カテゴリー別アーカイブ: 建築設計

ブルガリア国際建築アカデミー参加者の国籍、個人レベルでは皆お友達

ブルガリア国際建築アカデミーに1994年以来参加し、参加者の国籍は様々です。場所柄ヨーロッパ勢が多いですが、アジア、南米、オーストラリアなどからの参加者がいます。1990年代内戦のあった旧ユーゴスラビア、現在はセルビア、モンテネグロ、スロベニア、マケドニア、コソボ、クロアチアなどに分離していますが、それぞれの国の参加者はそうした国家レベルの争いを棚に上げ、仲良く建築デザインの交流をします。今回もセルビアから2人の参加者がいます。一人の方はセルビア国内では少数派に属し、生活に一定の苦労があるようですが、議論に熱心に参加しています。トルコとギリシャもキプロス問題で政府間はいがみ合っていますが、建築家同士は仲良しです。文化、芸術、学術、スポーツなど通した草の根の交流が必要です。

私は内戦終結後の1997年、セルビアのベルグラードの建築家の大会に招かれ、パネル展示をし、建築家協会長のご案内で、若い建築家と意見交換しました。建築はいわゆる平和の時代に建造されますから、建築家は平和主義です。セルビアの建築家も内戦を大変悔やんでおりました。

ブルガリアの国際建築アカデミー、海外での建築家の仕事獲得方法、コンペが主流

ブルガリア、ソフィアで国際建築アカデミーの大会で各国の建築家の報告(デザイン論)を講演で聴いています。その内容が最も知りたい、学びたい内容ですが、もう一つ重要なことは建築家がどのように仕事を取ったかです。講演内容、資料によると、ほとんどがコンペです。コンペが当然という考えです。

日本では、ほとんど入札。入札書を届け、一斉開封で最も安い入札額を提示した設計事務所、コンサルタント事務所が仕事を得ます。手続きが簡単だからという理由です。仕事の質、担当者の質、経歴、人柄などは全く審査の対象外。本来はそれが最も重要なことです。しかも、

「原田敬美のブログ」でも書きましたが、大手設計事務所だから任せて安心ではありません。問題となった豊洲市場は大手の設計事務所が担当、しかし、まともな議事録が作成されていなかったことが明らかになりました。

港区では予定価格の1/4で落札したエレベーターメンテナンス会社(私の事務所と同じSECという会社だから癪に障りますが)が不適切なメンテナンスをし、住民が亡くなる事故がありました。港区はエレベーター新規採用とメンテナンスで入札を止めました。(契約手続きや技術力の判断力を分らない幹部の責任です)

コンペは発注条件を作成し、審査員を選び(日本では数少ないコンペで、著名な教授とか権威に頼る傾向があります。その他の審査でも)、審査をし、発表するという手順に時間がかかります。しかし、良い質の作品、成果が生まれます。特に国際コンペとなると英文の資料を作成したりなど面倒くさいとしてほとんど国際コンペもしません。自治体の営繕部門、契約部門から相談があればいつでも助言申し上げます。

社会的話題となった新国立競技場のコンペも上記のような失敗がありました。欧米はコンペは比較的オープンで誰でも参加できる傾向にあります。私もいくつか参加したことがあります。

中国人建築家(周氏)は北京の人民日報本社の設計者。コンペで入賞し、デザインをし、損の経験を講演しました。例えて言うと、朝日新聞、読売新聞、日経新聞など建築家選定で公開コンペをしませんでした。これまでのお付き合いのあったいわば系列の建設会社に発注しました。建築家が主導するという欧米の当たり前のデザイン行為が日本でされていないのは残念です。欧米、中国と比べ、日本の建築家の政治力のなさ、意識のなさ、組織力のなさが原因です。

「原田敬美のブログ」で友人の病院の工事で追加請求書が出され、1億円の追加が、私がチェックし、1850万円!!!に減額したことを紹介しました。マンションの大規模修繕でも同様のことがありました。

港区長時代も施工会社がつるんでいると思われる公共工事で1割も高い積算書が出され、区長である私が自らチェックし1割減額させた事例があります。真面目な建築家が厳しく積算書を作成、チェックする必要があります。設計施工は発注者にとり楽な方法かもしれませんが、施工内容、積算内容をチェックする体制を作らないととんでもない買い物になります。

