月別アーカイブ: 2020年6月

原田敬美の出版計画。欧米の建築・都市・自治体・大学。

7月中旬、「欧米に学ぶ健康快適都市」という本を出版予定です。50年間見てきた欧米の建築、都市、自治体、大学について体験を書きました。欧米のモノは日本と似て非なるものです。50年前、40年前、30年前見たモノは古臭いと言うなかれ。本書で紹介した欧米のモノはいまだに日本でできていません。最後の章で「パンデミック後の都市」を書き加えました。350ページ。全体構成。1章 都市の立体・複合化、 2章 都心型コミュニティ、 3章 ウォーターフロント開発、 4章 用途転換、 5章 文化芸術のための空間づくり、 6章 快適性を求めた建築・都市空間、 7章 自治体制度、 8章 欧米の自治体のおもてなし度、 9章 最近の地球規模の重要政策 環境、 10章 アメリカの地方都市の魅力ある小規模大学、 11章公共事業発注方式、 12章 パンデミック後の都市。乞うご期待。改めて詳細をご案内。

新型コロナ後の住宅デザイン、6つの方法

アメリカのBuilder(6月4日)という雑誌によりますと新型コロナ後の住宅設計に6つの方法が提案されました。購入者は「ホームオフィス」「ホームジム」「健康な住宅」を優先的に配慮します。1.ホームオフィス:今後必要な機能。居間などに配慮される。2.多目的空間:居間は作業空間となるが、様々な活動に使える。3.抗細菌の住宅:手が触れる取っ手など、抗菌材料を使う。4.技術インフラ:(非接触型の取っ手など)5.台所:(最も重要な空間)。6.高齢化の準備。以上の6点は大変参考になります。

スウェーデン留学同窓生のズームによる夏至祭

スウェーデンに留学した経験者による同窓会が2,3年前組織され、私も入会しました。私は1971年IAESTEという技術研修留学のプログラムでストックホルムにあるカール・クリスティアンソン建築事務所に留学しました。カールはスウェーデンを代表するインテリアデザイナー。オフィスランドスケープ(今日、言われている快適オフィス)を学びました。カールは1960年代前半京都大学で日本建築を学びました。

6月20日(土)の夕方、ズームによるお祭りがあり、参加しました。最近スウェーデンに留学した日本人の若い女性が2、3人が留学時代見たスウェーデンの夏至祭りについて報告しました。音楽、ダンス、食事です。各自、各様にグラスを持ってカンパイ。スウェーデン語でスコール。それから、日本人の女性がスウェーデンで学んだ民俗楽器(弦楽器でバイオリンの大型)を演奏、民俗音楽をいくつか紹介しました。スウェーデン人からも夏至祭りについて紹介がありました。冬が長く、寒いスウェーデンにとり、夏至は大きな意味があります。スウェーデンに留学した若い日本人女性は、素晴らしい異文化体験をしたとおもいます。誇らしいことです。今後大いなる活躍を期待します。

私の港区長時代の体験。元区長S、元政策経営部長Nは私がスウェーデン含め留学した話をすると嫌がりました。大使館80もある国際都市と言われる港区役所幹部はこのレベルかと思った次第です。海外、異文化にアレルギーでした。英語ではXenophobia(外国アレルギー)と言います。率直に言えば、嫉妬ヤッカミの類でしょう。若い日本女性が高い意識を持ちスウェーデンに留学したことを誇りに語る姿をみていると、愚かな異文化アレルギーを残念に思います。日本の若い方、大いに異文化を体験してください。

人生の運・出会い・運のつかみ方。

70年生きてきて、小学、中学、高校、大学、そして留学先の仲間の人生を眺めると、「運命のいたずら?」で様々な人生があり、今となってはやはりあの人だからこうなったみたいなことが分かり、何となく「運命鑑定家」になれるかもわかりません。

