月別アーカイブ: 2014年8月

広島の土砂災害に思う

8月の広島での土砂災害、被災された方、関係者におかれましては、早い復旧、復興をお祈り申し上げます。

災害の報道に接し、違和感を感じることがあります。まず、報道の姿勢です。「大変だ!」との内容です。なぜ、災害の生じやすい場所での開発をした時に「問題では?」「危ないのでは」と報道しなかったのかという点です。そうした地域で住宅をお買いになった方は気が付かなかったと思います。マスコミの責任も大きいと思います。

テキサス州ヒューストンにあるライス大学建築大学院の建築、都市計画法の授業で、災害の恐れのある地域での開発規制を学びました。100年に1回の洪水が生じる恐れがある地域では過去の事例から2メートルの高床の建築にしないと建築許可、開発許可が下りません。違反すると罰金が科されます。また、違法状態は警察力(自治体警察)を使って排除されます。こうした規則は国の法律でなく、市役所の条例で規定され、その条例は市議会議員により作られます。

自治体も、災害の恐れがある地域での住宅開発に対し、厳しく、規制を網をかけなければなりません。そういう点で自治他の責任も重いといえます。

大西氏1000件、原田敬美400件

尊敬する東大教授大西氏、現在日本学術会議議長、日本の学術界の代表人物です。報道によると氏のブログで執筆した論文など1000件だそうです。独立自営、一匹狼(本当はヒツジです)の私は400件です。学会の審査月論文7件、一般新聞の論説記事6件、一般新聞のコラム約20件。1万から2万字の長論文10件、共著含め著書10冊。結構書いてきました。

大学教授は、研究論文を執筆するのが仕事。ましてや、東大教授であれば、原稿執筆依頼も多くあると思います。研究をお手伝いする学生の質、量とも目を見張るものがあります。大学教授は、学生から授業料を受け取ります。研究指導と称し、学生にデータ集めをさせ、卒論、修士論文など執筆させます。そこに、教授の名前を指導者として挿入します。研究室の賃貸料は無料です。

私は、民間人、設計事務所経営者ですから、大学教授と比較し、それほど原稿依頼はありません。データ集めは自らやります。事務所の賃貸料を払っています。学生にデータ集めをさせると、アルバイト料を支払わなければなりません。研究論文は自腹で書きます。そうしたハンディの中で東大教授の論文執筆件数の40%の件数を書いたのは、結構書いたなという思いでおります。中には論文を書かない大学教授もいます。本来解雇です。私はこれからも書き続けます。

八田イズム、英会話でも

先日食事でご一緒した方はローマオリンピックのレスリング選手候補だったそうです。慶応卒の文武両道の方。八田イズムで盛り上がりました。当時のレスリング監督は八田さん。東京オリンピックでレスリングは金メダルラッシュ。高校生の時、伝記で読み私も大いに影響を受けました。勝つため、板の間の上に寝て、電気をつけ明るくしたまま眠ります。動物園でライオンとにらめっこしライオンが目をそらすまで頑張る。

大学時代、アメリカに留学したいと思い、寒い冬、自宅の板の間で寝る時、電気をつけたまま、薄着のまま。建築のデザインの課題をやりながら、板の間に横になり、痛さと寒さで目をさまし、そのまま英会話の勉強。スパルタは人には強制しませんが、自らに課しました。(特に体育の指導者は無理な訓練を生徒に課すべきでありません)念願叶い留学できました。(何も努力しない人が、私のやり方にイチャモンのコメントを言います)

港区長時代、不勉強なくだらない質問をする野党議員を睨み付けました。相手は目をそらしいました。欧米の大都市の危ない地下鉄に乗る時は、車内で乗客を睨み付けました。スリは寄ってきませんでした。私が学生時代影響受けた八田イズムでしばし盛り上がりました。

何かを成し遂げようとする際、八田イズムはよい方法です。ただし、人に強制をしてはいけません。

 

