日別アーカイブ: 2014年7月21日

港区の高さ制限の課題

港区が高さ制限を導入しようとしています。結構なことと思います。ある時、知人から「分らないので教えて欲しい」と連絡がありました。私自身、港区の高さ制限の内容を学びました。いくつか課題を感じました。

まず、高さ制限を検討する方法論が不明確です。次に、高さ制限と言いつつ、事実上、高さ緩和になっているという中身そのものの問題です。

1方法論についてです。現行の法規制でどのような街並みができるかのシミュレーションが示されていません。放置すると、問題ある街並みができる恐れがあるので、ある規制により問題を回避するという道筋を示す必要があります。それが示されていません。港区で街の更新が考えられる建築は、老朽木造建築と新耐震基準(昭和56年)以前のコンクリートや鉄骨の建築物です。そのデータは土地利用現況調査で把握済みですから、そのデータを基に、どの建物が近いうち建て替わるだろうということが予想つきます。

2港区内の各地区ごとに、区民の住環境に対する評価基準が異なると思います。どのような街並みなら「問題」あるいは「快適」と感じるか、アンケート調査をすべきです。それに基づき、各地区ごとに道路に面した建物高さがどの程度になると、「不快」「問題」と感じるか、客観的に検証すべきです。もう一つの大きな問題です。

港区役所の幹部に建築や都市計画の専門家がいません。区長も副区長も部長も課長もみな門外漢です。なぜ専門の職員を育て、配置することをしなかったのでしょうか?また、チェック機関である区議会もどうしていたのか、疑問です。