月別アーカイブ: 2017年6月

スコットランド音楽、東京カテドラルで開催。日本の音楽に大きな影響。

6月21日文京区関口の東京カテドラル(丹下健三デザイン)でスコットランドとの交流を目的に、スコットランド音楽がパイプオルガンとバグパイプの楽器、一部、六本木男性合唱団の参加で開催されました。パイプオルガン奏者はサイモン・ニミンスキー、バグパイプはジェラルド・ミューヘッド。事務局のお手伝いをしている嘉藤氏のご紹介で出席しました。曲目は「蛍の光の原曲となった民謡」、「アニーローリー」、「アメイジング・グレイス」などで日本人になじみの深い曲ばかりです。

明治時代、イギリス人(スコットランド地方の人人も)が来日、様々な最先端技術を日本で指導しながら音楽も普及させ、その後、日本の歌であるかのような思いをするほど日本人になじんでいます。スコットランドと日本との関係は歴史的に深いです。スコットランドはウィスキーで有名ですが、最近ではスコットランドが独立するしないで国際ニュースをにぎわしています。

私が1969年最初にアメリカ留学した大学はオハイオ州のThe College of Wooster,アメリカで主流派の長老派教会(Presbyterian)設立の大学です。スコットランドとのつながりで大学の行事は男女ともスカートをはいてバグパイプでパレイドしました。ミューヘッド氏のスカート姿でのバグパイプの演奏を懐かしく感じました。ウースター大学では学生のことを「スコット」と称しています。スコットランドの英語は独特の発音。著名なスコットランド人の環境プランナー、マックハーグ教授がライス大学で講演した際、私は氏の英語をほとんど理解できませんでした。アメリカ人の友人に聞いたら「氏の英語を理解できない」と言っていました。東北弁と薩摩弁の違いくらいあるのでしょう。

建築家として東京カテドラルを観察しました。美しい建築です。高さ30m以上の天井で、天井に近いほど狭くなる空間で、残響効果抜群。しかし、両サイドに高さ3mに満たない低い空間の天井はダウンライトがいくつかあるだけで、ダウンライトが天井を無意味な雰囲気にしています。また、照明の配管がコンクリート壁に沿って水平に設置されていたのも気になりました。

スコットランドの音楽を堪能し、スコットランドに思いをはせ、明治時代に遠くスコットランドから来日したスコットランド人の勇気に敬意を表し、最先端技術を伝授したスコットランド人に感謝、すばらしい空間を堪能しました。国際理解、相互理解、交流は大いに発展することを祈っております。

クロスカルチャーの音楽イベント

大田区の閑静な住宅街に近代建築の指導者の一人山口文象氏の住宅、アトリエがあります。5月下旬、貴重な近代建築の住宅で、山口文象氏のご子息で音楽家の山口勝敏氏のピアノ・オルガンコンサートが開催されました。私もご縁で出席しました。音楽を聴くのも目的ですが、山口文象氏の住宅兼アトリエを観たいという思いももう一つの目的です。住宅は機能的で、構造的には同一スパンの繰り返しで、民家の原理を基にしたような設計です。

山口勝敏氏の演奏の後、広い庭で出席者が、山口様の奥様の手作りのスナックを食べながら談笑。交流。様々な分野の出席者による文字通りのクロス・カルチャーの会でした。こうした文化芸術活動が草の根のように拡大することを期待しています。

昨年、日本建築研究会で、高尾山薬王院を建設した宮大工の小町氏の講義を聞きました。10代の時山口文象氏に弟子入りし、多くを学んだお話でした。山口勝敏氏に小町氏の話をしましたら、「小町さんにはよくおんぶしてもらった」と懐かしがっていました。

 

港区客引き防止条例施行後の六本木の実態、港区や警察は実態を把握しているか?

平成29年4月1日から港区客引き防止条例が施行されました。武井区長は様々な会合で自信たっぷりに条例施行を宣伝しています。問題は実態です。具体策です。武井さんはやってますとアリバイ作りの発言はしますが、実態が伴っていないことが多いです。

本日、6月18日(日)夜8時20分頃、外苑東通り、六本木5丁目交差点方面から六本木交差点に向かい進行方向右手の六本木3丁目側の歩道を歩いていましたら日本人の若い女性が2人立ち、客引きをしていました。無視して通り過ぎました。交差点にみのち庵という日本蕎麦屋があります。そこに2人の日本人の若い女性が立ち、私のほうに寄ってきました。私は「喝」。女性に「条例違反」と告げました。女性は私の発言に無視、理解しない様子でした。

はや、有名無実になっている客引き防止条例。武井さん、麻布警察署長ご存知か?

