29年12月アメリカ人のプランナーを都内木造密集地区に案内しました。氏はニューヨーク州のロチェスター市で20年間都市計画と経済政策を担当、その後ニューヨーク州政府で経済活性化対策のプランナーを勤めた方です。アメリカの都市計画制度でPlan Unit Developmentという制度がありますが、氏曰く、その制度をロチェスター市で相当活用したそうです。フルブライト奨学金による研究活動の婦人に同伴し、東京に来ました。私はフルブライト同窓会前会長として、また、私自身アメリカ留学中に多くのアメリカ人の友人に様々な場所をご案内いただいたことから、恩返しの気持ちで留学生や研究者の生活上のお手伝いをしております。
氏はニューヨーク州から来た方ですので、丸の内や六本木などご案内しても、ミニニューヨークを見るような気持ちになるでしょうからと思い、東京の別の側面の一つである木造密集地域、豊島区東池袋、荒川区荒川、墨田区京島の3地区をご案内しました。また、木造密集地区の課題は私の博士論文のテーマでもあります。都内の便利な地区で一定の人口があること、老朽化した木造住宅が相当密集していること、地区内道路の幅員が2m、3m、あるいは場所により1m程度と狭隘で、消防車、救急車が進入できない、防災上危険な地区であることなどにアメリカの都市環境との違いを感じたようでした。私は「トランプ大統領が日本人はもっとアメリカ車を買えと主張しているが、この道路の狭さではアメリカ車は通れない、トランプ大統領はこうした場所に来て現実を見て発言すべきだ」と氏に言いました。氏は「このような狭い道路(通路)はアメリカ車だけでなく太ったトランプ大統領自身も通れない」と冗談のようなコメントを発しました。氏はちなみに民主党員でトランプ嫌いだそうです。アメリカでは共和党と民主党の2大政党制で、公務員も自身の支持政党を明確にしています。政治活動の在り方も日本と異なります。