週刊文春で日本のスターコメディアンの萩本欽一が自らの人生体験を基に「運」のつかみ方についてエッセイを書いています。代表的な部分を紹介します。19年10月24日号で「運に対するセンスを磨け」、19年12月5日号で「運は真後ろからやってくる」「想定外の場所から来た人こそが自分を今より遠い場所に連れて行ってくれる」、20年6月4日号で「良い上司、先輩に出会うこと」(問題はそれがだれかということ)「この人は信頼できるぞというしっかり見定める視点を持つことが大切」「どんなにいい人に見えても(特に肩書だけの人物など)なるべくついてゆかないようにした先輩もいる」など教訓に富む体験に基づく教訓です。私も納得です。

国民的スターと私の活動次元は異なりますが、指導教官などの助言(ある種の機会)をどのように受け止めたかということです。指導教官や先輩や助言は基本的に平等に与えられると思います。「機会は平等に来ます。」問題はそれを機会ととらえ実践するか、単なる指導者の会話(程度)ととらえ聞き流すかの違いと思います。

その逆もあり、おかしな話(わけのわからぬ儲け話とか、理不尽な要求など)に対し、うっかり乗るか、あるいは、断る、距離を置くかです。うっかり乗るとそのあと生じる結果は大変なことになるでしょう。「おかしな話も平等に来ます。おかしな話と判断する能力が必要です。おかしな話には乗らない」ことです。そういう輩とはきっぱり縁を切ることです。

そして、機会が訪れた時、それに乗る準備態勢、能力の蓄積が必要です。常に自分を磨くことが必要です。私事で恐縮ですが、大学3年生の時交換留学でアメリカに行きましたが、英会話は18歳、1年生の時から準備していました。また、港区長選挙出馬を懇願された際、もともと区長など政治家になる意識はありませんでしたし、政治経験はありませんが、建築、都市計画の専門知識に加え、教育・福祉などの専門論文を多く書いていました。おそらく全国1700人の首長の中で教育・福祉分野で専門論文を書いたり本を出版した方は少数と思います。区長就任前、多くの欧米の自治体を訪問したり、議会の傍聴など特別な体験もしました。こうした体験をした方も少数と思います。

新型ウィルスとの共存社会

多くの識者がこれからは新型ウィルスと共存する社会を目指さなければならないと指摘しています。私も同感です。しかし、欧米諸国と比べ、日本は衛生環境は良好で、日本人の衛生意識が高いですから、これまで通りの生活に多少の配慮(建築、都市環境への配慮など含め)を付加すれば十分共存できると思います。

もう一つの参考事例です。犯罪との共存です。ニューヨーク、パリ、ロンドン、ローマなど大都市はスリ、ひったくり、強盗など日本では想像できない事件が多く発生しています。東京の街を歩いているような感覚でそうした都市を歩けません。常に、スリが、ひったくりが、強盗が狙っているぞ、という気持ちでバス、地下鉄に乗り、また、街を歩かなければなりません。

極論するとそうした大都市では犯罪と共存し生活しなければなりません。これからは犯罪だけでなく、ウィルスとも共存しなければならない時代となったと思います。

新型コロナウィルスと日本の生活文化

(1)衛生的な日本の環境。20代で3度の海外留学とその後の国際会議出席で体験したことです。欧米ではマスクをする習慣はありません。20歳でアメリカ、オハイオ州ウースター大学に留学した時、1月、2月に風邪を引いた時(冬は厳寒の地です)マスクをしました。友人達から珍しがられました。「君は医者か?」と冗談に言われました。日本では風邪を引いた時、インフルエンザが流行した時、多くの方がマスクをします。また、小さい時から様々な予防注射をし、都市環境、建築環境も日本の方が清潔度がより高いと思います。日本の水はきれいでおいしいです。ウォッシュトイレは日本の発明。日本のトイレは世界で最も清潔できれいです。

また、日本人は大の風呂好きです。いつも体を洗い、湯船に浸かる習慣は欧米にはあまりありません。

(2)挨拶での非接触。日本では挨拶する時適当な距離を取り、頭を下げ、直接体に接することはありません。欧米では、頻繁に握手します。また、少し親しくなると、信頼の気持ち、友情の気持ちで男女、あるいは、同性同士で抱擁、頬にキスをします。国際会議に出席すると、必ず抱き合い、挨拶をします。男性である私から外国人の女性に抱擁はしませんが、(日本的に苦手です)相手の女性が挨拶代わりに私に抱擁する場合は素直に受け入れます。イスラム教のトルコでも(政教分離)女性から抱擁の挨拶を受けます。濃厚接触の一例でしょう。

