読売新聞2019年9月11日「フリーランスにパワハラ横行、6割が被害、仕事に支障、相談できず」という記事がありました。私自身、設計事務所という会社を運営していますが大勢社員がいるわけでなく実態は一匹狼(本当は優しい羊です)というフリーランスに近い立場ですので、同感しました。
調査は俳優、ライター、デザイナーなどフリーランスの人を対象に取引先から受けた暴言や嫌がらせなどのハラスメントについての実態です。1200人から回答、61.6%がパワハラ、36.6%がセクハラ被害を受けた、との結果です。被害者の45.5%はだれにも相談せず、その理由は「仕事に支障が出る恐れ」との内容です。
労働関係の法律は労働者の権利を擁護する内容でそれはそれで目的を果たしていますが、フリーランスに対しても権利を擁護する法整備がされるべきです。破産した日本航空のパイロットは年収3000万円、高卒40歳の客室乗務員の年収1000万円、そうした高級どりが更なる賃上げにストをすることを認める労働法はおかしいと思います。
私事ですが、事務所創設以来40年継続してきましたが、多くの方のご理解とご支援で継続できたと感謝をしています。特に私の場合は行政からの仕事が多く、私を評価し信頼下さり、仕事を依頼していただいた方々に感謝です。
一方で、上記のように、こちらが一匹狼であることから、また、3度の海外留学で私のみが持つノウハウを無料で自らの立場のために利用する事例や暴言を吐かれる被害に遭いました。また、初対面でこれから1年間付き合うというのに名刺を渡さない嫌がらせの係長がいました。隣の大学教授には恭しく名刺を渡していましたが。大組織に身を置いていればそのようなことは少ないのでしょうが。今思いますと、それぞれの相手がその程度のレベルの人物だったということです。縁が切れてよかったと思います。
ある時某組織の係長から課長がこのようなデータを欲しがっていると言われ、私しか持っていないデータを渡しました。複数回。すると氏は「課長から喜ばれました」と言ってきました。本来係長は課長に対し「このデータは原田さんという方から提供いただきました。ついては、さらにデータをいただく場合やコメントをいただく場合、原田さんにきちんと報酬を支払う必要があります。」と課長に発言すべきでした。その人物は自らの出世のために私のデータ(私しか持っていない)を無償で利用しただけでした。
ある時、ある仕事で付き合いがある某課長に丁重にある提言をしました。私は民間人でかつ若い時から指導者に丁重な言葉遣いをするよう指導を受け、後輩にも「さん」づけするほど丁寧な言葉遣いをするよう心がけています。課長は突然暴言を吐いてきました。他の職員がいる前で。大声で「さようなら」などと。課長が大声を上げる理由がわかりませんでした。その時課長はたまたま不機嫌だったのか、私の提案に対し偉そうに振る舞いたかったのか。まともなコミュニケーションが取れません。
若い時海外で勉強した体験から、「人を見て対応が変わるのはよくない」と思いました。「日本人だから(黄色人種だから、敗戦国から来た若造だから)」など差別的な言動を受けたことはありません。アメリカで黒人だからなど態度をしたら人権問題として訴えられます。日本は個人の能力経験でなくその個人が属している組織の名前が幅を利かすおかしな社会です。フリーランスだからは人権差別です。