1969年アメリカ、オハイオ州ウースター大学に留学しました。どのように友人を作ったらよいか全くわかりません。交換留学に行くといっても英語がそれほどに話せるというレベルでありません。見知らぬ学生(全寮制、1300人程度の規模ですからキャンパス内は全て大学の仲間です。)とたまたま会話をし、どのような話題を話してよいかわかりませんので、柔道や音楽などの話をしました。
中学の部活で少し柔道を習いました。1年生の時、大柄の3年生から背負い投げを習いました。指導員の先生はいませんでした。先輩が親切丁寧に教えてくれました。早稲田大学では保健体育の授業で柔道を取りました。基本的な練習をしただけでした。ウースター大学で柔道を知っている学生はほとんどいません。小柄の私が大柄の学生に技をかけ、背負い投げのさわりをデモンストレーションしました。友人たちから尊敬のまなざし。日本国内では全く相手にされないレベルですが。
また、全寮制で、大きな個室と共有のホテルのロビーのような広いリビングルームがあり、高級そうな応接セットが配置されています。寮の建物は7つ程度ありました。各リビングルームにはグランドピアノが置いてあります。誰も弾きません。休息の時間に時々へたくそなピアノ演奏をしました。すると友人たちが、おそらく、「ケイミは文化人だ」と思ってくれたのでしょう、また、尊敬のまなざしでした。
日本の伝統芸のおかげで(初心者レベルですが)多くの友人を作ることができました。芸は身を助けるというフレーズを実践しました。