世界の著名建築でコンペの事例を改めてご紹介します。

 

国際建築アカデミー大会出席、ブルガリア、ソフィア

5月13日日曜日からブルガリア、ソフィアに本部がある国際建築アカデミーの大会に出席しました。会長はゲオルギ・ストイロフ氏。元UIA(国際建築家協会長)、元ソフィア市長。世界各地からその国を代表する建築家、若手建築家が参加しました。また、パネル展示で世界中から200点近いパネルが展示されています。今回イタリア人建築家のパネル展示が多いです。また、経済発展が盛んなベトナムからのパネル展示もありました。最終日、パネルに対し表彰式があります。

ホテルと幹部会会議場はCOOPホテル。(日本だと生協ホテルと訳をしてしまいそうですが)講演会とパネル展示はソフィア工科大学。日曜日10時から幹部会に出席。私は客員教授で幹部会メンバーでありませんので、陪席という形で議論を聞きました。これまでの活動報告、幹部会候補者の審議、教授就任の審議など真剣な議論がされました。民主的な議論でした。

私事ですが、議事次第を見て、私がAcademic Council(評議員とでも訳せると思います)のメンバー候補者に掲載されているのに驚きました。委員長は2人、イタリア人のスキアッタレーラ氏、ロシア人のボコフ氏、副委員長にマルタのイングランド氏(1977年セルビアの建築家協会のイベントに出席し一緒しました)、評議員にドイツのヘルツォーク氏、メキシコ人のセラーノ氏、アメリカのジョンソン氏、名誉委員長に国際建築アカデミーの会長のストイロフ氏。渉外担当の委員にイタリアのクッチ氏。今後の国際建築アカデミーの活動方針について審議、方針を決める役割です。心してお役にたてるよう尽力したいと思います。

国際建築アカデミーは今から40年前、ストイロフ氏の提唱で、各国を指導する建築家が発起人になり組織されました。日本からの発起人は私の実務の指導者の菊竹清訓氏、丹下健三氏などです。

ストイロフ氏は89歳、お元気です。秘書役を務めていたミルカ女史もお元気。現在は秘書役は若手建築家のマリーナ女史。博士号(スポーツ施設の研究)を持ち、いくつかの海外で修行した経歴の方です。面倒な事務局業務を精力的に笑顔でこなしています。

毎回ですが、空港には学生、若手建築家が出迎えに来てくれます。今回はソフィア工科大学の3年生、ツヴェタン君がボランティアで迎えに来てくれ、ホテルにタクシーで案内してくれました。彼の卒業後の夢を聴くと、大学院に進学し、または、海外留学したいと話してくれました。また、3日間で世界中の建築家の講演を聴けるのは貴重な機会なので楽しみにしていると語っていました。(日本の若手も参加するとよいのですが)

ブルガリアはGDPが日本の1%。人口は700万。こうした小国で国際機関が機能し、多くの建築家が集まり議論する役割を担っていることは日本の国際化、観光政策にも参考になります。正直、私の体験に意識を持って聞いてくださる方(日本の建築家、政治、行政分野も)は限られています。

箱根湖尻アートビレッジ、視察。

2年先輩の建築家山崎一彦さんからご案内をいただき、氏が手掛けた箱根湖尻アートビレッジの見学と音楽などのアートのイベントに出席しました。若いアーティストのイベントに感激しました。井崎瑛惠のチェロ、井崎友里惠のピアノ、寺沢希美のヴァイオリン、シャンのバルーン(風船)アート(世界大会優勝者)、書家の美帆、剣舞の柴野えりこ、白鷹未地の各氏のパーフォーマンスです。

施設は広い敷地(6000㎡)に管理棟、店舗棟、ホール棟、茶室などが分散配置されています。ご案内状をいただいたとき、どこかのディベロパーが企画し、山崎さんに設計を依頼したと思いましたが、現地でご本人から伺ったお話で、ご本人が自ら土地を買い、若手アーティストの活動、たまり場として企画、設計、一部の工事を担当したとのことで驚かされました。木造の美しいフォルムの建物です。