(3)食事の席での会話。欧米での食事会でのやり取りです。とにかく基本は大声で楽しくしゃべり、大笑いすることです。そうしないと相手に失礼になります。日本ではどちらかというと静かに食事する習慣です。飛沫感染の確率は低いです。

こうした日本独特の文化が世界の他の国と比べ感染者数、死者数が低い原因でしょう。

新型コロナウィルス騒動の中で感謝すべき多くの方々

新型コロナウィルス騒動で世界中社会が一変しました。そうした中、医療活動を支えてくださる医療関係者に感謝します。また、日常生活を支えてくださる「清掃業務従事者」「公共交通従事者」「食糧品店従事者」などなど感謝します。こうした方々のおかげで日常生活が維持されています。一方で文化芸術分野の方々のお仕事が自粛で大変ですが、逆にこういう時こそ文化芸術分野の方々に市民の癒し、激励のための活動をしていただきたいと思います。政治や行政がこうした仕組みを作るべきです。

府中市で官製談合。関係者逮捕。港区では原田自ら浄化。

6月2日報道で府中市の都市整備部長塚田、市議会議員村木、同臼井、業者2名が官製談合防止法違反で逮捕されたと知りました。残念です。ぜひ、府中市長のリーダーシップの下、契約改革、監視体制を確立していただきたいと期待します。本来、監査委員が業務の公正性、適法性をチェックしなければなりません。また、議会は行政をチェックすると言われますが、今回議員が2人逮捕されていますので、議会は役に立っていないといういことです。

私が港区長に就任後、港区で官製談合が行われていることを知り、私は浄化に努め、官製談合が起こりにくい仕組みに契約制度を改革しました。既に原田敬美のブログで何回か書いております。本来、多くの区民、識者から称賛されるに値すると思いますが、そういう声は私に届きませんでした。

元区長S氏(私に突然区長選出馬を懇願した人物、私は直接知り合いでありませんでした)の盟友(S氏が私にそのように言っていました)の区議Yが官製談合の首謀者でした。特定の設計委事務所が仕事を受注、特定の建設会社が当該の仕事を受注しました。偶然でありません。したがって施設課、契約課も何らかの指示を受け、グルだったということです。私は設計の発注を入札でなく「プロポーザル」制度に変えました。A3のプレゼン1枚とし、審査員が丁寧、厳格にチェックし、最適な候補者を選びます。私も設計を生業にしていますが、設計は個性と能力で評価されるべきもので、入札で金額の低さで設計者を決めるのは異常です。プロに無礼です。医者を決めるのに金額で決めません。まだ多くの自治体、発注者はその点理解ができず、簡単だから、形式上適切な事務手続きだからと入札で設計者を決めるところが多いのは残念です。

工事の発注は、最近「総合評価方式」が徐々に採用され、金額だけでなく建設会社の能力、当該工事との相性、実績、女性を多く採用しているか、など様々な指標を使い審査する方法です。談合は起こりません。予定価格は事前に公表したらよいのです。物に松竹梅の値段があります。工事にも、丁寧な、あるいは、複雑でお金がかかる工事、あるいは、簡単で標準以下の単価で済む工事があります。契約課の説明だけでは不明で、そういう点、役所、契約課は不親切です。この工事はこの金額以内でやってほしいと予定価格(発注者の考え方を最初に明らかにする)を公表すべきです。そうすれば水面下で価格を調べようとする不審な動きはなくなります。

港区では官製談合が発覚したら3年間指名停止、20%の違約金を課すと罰則を決めました。私は、自ら不正を公取などに通知。元区長S氏、談合の元締めY区議、さらに裏で関与している連中は驚き「原田を引きずりおろせ、いずれ港区に強制捜査が入るぞ」となりました。人事、総務のことしかわからないおとなしい武井人事課長が区長候補に突然擁立された次第です。私は潔く退きました。これが原田出馬せずの真相(の一つ)です。