月別アーカイブ: 2021年4月

アメリカ、カンサス市の建築ルネッサンス

Architecture Dailyという建築専門誌の4月号によると、アメリカでは中西部のカンサス市が建築デザインで新たな拠点となりました。従来、ニューヨーク市やロサンジェルス市が世界の建築デザインの拠点ですが、カンサス市は今やアメリカの建築デザインのリーダーになりました。代表的具体事例です。競技場Sprint Center、エルドラド造醸所、カンサス市美術館、カウフマン舞台技術センター、カンサス大学管理棟、ガラスの迷路、ネルソン・アトキンス美術館、セントテレサ女子大学教会、公園に貨車を設置し文化芸術活動の舞台に転換(カンサス市の文化の1%事業)などです。アメリカの多くの都市を訪問しましたが、次はカンサス市を訪問したいです。

アメリカの芸術家支援策

ニューヨークタイムズ4月6日の記事によると、COVID19で困っている芸術家支援策が紹介されていました。サンフランシスコ市、ミネソタ州セントポール市、カリフォルニア州オークランド市(サンフランシスコ市の対岸側)、ジョージア州アトランタ市などでコロナ禍で経済的に困難な芸術家の支援を始めました。サンフランシスコ市の場合、130人の芸術家に半年にわたり1000ドル(約10万円)を援助するとのことです。日本と比べ、欧米では文化芸術に対する意識、位置づけが高いです。

アメリカの女性社会参画報道3題

直近のアメリカの女性社会参画に関する報道3題の紹介です。

一つ目、ニューヨークタイムズ紙4月6日、アメリカの大手航空会社、ユナイティド・エアは2030年までに5000人のパイロットを養成するが、その半数を女性、有色人種にするとのことです。現在アメリカの航空会社のパイロットの94%は白人男性です。ユナイティド・エアで女性パイロットは7%です。会社として大英断です。日本の企業、大学などでもトップが大英断すべきです。

二つ目、同じくニューヨークタイムズ紙4月7日、アメリカ、ミズーリ―州セントルイス市で黒人女性市長ティショウラ・ジョンズ女史が誕生しました。COVID19に加え、多い殺人事件、市の刑務所での暴動、貧困問題など抱え、新市長は積極果敢に取組むと表明。市の会計管理者からの転身です。彼女はハンプトン大学卒、セントルイス大学公共衛生大学院修了、ハーヴァード大学公共政策大学院修了(ケネディスクール)、地元で委員活動を経て、ミズーリ―州下院議員、その後市の会計管理者に就任。

三つ目、アメリカ建築家協会(AIA)誌4月5日号で、AIAは建築界の多様性、とりわけ女性建築家が指導的立場で活躍するプログラムを提言しました。日本の建築学会や建築士会などの積極果敢な改革を期待します。

ニューヨーク州のワクチン接種、スピード感に欠ける日本

2021年4月4日のニューヨークタイムズによると、ニューヨーク州(人口約2000万人)では既に1/3が一度はワクチン接種が終わり今週末(10日)までには州民16歳以上全てに接種が終了するとのことです。また、バイデン大統領は4月19日までに16歳以上の国民にワクチン接種を終えると演説しました。日本、東京、私の住む港区では、まだ具体的な予定も不明です。欧米の国と比べてワクチン接種が遅れている原因をしっかり検証する必要があります。今後の危機管理の対応のためにも。日本に優秀な製薬会社が多くあり、優秀な薬学研究者が多くいるのに、なぜ日本独自でワクチンが作れないのかも検証し、危機に備えての対策を検討する必要があります。

モグリ・エレベーター業者

高齢の知人から自宅で1階と2階の上下移動を楽にするためホームエレベーターを設置したいので相談に乗ってほしいと言われました。その方の友人宅では、1、2階をつなぐホームエレベーターを設置し、費用は200万円だったと言われました。安すぎるのではとおかしいと思いましたが、とりあえず話を受け入れました。

建築家として、ホームエレベーターのカタログで価格を調べるとホームエレベーター本体価格は最低でも300万円します。それに、エレベーターを支える周辺の建築工事が必要です。外部にとりつける場合も考えられます。また、住宅内部で、床に穴をあけて取り付ける場合も考えられます。住宅の平面の状況、構造の状況、敷地の状況により、工事費が大幅に変化します。また、エレベーター設置は、行政の確認審査の手続きが必要です。図面も多く作成しなければなりません。2階建てで、鉄骨で柱と梁を組み立て、屋根、外壁を仕上げるとなると、単純に1階、1坪として2階建てで200万円は最低かかります。しかも小規模な工事ですから割増しとなります。さらに、狭い敷地ですと、重機が使えないので人力で工事をするとなると、さらに人工代が必要となります。模型を作り、簡単な図面を作成し、概算見積を作成し、説明をしたところ、その方は、知人宅の200万円の先入観があったので、驚かれました。エレベーター会社は建築確認申請がなければ工事をしません。

その私の知人は、その友人の紹介で、友人宅のホームエレベーター工事をした会社を紹介してもらい直接電話をしました。埼玉県にある会社だそうです。電話で一級建築士で前港区長の建築家に相談しているが、工事をお願いできるかと聞いたところ、「できません」と言われ、すぐ電話を切られたそうです。私はうっかりその会社の名前を聞きそびれました。エレベーターは安全にかかわる設備ですから手続きが厳格に規定されています。モグリで、手続きなしで、お手製のエレベーターを手軽に設置する会社があるのかと驚いた次第です。

