月別アーカイブ: 2017年10月

長野県内の国宝建築を堪能しました。

伝統建築を勉強する友人と長野県内の国宝を視察しました。定番の善光寺、青木村の大法寺三重塔(上田市からアクセス)(パンフレットをいただき見たら説明書きはお世話になった元文化財研究所所長、文化功労者の伊藤延男先生の解説でした)、別所温泉そばの安楽寺八角の三重塔、北向観音、大町市の仁科神明宮、松本城、松本市内の旧開智学校です。近世、上田地域は塩田の平と呼ばれ、豊かな地域だったそうです。力ある勢力が入り乱れた理由が分ります。

善光寺は間口24m、奥行き50m、高さ25m、外陣、内陣、さらに内内陣と奥が深い平面計画です。通常のお寺と入口の向きが逆です。天台宗と真言宗が1年ごとに担当するという変則的な運営をしています。大法寺は山間の勾配地にあり、三重塔が一番奥に立地し、その美しい姿から見返りの塔と言われています。安楽寺八角三重塔は禅宗様で全国的に珍しい造形です。同道した宮大工曰く、八角の建造は手間が3倍はかかるだろうとのこと。北向観音堂も全国的に例がない作りです。要は善光寺と向き合って配置されたということです。両方をお参りするとご利益があります。仁科神明宮は、伊勢神宮の支店のような位置づけ。伊勢神宮が20年ごとの式年造営で必要とするヒノキの森を確保するためのお伊勢さんの拠点の一つです。仁科神明宮も当初、20年ごとの式年造営がされていたそうですが、費用がかかるとのことで1700年頃から式年造営を止め、当時のままの姿が現在に残っています。姿は伊勢神宮と似ています。ヒノキの森林に囲まれた神社で、また、参拝時は雨であったので他に参拝者はおらず、雨に煙る美しい神社の姿を見ることができました。松本の開智学校は明治9年(1876年)疑似洋風の建築です。装飾、色彩など見事です。日本の大工、建築技術の素晴らしさが伝わってきます。明治時代の教育資料も展示されています。先生が書いた問題児の取り扱いについての記録、視覚障がい者の生徒が在籍、貧しい子供たちのために夜間小学校の開催、考えれば今の学校より教育内容が進んでいたのではと思います。

機会ありましたら長野の国宝めぐりをぜひ。泊まった別所温泉の中松屋旅館、素敵な女将のおもてなしと郷土史家の橋詰さんの真田家や上田の歴史講義に感激しました。

上尾市市長と議長の不祥事に思う。港区でも官製談合

10月30日(月)午後、上尾市民の技術士から電話がありました。「間もなく市長と議長が公共事業の談合で逮捕されるらしい」との報告でした。私は「またかー」と思いました。市民が気の毒。真面目な職員が気の毒と思いました。一方、上尾市幹部職員は市長や議長の不正に協力していたかもしれません。(11年前福島県知事、和歌山県知事、宮崎県知事が逮捕された際も出納長や土木部長なども協力者として逮捕されました。知事に恩を売って副知事や外郭団体のポストを期待していたのでしょう。)同時に、監査委員や監査事務局職員は何をしていたのか、と憤りを感じます。不正、不適切な契約に対し問題指摘するのが監査の役割です。上尾市の監査委員や事務局長は市長のゴマすり監査役なのか、無能なのか、どちらかです。市長も議長もポストにふさわしくない人柄です。単なるワルがたまたま市長、議長になり、つるんで不正をしたということでしょう。

これまで書きましたが港区でも官製談合がありました。私の耳に入った以上叩かざるを得ません。でなければ、原田は不正に与する区長と疑われます。私は大胆な契約改革をしました。港区ではベテラン区議Yが官製談合のキーマン。元区長S氏が「俺の盟友だ」と私に言った人物です。港区の談合について麻布十番のK氏からも詳細、具体的な情報を聞きました。K氏も何らかの形で関与しているのでしょう。だから詳細を知っているのです。私が談合が起きない契約改革を進めた(設計者をプロポーザル方式で選定するなど)ところ、ベテラン区議は私に凄んできました。「おめーのせいで契約制度がぐちゃぐちゃになった」と、「おめーはSチャンの後継者なんだから契約制度は昔のままでやってくれ」、「談合なんか無くなんねー」などでした。噂ではY氏はS元区長に「原田のせいで小遣いが入ってこなくなった」と泣きついたと耳にしました。

