月別アーカイブ: 2014年7月

女性の社会参画の環境整備

女性の社会参画が叫ばれて久しいです。3度の海外留学や国際会議で海外訪問し、女性の社会参画の環境整備で2つ提案します。ハード面とソフト面です。

まず、ハード面では都市構造の再編です。東京では通勤時間1時間、1時間半は当たり前です。長時間の通勤で家事、育児は困難です。都市構造が改善し、通勤時間が30分程度になれば、男女とも、家事、育児に参加しやすくなります。職住近接、コンパクトシティにすることで、女性の社会参画が促進されます。欧米のライフスタイルを見ると、通勤時間は30分内外が多いです。

次は、ソフト面です。社交と定時退社の習慣です。日本での社交は、男同士、銀座のクラブや赤坂の料亭で2人だけでコソコソというスタイルが多いです。女性は参加できません。欧米では、ビジネスランチ、ホームパーティが社交の中心です。安心して女性が参加できます。次は定時退社の習慣です。アメリカとスウェーデンで勤務経験があります。定時になるとさっさと帰宅します。日本人は周囲の目を気にして、なんとなく、居残り、残業というパターンが多いです。トップダウンで定時退社の習慣を構築する必要があります。

以上の分野の国際比較の基礎調査をしたいと念じております。

港区の高さ制限の課題

港区が高さ制限を導入しようとしています。結構なことと思います。ある時、知人から「分らないので教えて欲しい」と連絡がありました。私自身、港区の高さ制限の内容を学びました。いくつか課題を感じました。

まず、高さ制限を検討する方法論が不明確です。次に、高さ制限と言いつつ、事実上、高さ緩和になっているという中身そのものの問題です。

1方法論についてです。現行の法規制でどのような街並みができるかのシミュレーションが示されていません。放置すると、問題ある街並みができる恐れがあるので、ある規制により問題を回避するという道筋を示す必要があります。それが示されていません。港区で街の更新が考えられる建築は、老朽木造建築と新耐震基準(昭和56年)以前のコンクリートや鉄骨の建築物です。そのデータは土地利用現況調査で把握済みですから、そのデータを基に、どの建物が近いうち建て替わるだろうということが予想つきます。

2港区内の各地区ごとに、区民の住環境に対する評価基準が異なると思います。どのような街並みなら「問題」あるいは「快適」と感じるか、アンケート調査をすべきです。それに基づき、各地区ごとに道路に面した建物高さがどの程度になると、「不快」「問題」と感じるか、客観的に検証すべきです。もう一つの大きな問題です。

港区役所の幹部に建築や都市計画の専門家がいません。区長も副区長も部長も課長もみな門外漢です。なぜ専門の職員を育て、配置することをしなかったのでしょうか?また、チェック機関である区議会もどうしていたのか、疑問です。

トルコ、コジャエリ大学国際会議で講演

5月8日から11日までトルコ、コジャエリ大学の招へいで、震災復興、建築、都市政策に関する国際会議に出席、2度講演しました。イスタンブールから東へ100km、トヨタ、ホンダの工場が立地している産業拠点です。15年間大震災で2万人の犠牲者で出ました。人口170万の大都市です。トルコは国立大学、授業料は無料です。コジャエリ大学は学生数7万人の総合大学で、法律、経済、建築学部、美術学部、医学部、歯学部、海洋学部などがあります。

驚きの1、学長、副学長、法学部長、建築学部長、海洋学部長など管理職は女性です。

驚きの2、学生の半数以上は女性、特に建築学部は740人のうち7割が女子学生。

驚き3、コジャエリ市内の幹線道路は2.2km、中央に幅8mの緑地帯、その両側に3車線の道路と歩道、日本にはない道路構造です。

驚き4、工事現場は、完成予想の絵が描かれたシートで覆われ、美しい景観を創出しています。これも日本にはありません。

驚き5、国際会議の発表者は134名、うち半数は女性でした。

コジャエリ市は今後、観光都市、そのために美しい環境都市をめざし、緑化、トレッキングルート1000kmの整備、30の歴史建造物の保存整備、活用、観光客用のホテル整備、海水浴場、スキー場の整備をしています。直接副市長から聞きました。私にあてがわれたホテルは5星のスイートルーム。逆にあまり眠れませんでした。おもてなし、十分計画的な会議運営でした。脱帽でした。

 

NHK番組のセクハラ発言

平成26年7月9日(水)夜10時55分探検バクモン、潜入日本一の巨大豪華船外国人美女が歓迎の舞で、インタビューアの芸人が、ステージの外国人ダンサーに対し”Let’s make love”と発言。つまり、女性ダンサーに対し「セックスしましょう」と発言。全くのセクハラ発言。常識欠如のバクモンという芸人。本来、編集担当のプロデューサーが編集の際、削除すべきでした。プロデューサーも常識欠如の方です。報道番組で、お説教がましい発言をニュースキャスターや解説委員が話します。大きな乖離にお笑いです。

文化政策の課題その2

平成25年11月ベルリンフィルが港区にあるサントリーホールで演奏しました。5万円のS席含め完売。私の知人が、友人で21歳の日本の女性が楽団員なので紹介したいと面会し、食事をしながら意見交換しました。フランスに留学中、指導教官からベルリンフィルのオーディションに受けたらと勧められ、合格、ベルリンフィルに就職したとのことでした。日本なら、年齢による先輩後輩の関係、学閥など、本人の能力と無関係な要素が重要な選考のカギとなります。日本の文化政策の貧困さ(芸大など既得権にブル下がっている教授たちの判断、選考能力の欠如、優秀な若手に対する嫉妬ヤッカミ)故、有能な日本人芸術家が、また、一人、日本から失われました。彼女の国際的な活動を期待、祈りたいと思います。

 

 

日本の文化政策の課題

平成26年6月28日の報道で、アメリカのバレー国際コンクールで日本人が金賞、それ以前にもローザンヌコンクールで優勝、ブノワで優勝、その他の音楽コンクールで日本人が入賞、うれしい限りです。一方で、残念と思うのは、順番がおかしいということです。本来、日本で評価され海外でさらに評価されるが自然です。絵画で評価され、日本で評価されるのは順番が逆です。つまり、日本の文化、芸術の指導者がいかに無能だったか、あるいは、審査で、有為な新しい人材を見つける努力をしていないかの証左です。日本で文化、下術分野はボス化し、審査員の構成が偏っているのでしょう。古くは、指揮者の小沢さんがヨーロッパのコンクールで優勝し、日本に凱旋。最近では、ピアニストの辻井さんがアメリカのコンクールで優勝、日本に凱旋。ノーベル賞も同様です。日本から欧米に移住し活躍した研究者が受賞し、日本の社会が再評価します。それまで日本の指導者(審査をする方々)は何をしていたのか、問題多いと思います。