フルブライト留学合格大作戦

1967年早稲田大学建築学科に入学し、将来アメリカに留学しようと目標を立てました。しかし、経済的に不可能であり、奨学金を得るしかない、最も有力な奨学金はアメリカ政府が運営するフルブライト奨学金であることを知り、「フルブライト留学」を目標としました。

事前準備というわけで、1969年、早稲田大学の交換留学生としてアメリカ、オハイオ州にあるThe College of Woosterに留学しました。さらに、1971年、IAESTE(国際技術研修協会)の留学生としてスウェーデン、ストックホルムのカール・クリスティアン建築設計事務所に技術研修留学しました。また、客観的な実績を残せと指導教官穂積先生から助言をいただき、修士課程の2年間に、建築学会の設計競技に挑戦、建築学会の論文集や専門誌に寄稿しました。建築学会設計競技入選2回、建築学会論文投稿5本、専門誌への寄稿9本です。以下その実績です。

早稲田大学大学院修士課程の1972年から74年の間の実績リストです。1972年建築学会設計競技(農村集落計画)で入選、1973年建築学会設計競技(コミュニティホスピタル)入選。2回建築学会からデザイン賞をいただきました。

論文は、(1) オフィスランドスケープ研究、その1 実例を通してオフィスランドスケープの接点を探りその特質を考察する、日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)、昭和47年10月、(2)Field Research in Office Building for Environmental Design no.1 事務所建築における環境デザイン研究のためのフィールドリサーチ・その1 日本建築学会関東支部、第43回(47年度)学術研究発表会、(3)事務所建築における環境デザイン研究のためのフィールドリサーチ・その2、日本建築学会関東支部(47年)学術研究発表会、(4)事務所建築における環境デザインのためのフィールドリサーチ・その3、日本建築学会関東支部(47年)学術研究発表会、(5)オフィスランドスケープ研究ーその2、事務所建築における環境デザイン研究のためのフィールドリサーチ、日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)、昭和48年10月。2年間で建築学会に5本論文を投稿しました。

さらに専門雑誌にも寄稿しました。早稲田建築1972年、Vol.2、No.4,「フィンランドの建築家レイマ・ピエティレ」、A+U(Architecture and Urbanism)1972年5月から10月まで海外情報、ジャパン・インテリア・デザイン1974年4月号「オフィスランドスケープを考える」です。こうした実績をアッピールしながらフルブライト留学の試験に挑戦しました。推薦状は、指導教官の穂積教授、ウースター大学の指導教官Arnold Lewis教授、スウェーデンの先生カール・クリスティアンソン氏(スウェーデン、インテリアデザイン学会会長)に書いていただき豪華な顔ぶれ。後で耳にしたこと、審査員5人が全員一致で原田を推薦して下さり、首席で合格したとのことでした。(principal candidateとして合格したと通知をいただきました)指導教官の穂積先生はじめ多くのご指導をいただいた方に感謝です。

一方、こうした学生時代の活動に理解をいただけず、私を後継の区長に引っ張り出した元区長S氏は留学の話をするなと区長就任後お説教(院政は敷きませんという約束でしたが)(以前、建築事務所の社長をしていましたでは区民への説得力がなく3度留学した挑戦心ある人物です、安心くださいとアッピールする意図でしたが)また、筆頭部長のN氏も原田の区長退任表明直後の2004年の春ごろ「フルブライト留学の話はしないでください」とお説教?私の人生観、前向きな活動実績に対し理解いただけず、残念でした。また、多くのフルブライト同窓生に対する侮辱でもあります。

職業の多様性。ニューヨークヤンキース大打者が心臓外科医に。

ニューヨークタイムズ2021年3月25日の記事によると、元ヤンキースの大打者バビー・ブラウンが亡くなりました。戦後、ヤンキースの大打者として4回ワールドシリーズに出場しました。打者として脂が乗りきっている29歳の時、野球選手を辞め、心臓外科医になりました。日本のスポーツ界ではありえない職業選択です。アメリカ的な多様な職業選択です。

日本では、学校を卒業後、就職し、同じ職場で定年まで勤めるのが一般的です。一方、欧米では、転職が当たり前です。大学教授も5年から10年位で他大学や民間企業、あるいは政界に転職します。しかし、ブラウンの場合、大リーグの打者として立派な成績を残し、さらに医学の勉強をし、医者になったのですから大変な努力家だったのでしょう。シーズンが終了後から翌年のシーズンが始まるまで医学の勉強をしたようです。

[原田のコメント]日本のスポーツ選手は、退職後、一般的に評論家、タレント、水商売と限られた分野に就職する方が多いと聞きます。アメリカでは、新たに勉強しなおし、新たな分野の仕事に就く方が多いと聞きます。多様性と叫ばれていますが、欧米と比較し、日本はまだまだ金太郎飴の社会です。

南カリフォルニア大学セクハラ問題で1100億円の賠償

ニューヨークタイムズ2021年3月25日の記事によると、南カリフォルニア大学でセクハラ問題で、大学は多くの被害者に1100億円の賠償金を支払いました。南カリフォルニア大学はアメリカの名門門大学の一つです。日本からも多くの留学生がいます。2018年、地元のロサンジェルスタイムズが報道し、セクハラ問題が公になりました。大学専属の婦人科医ジョージ・ティンドールが20年以上にわたり診察に訪れた数千人の女子学生にセクハラ行為をしました。90年代、学生から大学当局に対し訴えたありましたが、当時の大学当局は適切に対応しませんでした。それが、また、被害を増やす原因にもなりました。責任を取り学長も辞任しました。

[原田コメント]公になりにくい問題を長年大学当局が適切に対応しなかったことで、大学当局の責任は重大です。一方、被害者に対する巨額な賠償額は、日本の裁判事例などから、考えられない額です。