談合自体問題ですが、ガバナンスの観点からも問題です。アメリカではケネディ、クリントン、オバマと40代の大統領が就任、全てが大統領に従います。「俺が影の大統領」などいません。日本文化大好きですが、日本の仕組みで最悪の問題、年功序列、先輩が若者に威張りちらし、無理難題を吹っ掛ける。それで、東芝、オリンパス、最近の神戸製鋼、日産など、問題噴出です。「俺はベテランの区議だ、おれが影の区長だ」と威張り散らす区議自体、区政の癌の一つ。この手の区議が少なからずいました。教養を感じないただ長年区議をしていただけの人物が若い区長に「おめー」ですから困った人物です。幹部職員も何らかの形でベテラン区議の官製談合にかかわっていました。U助役、政策経営部長、契約課長、担当部門の課長などです。公務員は不正を見つけたら司法当局に通知しなければならない義務があります。そういう点でも港区幹部職員は失格です。幹部職員もベテラン区議に「先生、先生」とぺこぺこ。滑稽な姿でした。武井現区長は、ある幹部曰く「現場を知らない総務しか知らない人物」とのことです。私の区長時代70人の課長の中で最もおとなしい人物。話し方も小声でボソボソ。官製談合の連中には都合の良い区長でしょう。

港区長秘話84区長秘書の資質、区長の見送りせず、アルバイトへ

区長退任(平成16年6月27日(日)の直前、平成16年6月24日(木)だったと思います。Y秘書が「今夜は用事がありますので、先に失礼します。見送りできません。」と言ってきました。「了解」と伝えました。秘書は慣例上、区長の退庁時、見送りをします。翌日、どちらかの報告で「昨晩区長予定者武井さんの激励会が開催され、Y秘書が受付のアルバイトを務めた」との内容でした。驚きました。区長秘書の業務を果たさず、業務を抜け出てアルバイトです。受付を務め何らかの対価を受け取ったでしょう。恐らく元区長S氏等が激励会を企画したのでしょう。確認しませんでしたが、幹部達も出席したことでしょう。翌朝、Y秘書を厳しく叱正しました。私にとり大きな侮辱でした。O秘書課長(広報課長)、N政策経営部長、U助役も承知していたのでしょう。

山口勝敏氏のピアノ・オルガンコンサート。クラシックと映画音楽のクロスカルチャー

先日、山口勝敏氏のピアノ・オルガンコンサートに出かけました。会場は大田区の良好な住宅街にあるご自宅のリビングルーム。雨の日でしたが、部屋いっぱいのお客様でした。ピアノと古いオルガンを弾き分けるのがユニークです。ご本人の作曲した秋の歌とベートーベンのエグモント序曲、ピアノソナタno13悲愴の第2楽章、フランシス・レイのある愛の歌、チャイコフスキーの白鳥の湖(第一幕)です。

私の葬儀は音楽葬と決めています。ベートーベンの悲愴の第1楽章はその際の曲の一つと決めています。ある愛の歌は1970年アメリカでベストセラーになった小説に基づき映画化され、ヒットした映画音楽です。1970年アメリカ留学中である愛の歌(Love Story)の原書を早速買い、読みました。英語は簡素で読みやすい本でした。今でもその本を持っています。クラシック音楽を楽しみながら映画音楽を生で聴くリサイタルもユニークです。

 

