日本の都市形成は、容積率と建蔽率によります。容積率は建築基準法52条、建蔽率は同53条に規定されています。建物の階数、高さは無関係です。結果、統一感のない街並みが形成されます。また、時には高さについて近隣紛争が生じます。
容積率と建蔽率の規制だけでは、敷地の規模により、何階でも建築可能です。建築主は「合法」と主張し、近隣住民は「困る」と対立します。
今後、統一感ある街を形成するため、また、近隣紛争をなくすため、地域の特性に配慮し、「高さ・階数」の要素を建築基準法に含めるべきと思います。
江戸時代は奉行所、代官所が建物の高さ、主たる材料を決め、規制していました。結果的に、美しい街並みが形成されました。幕末日本に来た欧米人はその美し街並みを礼賛しました。
今日、日本は先進国の一つですが、率直なところ、先進国で最も不揃いな街並みを形成しています。
港区長時代、都市計画の見直しをしました。住宅地を守るという視点で、北側斜線の高度制限(同法55条・56条)を規制強化しました。ところが、規制強化は困るという陳情が多く寄せられました。
地域ごとに、最高高さが決められていると良いと思います。もっとも、高さ規制を決めるまでがまた大変です。
容積率と建蔽率:日本の都市を形成する要素
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