1月28日経団連会長と連合会長が会談し、春闘がスタートしたと報道がありました。論点として賃上げ、日本型雇用などがありました。経団連は「年功序列などは時代に合わない。」連合は「日本型の良さが失われ非正規雇用が増加した。」とあります。海外留学3度し、その間インターンという資格で建築事務所や大学の研究所でしばらく働きました。そうした経験から日本の雇用の問題を感じます。
(1)欧米では正規もインターンも同じ条件。1971年スウェーデンの設計事務所でインターンをした際、3か月弱の勤務期間でしたが、他のスタッフと同様の仕事をしていたので、給料や待遇は他のスタッフと同じでした。月給12万円でした。つまり、アルバイトだから安いなどということはありませんでした。1975年アメリカに留学中の夏休み、ライス大学コミュニティデザイン研究所でインターンをした時月給24万円でした。
(2)採用のプロセス。日本は一斉、欧米は都度都度。日本は官庁や大企業の就職制度は一斉主義です。官庁・企業訪問も試験も一斉です。欧米では、人材が必要になった都度募集します。その都度募集があります。
(3)年功序列と職能主義。日本は初任給が決められ、毎年昇給する制度です。欧米では職能主義で、地位や資格が更新されないと昇給はありません。同じ仕事を継続すれば欧米ではずーっと同じ給料です。昇給するためには仕事能力を証明するための専門資格や学歴を取得しなければなりません。
(4)日本は生涯同じ組織、欧米は転職自由。日本は一つの組織に就職すると定年まで同じ組織に勤めます。欧米では10年ごとに転職します。官庁も、大学も、企業も。私の知人の例。30代でホワイトハウス広報官。40代でフォード自動車広報部長。50代でボーイング社広報担当副社長。私の指導教官ピーター・ロウ氏の例、ライス大学教授から45歳でハーヴァード大学大学院に就任。修士号審査教授アデール・サントス女史の例、ライス大学からカリフォルニア大学サンディエゴ校大学院長、その後MIT大学院長。
(5)欧米では何歳でも復職自由。何歳でも就職可能。日本では大手組織は、結婚、介護、留学などの理由で退職したら復職は不可能です。欧米は何らかの理由で退職しても再度簡単な手続きで復職できます。募集時の年齢制限がありませんから何歳でも応募できます。
国際化の中で雇用条件も欧米と同じようにせざるを得なくなります。同じ仕事で同じ給料。資格、能力に応じて給料は異なる。採用は随時。転職、復職自由としないと海外徒競走ができなくなります。