報道ステーション、ニュースキャスター比較評価

タレントに対する評価は個人の好き嫌いに基づきます。ニュースキャスターも同様です。テレビ朝日報道ステーションの古舘伊知郎氏について感じたことです。建前上、報道機関は中立に報道することが求められています。しかし、某知事選挙などで自民党政府に反対の立場の方が当選する報道になると、嬉しそうな顔して報道する姿勢に違和感を感じました。また、国際情勢などについて報道する際、「偉そうに」「国際政治の専門家であるがごとく」報道する姿に違和感を感じました。古舘氏がジョージタウン大学の国際関係大学院の修士か博士課程を卒業したとか、タフツ大学のフレッチャースクール(外交、防衛の専門大学院で、日本からも外務省、防衛相の官僚が留学します。戦後、明石さん(国連の事務次長を務めた)もフレッチャースクールで勉強しました)で勉強した経験があるなら、真摯にコメントを聞く気になりますが。(スタンスは別として)国際関係などまっとく門外漢のキャスターが自分の意見を含め報道する姿には違和感を感じました。スポーツの話なら聴いてもいいが国際問題について古舘さんの意見を聞くのは不快な気持ちすら感じました。本来、キャスターは自分の意見を抑え、異なる意見の専門家を複数招きそれぞれに喋らせるのが本来の報道の姿です。

今の若いキャスターの富川悠太氏はキャスターの立場をわきまえ報道しようとしているかと感じます。少なくも古舘氏と比べ。私はアメリカのCNNを毎日1時間見ています。キャスターは政治家でもコメンテーターでもありません。報道を伝え、立場の異なる専門家にコメントさせています。それが報道の姿でしょう。

港区長秘話83、秘書の資質その2、コンピュータの情報漏れ

ある時、区長のコンピューター・システムの不具合が発生し、港区が契約しているコンピューターエンジニアに私が外出中に修理をしてもらうことになりました。区長室に戻ると2人のエンジニアが私のコンピューターに触っています。驚きました。秘書が立ち会っていません。2人のエンジニアは私のメールを全て盗み見したことでしょう。2人からすれば港区長がどのような通信をしているか興味津々でしょう。人事情報、お金の情報、その他政争、議会対策、銀座のママからのメール(これは実際ありませんが)などすべて見られたでしょう。幸い、こうした重要情報はコンピューター内にありません。

Y秘書は、修理に立ち会い、外部のエンジニアが区長の重要書類など盗み見ることがないよう見張るという意識が全くありませんでした。机の上にも書類が置いてあります。驚きました。別の時、部外者が会議中庁議室に乱入したことがありました。区長ゾーンに不審者が侵入しないよう門番のように見張るのも秘書の仕事です。注意力散漫、ボーッとしていたのでしょう。時々秘書室から笑い声が聞こえることもありました。緊張感欠如でした。

2日前私の事務所でコンピューターのシステム改善をしました。3人のエンジニアが来ました。私のデスクで30分程度、エンジニアが私のコンピューターを触っていましたが私は傍で立会い、部外者が私のコンピューターのデータを盗み見ることがないよう監視していました。セキュイリティ対策、危機管理の基本です。

もっとも、弊事務所では私の妻がシステム管理者なので全て通信をチェックされています。

ホノルルで歩きスマホNOの報道についてコメント

10月26日(金)NHKニュースや新聞で「ホノルル市歩きスマホNO」条例施行、罰金を科すと報道されました。交通安全や個人の身を守る、他人への迷惑を減らすという点から良い政策と思います。日本の自治体でも多いにやるべきと思います。やるとすれば、国か県レベルでやることになると思います。

アメリカと日本の地方自治制度を知っておく必要があります。想像ですが、ほぼ正確と思います。本件、ホノルル市議会で発議、審議、議決されました。(日本の市議会では条例を作ることはほとんどありません。行政側からの提案がほとんどです。)市長が署名し、条例施行されました。ホノルル市役所警察部が取り締まります。アメリカは自治体警察です。つまり、市役所に警察があり、市長の指揮下にあります。(日本では警察の取り締まりは別物です。日本では市の条例を執行するための司法権を市役所は持っていません)ホノルル市の条例を厳格に守らせるため、罰金を科す、逮捕権を持つホノルル市役所警察が目を光らせ、取り締まりをします。実効性が高いです。

罰金や逮捕に文句あるなら市役所の裁判所に訴えます。アメリカは完全地方自治です。以前書きましたが、山梨市長のように職員採用で不正をやるレベルの人物が日本には少なからずいます。7,8年前、政令指定都市の千葉市でキャリア官僚経歴の市長が逮捕されました。そのような人物が司法権を握ったら大問題になります。

