日別アーカイブ: 2017年7月30日

アメリカ、サンベルト、テキサス州では人口増が続いています。

アメリカでは都市の衰退と発展が、北東部と南部で明白な違いがあります。1969年アメリカのオハイオ州の大学に留学し、滞在中、ニューヨーク、シカゴ、ヒューストン等を訪問し、教授陣、友人などに話を聞くと、これからは南部の時代との説明がありました。実際、訪問し体感しました。1974年、2度目の留学ではサンベルトの代表都市、ヒューストン市にあるライス大学に留学しました。当時のヒューストン市の人口は100万、間もなく、クリーブランド(オハイオ州)、デトロイト(ミシガン州)を抜くと言われ、実際、ヒューストンの人口は急速に増加、現在は200万で全米4位、間もなく、3位のシカゴを抜くと言われています。建築デザイン、都市政策を学ぶのにふさわしい都市です。

最近の専門誌の報道によりますと、テキサス州の大都市の郊外はアメリカの人口増を牽引しているとのことです。2000年代世代、夫婦世帯、高齢者世帯が戸建て住宅を購入しています。ヒューストン市の北60キロにあるコンロー市は全米で最も人口増加率の高い都市です。その他、テキサス州内の都市で、サンアントニオ、ダラス、フォートワース、ヒューストン、オースチン等の人口が増加しています。

北地域(ラストベルト、さび付いた地域、自動車工業など製造業の地域)と南地域(サンベルト、石油、電子、宇宙、農業など)の都市の産業、都市計画、都市政策、建築等調査すると面白いと思います。今後の日本の都市政策にも参考となります。

東京オリンピック村、晴海の建築計画の課題、ウォーターフロントの特徴を活かせず。

2年前になりますが、東京都が中央区晴海の44ヘクタールの土地に6000戸の住宅を建設する計画案を発表しました。東京港のウォーターフロントの立地です。配置計画案を見て驚きました。風通し、眺望などの観点から問題アリの住棟の配置計画です。板状型の住宅を水辺と並行に配置し、擁壁を建てて地域を塞ぐ形です。

欧米のウォーターフロントの教科書、事例を見ると、建築の配置は水辺に対し直角です。水辺に対する眺望を確保、また、動線、風の通り道を十分確保するのが原則です。理論に反した配置計画の理由を理解できません。従来の伝統的な住宅団地の配置案です。東京都の担当局に優秀な職員が多くいると思いますが。

私はかつてアメリカのウォーターフロント学会の日本代表、優秀案の審査委員を務めたことがありますが、この案はオリンピックを記念する施設として評価するに難しいと思います。以前書きましたが、フランス、ミッテラン大統領の時代、パリの大事業で、歴史に残るすばらしい建築を創り、今や世界の観光名所になっています。そうした発想に欠けるのが残念です。