日別アーカイブ: 2018年2月28日

東大建築学科、建築歴史教授、藤井恵介先生の退官記念最終講義

2月23日、東大の建築歴史の教授、藤井恵介先生の最終講義に参加しました。私は日本建築研究会で35年伝統建築の勉強を続けております。藤井先生は日本建築研究会の顧問をお願いしております。日本建築研究会の初代顧問稲垣先生の弟子にあたります。

藤井先生は仏教建築史を中心に研究をしてこられました。博士論文は平安時代密教建築史の研究です。さらに、保存・調査分野で多くの寺社、地域の調査をしました。港区内でもいくつかの調査をしていただきました。

藤井先生に日本建築研究会で何度も講義していただきました中でユニークな学説は、中世のお堂が夢見(人生の方針決定の助言をいただく)の場であったという内容です。更級日記や当時の絵巻物から、特に女性達はお堂に泊まり込み、仏像の前で眠り、そこで見る夢を人生の選択肢の判断根拠にしたようです。

藤井先生に感謝、ますます研究活動のご発展をお祈り申し上げます。

 

 フロリダ州高校乱射事件、CNNキャスターと保安官事務所長とのディベイト

2月14日フロリダ州ブロワード郡パークランド町の高校で元生徒が銃を乱射17人が犠牲となったと報道がありました。新聞、テレビなどで多くの報道がありました。私が興味を引いたのは2月24日日曜日のCNN放送でキャスターと地元保安官事務所長との長時間にわたるディベイトのような質疑応答でした。日本ではありえない光景です。さすが知る自由、報道の自由、広報義務と言った民主主義の最先端の国と感じました。

キャスターの質問の趣旨は、保安官が学校を包囲するだけで学校内に突入しなかったことが多くの犠牲者が出た原因でなかったか、という内容です。それに対し、保安官事務所長は丁寧に状況説明をしていました。

日本で大きな事件が生じた際、マスコミと警察署長、あるいは、警察本部の部長などが長時間にわたり質疑を交わすことはほとんどないと思います。今後、説明責任を多く果たしていくという観点から警察(行政全て)は丁寧な説明をしなければなりません。また、上手なマスコミ対応が必要です。こうしたハウツーを日本の警察幹部は身に着ける必要があります。

都市政策の大家、明治大学公共政策大学院学科長、市川宏雄氏の最終講義

学年末は定年退官する教授の最終講義の季節です。2月24日土曜日、明治大学公共政策大学院の学科長、市川宏雄氏の最終講義を聴講しました。私の港区長時代、港区の基本構想審議会会長を務めていただきました。市川さんは日本の都市政策の大家です。

早稲田大学の建築学科を卒業、その後、カナダ政府の奨学金でカナダのウォータールー大学で博士号取得。カナダ、つまりアングロサクソンの社会を体験しました。帰国後、イラクのバクダッドの都市計画に参加、アラブ世界を体験しました。その後、ブラジルの都市計画に参加、ラテン社会を体験しました。その後、中国の海南島の開発を担当しました。東南アジアの社会を体験しました。ということでいくつかの異なる文化圏を体験するという貴重な経験をお持ちです。

そうした多様な文化を基礎とし東京問題を中心に研究を継続、世界の大都市比較研究を中心に都市政策の研究をしてきました。最近では大都市の評価システムを構築、東京が世界の大都市の中で何位かという研究に成果をだしました。

公共政策について、欧米の大学では以前からありましたが、日本で初めて明治大学に公共政策大学院を開設しました。大田区長の松原さん、文京区長の成沢さんなど数人の首長が卒業しています。多くの議員や公務員が学んでいます。そうした仕組みを市川さんが創りました。私自身もこの間兼任講師としてお世話になっております。

市川さんは世界を視野に都市研究の成果を重ね、また、公共政策という新たな研究領域を創設しました。高く評価される業績です。益々研究に磨きをかけていただき、東京を、日本を引っ張て頂きたいと期待しております。