私は20代の時、アメリカの地方自治の下で生活をし、アメリカの地方自治を理想としましたが、港区長を体験し、また、多くの自治体での不祥事を聞くにつけ、日本の市役所で警察や裁判所を持ったり、市議会で逮捕権まで持つ条例を作ったり課税率を決定するのは困難と思っております。今後、政治や行政に対する意識を高めないといけません。

港区長秘話82、区長の海外出張の規定がない。

平成14年の4月末、フランス外務大臣の招へいでパリを訪問することになりました。幸い春の連休中で、2日間のパリ滞在で、港区長の公務に影響がありませんので、外務大臣の招聘を受けることにしました。目的は港区内のフランス大使館の建替えのための建築家選定の設計競技の審査員を務めることです。大変な名誉です。交通費とホテル代はフランス政府が負担します。

Y秘書や助役に説明しました。フランス外務大臣からの招へいの公文書も見せました。区長秘書係での書類手続きや精算が面倒と思ったのか、助役もそう思ったのか、秘書が「私用扱いでパリに行ってほしい」と私に言いました。私は立派な区長としての公務と認識していたので驚きました。区長の海外出張の規定がありません、とのこと。私は「今回はよいとして、私の経歴や港区が国際都市であることから、今後も海外出張があるかもしれないので、区長の海外出張の規定を作ってほしい」と指示しました。区長在任中、そうした規定を作りませんでした。秘書は、どういう事務作業をしてよいのかわからないのか、面倒くさいと思ったのか。工夫しようという意欲が感じられませんでした。

2日間のパリ出張で、審査会の出席したことに加え、OECD日本部長に面会、元大統領府首席建築家(日本の建設大臣に相当)に面会、ルーブル美術館長に面会、若手建築家ドミニク・ペローの事務所を訪問、パリの市営住宅2件視察、など精力的に面会、視察をしました。帰国後、100ページほどの報告書を自らまとめ、2人の助役や主だった部長にコピーを渡し勉強材料に読んでおくようにと伝えました。自腹です。物の価値が分らない幹部だと、率直なところがっかりでした。立派な公務です。

港区スポーツセンター工期遅延の責任、最高幹部も責任取らず。

港区スポーツセンターの完成時期が半年遅れました。すでに問題を指摘しました。更なる問題は、工期遅れで、監督員のIさんも責任を取らず、また、処分も受けていません。課長も、部長も、そして、担当の副区長も区長も「半年遅れ区民にご不便をおかけしたことをお詫びしますす」、と謝罪の発言を聞きません、また、処分をした、処分を受けたと聞いていません。無責任体制です。私が区長時代、議会に報告する文書でワープロミスが一か所ありました。(以前書きましたが)10%給与の減俸処分を自ら課しました。

マンション大規模修繕の問題、NHK,読売新聞で報道、解決策?

10月19日(木)NHKクローズアップ現代の番組でマンション大規模修繕の建築コンサルタントや建設会社の不適切業務について報道がありました。また、2,3週間前、読売新聞でもマンションの大規模修繕の問題、建築コンサルタントや建設会社の不適切業務についての記事です。同じ分野に勤める者として恥ずかしい限りです。

マンション大規模修繕問題について原田敬美のブログでも半年前、自分のマンションの大規模修繕の際のトラブルを書きました。また、某マンションの大規模修繕のコンサルタントを依頼された際のトラブルも書きました。マスコミの報道を見ると、類似のトラブルが相当数あるのでしょう。

自分自身が建築家、コンサルタントという仕事をしていますが、大規模修繕の際の建築家、コンサルタントの選定方法についてです。複数(3人から5人程度)の建築家、コンサルタントに声をかけ、面談し、経歴(学歴のことでありません)、業務経験、仕事に対する取り組み姿勢、仕事の方法論、費用(安ければよいというものでありません。専門家に対する報酬を支払う必要があります)の考えを聴取し、それから、相性が合うかどうか、を含め管理組合の理事が総合的に判断することにつきます。管理会社は管理会社ですから、彼らはあくまでも事務局です。管理会社に大規模修繕をやらせるべきでありません。それこそ、管理会社が担当すれば、仕事の内容、費用のことなどチェックのしようがありません。