日別アーカイブ: 2019年7月31日

大学教授の間違ったコメント

日本では何かあるとマスコミは後生大事に大学教授にコメントさせる傾向があります。立派な大学教授を多く知っていますが、中にはでたらめな教授のコメントもあります。アメリカの大統領選挙が始まりましたので昔話を思い出しました。1976年カーター大統領が誕生しました。前職はジョージア州知事です。日本の政治評論の大学教授は「鹿児島県知事が首相になったようなもの」とコメントしたこと今でも覚えています。間違いです。

アメリカの州は一つの国家です。州政府は陸海空の三軍を持っています。州知事は三軍の司令官です。州警察(ハイウェイパトロール)の司令官です。州の刑務所の運営もします。州議会は上院下院と二院制度です。州政府は連邦政府が担う外交、防衛、通商を除くすべての行政、政治を行っています。州の税率も全て州議会が決めます。アメリカの州政府と比較すると、日本の県は国の下請け機関とも言えます。ですので、某大学教授のコメント「カーター大統領は生まれたのは鹿児島県知事が首相になったようなもの」は全く間違いです。この程度の大学教授がいるということです。

別の思い出話です。1980年代前半、NHK教育テレビの教材でアメリカの教育制度でコミュニティカレッジの紹介がありました。私もコミュニティカレッジについて研究論文をいくつか書きましたのでよく知っております。NHKの教材に「3年制の大学」と書かれていました。正しくは2年制の大学です。私が研究していた内容の一つでしたので、驚き、残念でした。このようなでたらめな大学教授もいるということです。

静岡市立美術館視察、オバリン大学エインズワースコレクション(浮世絵)展

7月下旬静岡市立美術館を視察しました。駅前の約10階建てのビルの3階に立地しています。駅前で夜の7時まで開館。便利です。ホールの天井高さ6mあります。サインデザインもすばらしいです。展示は、アメリカ、オハイオ州オバリン大学美術館のエインズワース・コレクション(浮世絵)の展示です。オバリン大学を卒業したエインズワース女史は日露戦争後の時期に来日、浮世絵を収集、持ち帰りました。当時、女性一人で(実際に一人かはわかりませんが)来日した勇気に敬意を払いたいです。(内向きと言われる日本人はエインズワース女史の行動力を学ぶべきです)母校のオバリン大学に寄贈、オバリン大学の美術館に収蔵・展示されています。オバリン大学はアメリカのプレスビテリアン(長老派教会)系の大学です。早稲田大学の姉妹校で、私が早稲田の交換留学で学んだウースター市と30キロ程度の距離です。(アメリカでは隣町と言えます)人口約1万人、学生数2000人です。有名人ではライシャワー(元駐日アメリカ大使)が卒業生です。

話は飛びますが、日本で地方都市から若者、特に女性が東京に移住し、自治体も、地方の大学も困ったと騒ぎ、東京を非難し、挙句の果てに地方救済と称し、政府は東京での大学立地を10年間禁止しました。ばかげた施策です。人の意志を無視した共産主義的政策です。アメリカではオバリン市は人口1万人の農村部にある自治体です。オバリン大学はアメリカ中から、また、世界から留学生が学んでいます。そして世界的レベルといってよい浮世絵コレクションを持っています。地方都市の首長さん、地方の大学の学長さん、アメリカやヨーロッパの地方の小都市の自治体やこうした小都市に立地している大学の経営方法を学ぶべきです。