箱根の芦ノ湖のそばで、ロープウェイの桃源台駅から徒歩5分の場所です。ぜひお出かけください。山崎さんのデザイン力、夢の実現力に敬意です。

平泉会(へいせん)展覧会、5月4日から上野の東京都美術館で開催、原田も出展

平泉会(へいせん)という美術家の展覧会が、5月4日から10日まで、上野の東京都美術館、2階第4展示室で開催されます。毎年恒例の展覧会です。主宰は会長の保坂良平氏。私は建築スケッチを2点出展しました。1つは「水戸市水道低区配水塔」、もう一つは「金沢市尾山神社神門」です。水戸市水道低区配水塔は1932年建設。設計者は後藤鶴松。水戸城三の丸北側にあり、近代建築遺産。高さ21.6m、直径11.2mの円筒形。真ん中の高さの位置ににバルコニーの回廊がせり出す様式。尾山神社は加賀藩前田家を祀る神社。神門は1875年棟梁津田吉之助の設計施工。儀洋風で中国風が混入した珍しいデザイン。最上階に色ガラス。当時は灯台の役割も果たしていました。50㎝×50㎝の大きさ。上野にお越しのついでがありましたら是非お立ち寄りください。毎年1月下旬が六本木の新国立美術館で開催、5月は上野の東京都美術館で開催です。私はそれぞれ2点づつ建築スケッチを出展しております。印象的な建築を思い出しながら、年間4点の製作は結構時間を要し、大変ですが、製作する喜びと最近ではボケ防止に役に立っております。

リニア談合、公取告発。上尾市長逮捕事件。港区では。その3、法律違反の職員達。

港区長時代、赤坂特養建設で談合情報が多く寄せられ、建築のプロの区長として、様々調査をし、また、問題と思われる積算書のチェックを自らしました。本来は施設課職員の仕事です。施設課職員はチェックをしませんでした。私は一目見て、カタログの単価以上の価格が記載されていたり、問題だらけの積算書と喝破しました。友人にポケットマネーで報酬を支払い積算書をチェック協力してもらいました。私自身、自宅で夜、積算書をチェックしました。30億円の積算書(設計事務所でなく、談合で落札予定のゼネコンが作成した積算書と思います)を3億円減額させました。

問題1。施設課職員の情報漏えい、守秘義務違反。本来施設課職員の仕事ですが、やる気がないので、区長自ら積算書をチェックしました。すると、施設課職員から談合のまとめ役と噂されたベテラン議員にその情報が伝わっていました。情報漏えいで公務員法違反と思います。件のベテラン議員Y氏は「原田は区長室で区長の仕事をしないで積算書をチェックしている。」とあちこちで話していると伝わってきました。

問題2。不正を知ったら公務員は告発義務があります。それを怠った罪です。契約担当のU助役、政策経営部長、施設課長、契約課長などは(他の部門の幹部達も)談合という不正を知りながら何もアクションを起こしませんでした。法律違反です。

リニア談合、公取、ゼネコン4社を告発。港区ではその2、新スポーツセンター。

3月23日、リニア談合で公取が大手ゼネコン4社を告発という報道。港区長時代いくつか耳にしました。区長自ら徹底的に正しました。数年前、田町に300億円の新スポーツセンターができました。総合評価方式ということで、建設会社が選定されました。金額だけで決める入札ではなく他の要素も総合的に評価する「総合評価方式」は良いと思います。しかし、評価項目が意図的だったり、特定の建設会社を有利にしたり、あるいは、不利にしたりすると問題です。

まず、300億円の高額な工事であるにもかかわらず、応募者が少数だったようです。私の

区長時代30億円の赤坂特養工事で16社の応募がありましたことを考えると不自然です。また、選考、評価の中に「港区内に立地する建設会社」という評価項目がありました。300億円という高額工事であることからすると本来は全国の大手企業に声をかけるのが望ましいです。小規模工事なら、地元業者の育成、配慮から、地元優先でしかるべきでしょう。300億円となると他市に本社地を構える企業でも問題ないはずです。「港区内に本社地がある会社」という評価項目となると極端に候補企業が絞られます。「総合評価方式」と称する公正な選考方法を取っていますよというパーフォーマンスで、結果的に、某企業に有利に働くよう意図的な方法ではと疑ってしまいます。

