読売新聞4月2日朝刊に「セクハラ教授等処分78人」と一面の見出しです。社会面で作家深沢レナさん(32歳)が早稲田大学の指導教官から「俺の女になれ」と言われた学生時代の恐怖を振り返りインタビューに応えていました。彼女の年齢からすると10年弱前の出来事です。
女性の社会参画、その課題など統計的なデータ分析も必要、重要ですが、こうした個別の事例も調べるべきです。今でも記憶にある事例の中で2件紹介します。
1 早稲田大学交換留学生の後輩の女性、卒業後、修士課程で東京大学大学院に入学しました。最初の研究室会議で教授から「君は女なんだから皆のお茶を用意しろ」と言われました。彼女は直ちに退学届けを出し、カナダに留学しました。東大教授による女性差別、蔑視です。こうした具体的事例をマスコミも文科省も報道しません。
彼女はカナダで博士号を取得し、日本に帰国、幸い、つてがあったのでしょう、青山学院に専任講師の職を得ました。すると、先輩の女性教授から「すぐ赤ちゃんを作ってはダメ」と言われました。
最近のハーヴァード大学教授募集の公募広告で「妊婦さんも大歓迎」と書かれていました。日本の大学人の意識は世界から100年遅れています。そういうことを意識しない大学人の存在自体が問題です。
2 2013年2月の週刊新潮に芸大名誉教授(声楽科)平野氏が教え子と不倫関係にあるとの報道がありました。その後、私の知人から聞いた話、平野氏は4人の弟子を愛人にしているとのこと。芸大、日本の音楽界の現実です。週刊新潮が記事を書きましたら後マスコミは報道しませんでした。マスコミは芸大との関係が大事と判断したのでしょう。
平野氏は台東区が主催する奏楽堂コンクールの審査員でした。審査に不正があったと聞き、主催者の台東区に情報提供しました。台東区の幹部も平野氏の審査がおかしいと思っていたと発言。その後、件の台東区の幹部はあろうことか、「原田さんから情報提供があったから、審査員を辞めてください」と平野氏に伝えました。平野氏から手紙が届き「場合によりあなたを名誉棄損で訴える」との内容。世間的には芸大教授と言えば尊敬の対象で、原田は在野の人間ですから芸大教授と比べゴミみたいな存在ですが、実際は芸大教授(一部でしょうが)は、この程度のレベルです。
多くのまじめな教授を知っていますが、一部にこの程度の人物がいるということです。ですから日本では女性教授や研究員の数、比率がOECD諸国で最低水準にあり、女性を教授に採用しようという判断、意識が、欧米と比較し、働きません。女性活躍の課題、障害にこうした日本独特の問題があることも認識する必要があります。ただ、こうした議論は表に出てきません。本来必要な議論のテーマですが。