B29空襲で逃げ回った母、B29のパイロットだった親友の父

幼稚園、小学生の頃、就寝前、布団の中で母は、太平洋戦争中、B29の空襲で逃げ回った話をしばしばしました。1974年フルブライト交換留学生としてテキサス州ヒューストン市(人口200万の全米第4の都市)にあるライス大学建築大学院で学んだ際、多くの親友ができました。その一人、Tim Watsonはよく自宅に招いてくれ、シェフの奥さん(ドイツ人)の手料理で私を歓迎してくれた。ある時、実父はB29のパイロットで、日本で撃墜され、遺体も墓もない、日本そのものが墓場だと聞き、私は驚きました。

子供の頃母から聞いた話で、B29の空襲の際、高射砲で撃墜され(まぐれでしょう)、落ちてゆくB29を目撃したという話も聞きました。もしかしてその時のB29がTimの父親が操縦していたかもしれません。当時、親同士は戦争をし、子供同士は親友。1976年、私の両親がヒューストンを訪問、Timの家にホームステイ。両親は彼の実母と継父にも面会しました。1985年Timは東京を訪問、私の家にホームステイ。

運命の不思議を感じます。戦争がない仕組みを構築しなければなりません。しかし、ただ、戦争反対と叫んでいるだけではだめです。具体的な方策が求められます。

 

両親の出身地と公職のご縁

S県K市とW市で某分野の審議会会長を依頼されております。不思議なご先祖様とのご縁を感じます。K市は父方の祖母の出身地です。W市は母の出身地です。親戚が市役所に私を紹介したわけではありません。偶然、行政ルートで依頼されました。スピリチュアルなことに関心ありませんが、ご先祖様が「敬美、祖先の故郷で貢献しなさい」と命じたような気持ちです。両親の故郷の発展に、何らかの貢献ができればと念じてお務めさせていただいております。

港区長秘話その1:出馬と不出馬

港区長を平成16年6月27日に退任し10年が経過しました。貴重な体験でした。十分仕事させていただきました。当時の記録を基に、当人しか知らないことを書き留めます。事実です。

その1です。出馬要請と不出馬養成です。

平成12年4月14日9時半に港区長室に来てほしいと要請があり、訪問しました。病気引退を表明しているS区長が「区長になってほしい。区議で区長になりたがっている人物がいる。問題あり(おそらく利権屋と認識した)、そいつを外す。皆が原田さんを応援する。」と出馬要請でした。

私は「政治に関心がありません。平成13年某大学の教授に内定しています。組織も金もありません。」とお断りしました。数日後、影響力ある複数の方々から電話や面会を受け、強く出馬を要請されました。そこで、若い時多くの方にお世話になった恩返し、社会貢献の時と判断し、出馬を受諾しました。私がS区長に出した条件は「真面目に仕事します。不正を見つけたら正します」、S区長「原田さんのお好きなように。私は院政を敷きません」と回答でした。(後年言行不一致であることがわかりました)

3年半後の平成15年12月「原田さんは真面目過ぎる、仕事し過ぎる、インテリ過ぎる、だから辞めてくれ」でした。対抗馬を出すとも言われました。混乱を避けるべく、また、バカバカしいので出馬しないと決断しました。

 

日本の文化芸術学術政策、指導者の無能

8月8日の報道です。スウェーデンで活躍するバレリーナ木田真理子さんが「ブノワ賞」を受賞したことを受け、文化庁長官表彰されました。うれしいことです。また、8月10日の報道です。時代劇の斬られ役の福本清三さんがカナダ、モントリオールの国際映画祭で最優秀主演男優賞に選ばれました。うれしいことです。

こうした時、常に感じるのが、本来、日本の文化、芸術、学術団体の人を評価する能力の欠如という問題です。各団体のトップの方たちは、逆に、こうした出来事に、自ら発見、評価できなかった不明を恥じるべきです。文化、芸術、学術のリーダーは、井の中の蛙、凝り固まった自分と自分の業界のものの見方しかできない、あるいは、自分の弟子や仲間にしか目が届かないので、こうした結果になります。

