクラブ問題、港区政でも

コロナ禍の自粛期間中、元国家公安委員長松本純、衆議院議員の田野瀬太道、大塚高司が夜銀座のナイトクラブで過ごしていたとのことで、非難を浴びています。政治家自ら率先しなければいけない時期に残念です。特に、松本純は元国家公安委員長。29万人警察官を指導する立場です。このようなレベルの人物が国家公安委員長を務めていたのかということで残念ですし、日本の政治レベルの一端を窺い知ることになりました。

港区長時代、ナイトクラブについて見聞きしたことです。私の前任の区長Sさんは、私が職員から聞いた話、毎晩のように銀座のナイトクラブで深夜まで過ごしていました。一人あたり4万円と聞きました。個人で払える額でありませんから、S区長はどちらかに付け回ししていたのでしょう。これは一つの想定ですが、公共事業を発注した企業に付け回ししたのかもしれません。また、港区の事情通によると、「S区長はホステスのお尻ぐらいは触っていたかもしれない(それ以上のことはしていません、という説明)」とのこと。同伴の仲間を接待していたのでしょう。公用車の無駄遣い、同伴者が区民なら公職選挙法違反。このような場所で政策や人事が語られたら、区民や職員はたまったもんでありません。

また、港区議会の自民党の団長と共産党の幹事長は、裏で仲良し。(自民党の団長から直接聞いた話です)頻繁に2人で高級ナイトクラブに通っていたとの話。その二人は、請求書を有力者などに送り付けていたとのこと。2人にたかられた本人から「原田さん、あの二人から誘われても絶対行ってはいけないよ、後からとんでもない額の請求書がくるぞ。自分は相当な金額をたかられた。」と忠告されました。

私は区長時代、そうした店に行きませんでした。噂で「原田はケチだ」「原田はまじめに仕事ばかりしている」という声も耳にしました。それが港区政の一面です。

松本純はナイトクラブの請求書をどう処理したか、まさか、政務調査費や官房機密費から支払ったのではないでしょうね。あるいは、スポンサー企業に請求書を回したか?

欧米には、ホステスがいる社交場はありません。そういう場所は一人で楽しむ場所と聞いています。社交は、自宅、白昼のランチなどですから女性の政治家、企業の経営者層の女性も安心して参加できます。ナイトクラブ、キャバレー、料亭は日本独特の場所です。女性政治家、女性経営者、女性幹部(一般職もですが)そうした場所には参加できません。これから女性がどんどん活躍する時代。政治家、企業のトップなど、女性の社会参画の観点から「ナイトクラブなどでの社交はしない」と宣言すべきでしょう。

女性の社会参画の観点では森元総理の発言も困った内容です。世界中から非難を浴びています。OECDの調査で、日本の女性参画率は最低15%、イスラム国であるトルコは37%、トルコはスウェーデンやアメリカよりも女性の参加比率が上です。トルコの大学に数回招聘されましたが、女性教員の多さ、女子学生の多さに驚きました。

六本木の客引き風景

六本木の客引き風景です。相も変わらずです。もっとも、コロナ禍で以前より歩行者の数が減少し、それに伴い客引きの数も減ってはいますが。地元住民からすれば相も変わらずで、歩いていると客引きから声を掛けられ不快な思いをします。安全、快適に歩ける公共空間にするのが行政の仕事です。相変わらず客引きが多いのは行政の不作為、やる気のなさの表れです。

去る1月3日、日曜日。4日から仕事開始ですので、準備のため朝9時過ぎに事務所に出勤。六本木5丁目の交差点に数人のアジア系女性が立っていました。そこに、熟年の白人男性(服装からすると地元の方のように見えました)が通りかかり、交差点角から奥にある港区の公衆トイレの近くまで10メートルほどの距離、アジア系の女性2人が白人男性の後ろについて行き、何か声掛けしました。男性は振り切るように、さっさと歩いて行きました。その方にとり不愉快な行為でした。

週末の朝、土曜日、日曜日は外苑東通りの六本木3丁目側の歩道に、2,3人づつグループで、3,4か所に女性が立っています。2月6日(土)夜7時20分頃、事務所を出て、六本木交差点方向に歩いていたら、郵便ポストがあるあたりで背の高いアフリカ系(よく見かける男性ですが)が「ガールズバーどうですか」と声掛けしてきました。8時で営業終了のご時世、不適切な営業をしている店があるのでしょう。声掛け無視のジェスチャーをしたら、怒り声を私にぶつけてきました。六本木の住民としては、行政が、安心して歩ける公共空間にする努力をしてほしいと願うばかりです。行政のやる気なさを、この10数年感じています。区長は客引き対策をしていますと新年会などの挨拶で発言していますが。「客引き禁止」と小さな文字の看板を出しているだけです。武井区長は嘘つきという声も耳にします。