区長秘話82、何でもあり、議員から管理職への働きかけ、課長から聞いた苦悩話。

某課長から聞いた話。区長就任後ある程度時間が経過し、某課長が私を信頼できる真面目な人物を判断したのでしょう。とある会合の席で課長が問わず語りのように「一部議員からの働きかけはすごいものがありました。担当課長に金を渡そうとしたり、料亭で酒を飲ませようとしたり、女を抱かせたり」と苦悩の思いのたけを私に伝えようとしました。私はそのような事態が生じてはならないと決意した次第です。港区政の一側面、日本の地方自治の一側面です。

東京都美術館で建築スケッチ出展、平泉会

去る5月の連休中、上野の東京都美術館で平泉会の展覧会が開催されました。私はお誘いをいただき、建築のスケッチを2点出展しました。1つは日本のお寺、1つはスウェーデンの博物館です。

スケッチの日本の寺は、東村山市内にある正福寺。室町期の建立。都内で唯一木造建築の国宝です。鎌倉の円覚寺と似た様式です。禅宗様は鎌倉時代に禅宗とともに伝えられた様式で、日本建築史の重要な節目の一つです。垂木が放射状に伸びる扇垂木、火頭窓などの特徴があります。私の絵はスケッチというより、正確な建築記録の絵といった内容です。西武線東村山駅から徒歩15分程度。室町時代はお寺周辺は主要な街道沿いだったか、ある程度の集落があったかと想像します。都内の散歩がてら国宝建築の見学をお勧めします。

もう一つ、スウェーデン、ストックホルム市に立地するヴァアサ博物館です。17世紀の建造され処女航海で沈没した軍艦。近年引き上げられ保存され、世界で唯一の現存する17世紀の船です。1980年公開設計競技が実施され(日本の自治体などはコンペやプロポーザルを実施すべきです)モンソン・ダールベックが入賞、設計しました。80年代のスウェーデン建築の傑作のひとつと言われています。3本のマストを屋根に突出し、大きな箱を斜めにし船を覆うというフォルムです。内部の構造は美しいコンクリート打放しです。私の大好きな建築の一つです。1994年と2004年見に行きました。

来年1月に六本木の新国立美術館で、また、来年5月に東京都美術館で展覧会が予定されています。今からスケッチの構想、下書きを始めております。スケッチを描くことは、材料、色彩など建築空間を再認識することに役に立ちます。

平泉会の会長保坂先生はじめ素晴しい芸術仲間に感謝です。

平安時代礼堂は夢を見て指針を決める場所?更級日記の著者はフロイトより1000年早く夢を分析。

日本建築研究会の本年度第1回の勉強会に出席しました。講師は東京大学建築学科教授の藤井恵介氏。平安時代の礼堂について平面計画の機能論はあるが実際何に使われたのか研究が未発達。藤井先生は礼堂は貴族たちが夜間含め(通夜)長時間滞在し、観音様の前で夢を見て、人生の方針を決める場所ではないかという面白い自説の紹介でした。

証拠をいくつか挙げました。(1)高校時代古文で読んだ更級日記を取り上げ、著者の藤原孝標の娘の日記に、礼堂に入り長時間過ごし、夢を見て、様々判断したという記述の紹介、(2)当時の絵画に礼堂に複数の人が入り横に(眠り)なっている様子が描かれているものが多くあるなどです。

板敷きの礼堂は中国や韓国のお寺にはない形式です。

夢を見て人生判断するということで思い出したのがフロイトの夢の精神分析の本です。学生時代読みました。しかも熱心に。見た夢を思い出しながら(思い出せない夢もあります)メモにし、フロイトの本に基づきながら自分の精神状態を分析しました。自らの深層心理が分ってきます。結構役に立ちます。区長時代も時々やりました。更級日記の著者はフロイトより1000年も前に夢の精神分析をしていたということをドイツの心理学会で発表したら論争が生まれるでしょうか?