本来、日本の文化芸術学術の団体が、海外で活躍する方や日本国内で頑張っている方を発掘し、表彰し、その結果、海外での受賞につながる仕組みを作れないといけません。外国人に評価されて、慌てて、日本の組織が後出しじゃんけんで表彰するのは情けないです。受賞は嬉しいニュースであると同時に、日本の権威と言われる文化、芸術、学術の責任者は自らの評価の能力なさを反省し、辞表を出さなければなりません。かつてのオザワセイジ、ノーベル賞の日本人受賞者などの報道を見ると、日本の芸術界や学界の一部リーダーの頑迷固陋、バカさ加減がわかります。権威と言われる方々は、肩書きだけの輩でしょう。大いに変わりましょう。

 

日本の経済活性化の手法:海外からの投資受け入れ

日本の成長戦略の提言です。かつてはよし製品を海外で売って、その利益を日本の成長に充てました。中国はじめ多くの国が世界の工場となっています。日本は社会が安定しています。日本でオフィスビルやインフラ整備の投資をしてもらうことです。一定の利回りがあれば海外の投資家は喜んで投資します。具体の例が港区の汐留にシティセンタービルがあります。シンガポール資本です。日本の幹事社は三井不動産です。

日本の建設投資が1年で50兆円です。減少傾向です。これから、世界の投資家が500億円のビルを毎年10件日本の都市に(東京が中心となりますが)投資してもらいます。年間5000億円です。日本の建設投資の1%です。これを10年続けます。建設投資の直接投資とそこで働く勤労者が消費する経済効果で地域が潤います。(急激な投資は、資材や人件費の高騰につながりますのでスピードの調整が必要です)

課題があります。世界から投資しやすい環境整備です。欧米に比較すると、日本の都市計画法、建築基準法は枝葉末節で細かすぎる点があります。また、手続きが長くかかり過ぎます。世界の大都市と様々な投資環境の評価をしてみましょう。

 

メジャーリーグ球場のデザイン

毎日アメリカのメジャーリーグのニュースが報道されます。日本人選手の活躍はうれしく思います。建築家としてニュース映像に釘付けになるのは、球場のデザインです。日本と比べ、多様です。内外野の芝生の張り方のデザインが多様です。パターン、色彩が様々です。グランドと客席の境界のパターンも様々です。外野の壁のデザインもレフトとライトと線形がことなる非対称のパターンの球場があります。外野のフェンスに垂直緑化された物もあります。外観のデザインもいかにも球場風からショッピングセンター風まで様々です。オーナーや建築家の考え方が多様だからでしょう。日本なら「前例がない」という声が聞こえそうです。港区長時代、新しい施策を次から次へとやりました。多くの職員の理解、支持がありました。しかし、中には「前例のないことしないで下さい」とバカな助言をする部長がおりました。

東京都は世界都市か?

去る6月6日、知人のアルゼンチン内務省の都市計画部門に勤務する若手職員が私的に東京を訪問しました。私は彼を東京都庁の展望台に案内し、東京を全貌してもらい、その後、都庁3階の資料室に立ち寄りました。英文の都市計画や東京都紹介の資料を購入し、氏にプレゼントしようと思いました。氏と都民資料室に行き、カウンターにいた女性職員に「都政や東京の都市計画に関する英文の資料はありませんか?」と聞きましたら「ありません」と返答。女性職員曰く「私も英文資料がないのはおかしいと思います。ただし、自分は職員で、上司に言えないので、投書してください」とのことでした。私も「世界都市東京の都庁舎の資料室に英文資料がないのはおかしいですね」と職員に語りかけました。

去る5月トルコの第2の大都市コジャエリ市役所(人口170万人)を訪問、多くお英文資料をいただきました。高校生向け世界地図に載っていない都市の市役所で英文の資料があり、世界のだれもが知っている東京の庁舎に英文資料が置いてないのは問題です。都庁生活文化局広聴部に投書の電話をしました。担当職員曰く「関係部門に伝えます。最も良い方法は知事に直接、親展で直訴することです」と助言がありました。早速舛添知事に親展でお手紙を出しました。本人が直読んだか不明です。知事は「世界都市」というキーワードをスピーチでお使いになります。こうした実態をご存じないでしょうか?

ちなみに「世界都市東京」は1988年ニューヨーク行政研究所のマメン氏の執筆です。私の尊敬する友人です。港区長時代、港区役所で講演していただきました。