浸水想定域開発規制。テキサス州で50年前に規制。日本は4周遅れ。

2021年1月19日、新聞報道で「浸水想定域 開発規制へ」国土交通省、今国会に法案、とありました。当面、東京、大阪などの大都市周辺を対象とするようです。以前、国土交通省は続発する大規模水害被害を受け、不動産取引の際の重要事項説明に「水害リスク」を義務付ける方針を決めたという報道もありました。よかったという気持ちと今更という気持ちです。

1974年、テキサス州ヒューストン市(全米で第4位の人口規模)にあるライス大学建築大学院に留学した最初の学期で「建築と都市計画の法制度」の授業は必須科目として受講しました。教授や講師が法律用語を多く語るので理解が困難な授業でした。その中の一つで覚えているのが、テキサス州では100年に一度の確率で発生する洪水のハザードマップが作成され、そこには原則建築を許可しないという規則があることを学びました。もしどうしても建築したい場合は、高さ2メートルの高床構造にすること、それから、ある種の罰金を事前に納めるという厳しい規則があります。つまり、危機状態が生じた際は、消防、警察、軍隊が救助に出動しますので、その費用を保険代わりに行政に事前に納めろという考えと思います。そのような規則を作り、ハザードエリアに建築を作らせない都市計画をしていました。

テキサス州の規制に比べると日本の都市計画はいい加減です。危ない場所にどんどん住宅開発を認めてきたのですから。業者からすれば、売れなくなると困るから「危ない」と言わないでくれ、すでに買った方からすると「売りたいときに売れなくなるから黙っていてくれ」と行政に働きかけがあったのでは、あるいは、忖度あったのかもしれません。この数年の災害を見ていると、そのようなことを言っていられない状況です。救助と復旧にかかった費用は膨大です。それだったら最初から建築規制をしておけばよかったと思います。遅きに失したかもしれませんが、水害リスクの説明義務化、規制は良かったと思います。しかし、まだ不十分です。リスクの説明を受けても無視し、どんどん住宅開発が進む恐れがあります。

米国連邦議会議事堂侵入事件、残念。50年前自由に見学可。

1月6日首都ワシントンDC(District of Columbia)の連邦議会議事堂に、一部の過激派が暴徒となり議事堂に侵入、5人が亡くなりました。残念です。特にアメリカの民主主義は世界の民主主義の見本とみられていただけに残念です。

1969年、アメリカ、オハイオ州にあるウースター大学に留学する途中、9月中旬、ワシントンDCに立寄りました。ウースター大学の友人ジム・フォード君の自宅にホームステイしました。その間、ワシントンDCの名物建築を案内いただきました。

その中で印象的だったのが、連邦議事堂見学です。当時の日本の国会議事堂は、荒れ狂う全学連のデモの影響を排除する目的で、議事堂周辺へ近寄ることが困難でした。また、議事堂は国会議員の紹介があれば見学できますが、なかなか近寄りがたい存在でした。それに比べ、アメリカの連邦議事堂は、警備員の姿もなく、建物に自由にアプローチできました。驚きでした。連邦議事堂の建物に寄りかかっての記念写真、今でも大切に持っています。ジム君の話ですと、内部も自由にはいれるとのことでした。私は、さすが民主主義の国、だれにも開かれた議事堂で、国民も民主主義のシンボルである議事堂を大切に見守っているのだ、と理解しました。その後、世界中で発生したテロ事件などの影響で、議事堂の警備は厳しくなったと思います。

残念な事件でしたが、一方で、自分たちの力で元に戻す力もアメリカの民主主義は持ち合わせています。

ニューヨーク市役所住宅局で低所得者用住宅設計コンペ実施

建築の専門誌によると、12月30日、ニューヨーク市役所住宅局(正式にはDepartment of Housing Preservation and Development)がアフォーダブル住宅(低所得者用の住宅)(約1万㎡)の設計コンペを発表しました。特に、驚きは、少数派や女性が経営する企業が積極的に参加してほしいと呼びかけていることです。1か月ほどまで、ロサンジェルス市でも低層住宅の設計競技を実施するとの報道記事を紹介しました。

欧米では、設計者の選定に設計競技が多く実施されています。日本の公共事業でも、デザインは能力、経験、センス、適性があり、安易だからと入札でなく、設計競技、あるいは、プロポーザルで設計者、事業者を選定すべきです。結果、良いものが残ります。

「自由」な西欧諸国での設計競技は多いですが、なんと、共産党国家でも設計競技で外国人建築家が選定されています。ロシアのノヴゴロドのドストエフスキー劇場の保全修復の建築家選定で、設計競技が実施されました。中国、上海で重要な広場の設計競技が実施されました。日本でもどんどん設計競技、できれば国際競技を実施すべきです。