しかも、完成が予定より半年遅れました。お咎めもなかったようです。ほぼ同時期、町田市の文化施設で工期3か月遅れで建設会社が1年間指名停止処分を受けました。そうした事実とバランスを考えると、港区の対応は不自然です。当時の施設課の担当係長I氏に何度か電話で照会しましたが、しどろもどろでした。当時I氏は「仮に異動後でも、最後まで自分が責任持って担当、対応します。」と説明がありましたが、その後なしのつぶてです。

1998年建築基準法解説本を書き「民間人のくせに生意気だ」と耳に。

1998年、理工系出版社オーム社から急な依頼で「改正建築基準法の解説本を書いてほしい」と依頼がありました。執筆期間は何度1か月。知人の東京都建築指導課職員のSさんに協力してもらい、2人の共同作業で何とか1か月で書き上げました。出版後、旧知の東京都建築指導部監理課長Mさんから「部下が、原田という民間人が建築基準法の解説本を書いて生意気だと言っているけど、気にするな」とご注進がありました。驚きました。公務員が民間人に対する侮辱です。官が偉い、民間人が法律の解説本を書くなんでとんでもないという意識がとんでもないです。東京都の公務員は一般的に優秀です。しかし、民間にも多くの優秀な専門家がいます。また、様々な経験を持っている民間人が多くいます。そういう認識がなく、ただ公務員というだけで民間人を卑下する公務員は困ったチャンです。研修所、上司などが徹底し思想教育すべきです。

トランプ大統領の鉄鋼、アルミ製品の輸入品に課徴金、アメリカ建築家協会の反応

アメリカ建築家協会(AIA)の「ARCHITECT」をインターネットで毎月読んでいます。3月7日号に、トランプ大統領令の「鉄鋼製品(25%)とアルミ製製品(10%)に課徴金をかける」という発表は衝撃的にアメリカと関係する国々で発表され、大統領令の問題が指摘されました。建築家協会は建築家全体の利益の観点から大統領令に問題提起しました。

AIAの見解は、鉄鋼とアルミの製品価格の上昇となり、建築家と建設業界に問題が生じると指摘しました。主要製品の値上げとなり、建築費用の上昇となり、結果として建設業の売り上げが衰退し、経済に悪い影響を与えるということです。

AIAの見解のとおりと思います。専門家団体が専門家団体の利益のため、大統領に問題指摘をすることは適切と思います。日本でも、建築家、建設労働者などの利益のため、建築学会、建築士会は積極的に政府や議会に問題提起をすべきです。

 

日本学術会議で設計者選定のため会計法の改正について議論。難しいと思います。

元建築学会長、元建築家協会長の仙田満さんが昨年、日本学術会議で、設計者選定のために自由度を確保するため、指名競争入札を定めている会計法を改正すべきという問題提起をしました。

私は仙田さんに「会計法」改正は不可能とお伝えしました。法律を改正するということは大変は手続きが必要です。多くの議員の賛成がなければ不可能です。

私は港区長時代、区長の権限で設計者選定を金額の多寡で決める競争入札でなく「プロポーザル方式」(A-3の用紙1枚に提案を書く)を採用しました。そのプロジェクトに最もふさわしい建築家、コンサルタントを選ぶことが発注者にとり、ひいては区民にとり、重要なことです。また、巷間言われるような談合防止対策にもなります。

首長、施設課長(営繕課長)等の権限、指導力でできることです。具体的に実績を積み上げればよいことです。そのように仙田さんにお伝えしました。学者や専門家たちに政治事情を理解してもらうのに難しさを感じました。政治事情をもっと勉強いただきたい。また、海外の事情をもっと勉強し、日本でも海外の専門家の選定方式を採用するよう活動すべきです。オランダのハーグ市庁舎はアメリカ人のリチャード・マイヤー、ラトビアの首都のリガ市庁舎はイギリス人建築家、ヘルシンキ市の美術館はアメリカ人スティーブン・ホール、パリのルーブル美術館の入り口はアメリカ人、…これが国際標準です。