日別アーカイブ: 2022年1月2日

ノーベル賞受賞の度に日本の研究体質の課題指摘

21年10月、日本人(と言ってもプリストン大学研究員)の真鍋淑郎氏がノーベル賞を受賞しました。嬉しい報道です。こうした報道の度に、日本の研究体質の課題指摘がされます。真鍋さんも「好奇心を原動力として研究が少なくなっているようだ」とコメントがありました。新聞の論説記事でも「日本のノーベル賞受賞者が日本の研究環境の悪化を指摘している。真鍋氏も人生の大半をアメリカで過ごしたのは、日本の硬直的な研究体制になじめない優秀な研究者が多いのでは」と指摘がありました。また、別の報道記事で、イタリアで研究を続ける元ピサ大学教授は「イタリアではよそ者が遠慮せずに意見を述べ、皆が耳を傾ける。研究者にとり好ましい雰囲気がある」と語っていました。

欧米のの教授、研究者の経歴を見ると、学部はA大学、修士課程はB大学、博士課程はC大学、そして就職先はD研究所、その後、E大学教授などと多様性あふれる経歴です。日本では同じ大学で、指導教官の弟子となり、研究を継続することが美徳とされています。こうした学習環境、制度を破壊しないといけません。

アメリカ留学、猛勉強の毎日、社交

アメリカ留学、最初は1969年、オハイオ州のThe College of Wooster(早稲田大学の姉妹校の一つ)1年間過ごしました。1年間で9科目を取りました。毎日予習、復習、勉強、勉強でした。ホット一息つけるのは金曜日の夕方か土曜日。

二度目は74年から76年、テキサス州ヒューストン市のライス大学建築大学院。同様、毎日勉強勉強、中間報告、プレゼンの前は徹夜の連続でした。ホット一息つけるのは金曜日の夕方。キャンパス内にあるバー(日本のバーのイメージでなく単に酒を提供する施設)で学生と教授が集まり、ビールの入ったコップを手に、1時間も2時間も議論する社交スタイルでした。お互い酒をすすめることはしません。

読売新聞21年11月の「時代の証言者」で米国憲法学者の阿川尚之氏が「留学で最初の1年は図書館に籠りっきりだった」とのことです。弁護士事務所でインターンをした時のエピソード「仕事をもらい、給料ももらい」、そして社交は「自宅に招かれパーティ、レストランで食事の接待、ミュージカルや野球観戦」が社交だったとのことです。

同感で、私もインターンで仕事をさせてもらい、日本人的感覚からすると高額の給料をもらいました。1975年のインターンの月給は800ドル、24万円でした。日本の大卒初任給は4、5万円だったと思います。

日本では社交というと居酒屋で酒を無理やり飲ませたり、高級ナイトクラブで接待を耳にします。しかしこうした社交方法では女性は参加できません。これからの社交方式を女性も参加できるように変えるべきです。大学の教授法も、猛勉強の学びの方法に変えるべきです。アメリカの大学の授業料は現在、年間500万円、600万円と高額です。学生は、少しでも教授から学び取ろうと必死です。教授も学生からひょうかされますから教育に必死です。教授はいつでも学生の指導、相談にあたれるよう終日大学に籠りっきりです。

日大前理事長、理事、評議員、法学部長、危機管理学部長などに喝!

21年9月、東京地検特捜部は背任容疑で日大本部、日大事業部など家宅捜索をしたとの報道がありました。10月、東京地検は日大理事井ノ口忠男と大阪の医療法人理事長藪本雅巳を背任容疑(板橋日大病院の建替え計画関連で2.2億円以上)で逮捕しました。その他にも背任容疑が複数ルートがあるとのことです。最終的に田中理事長が逮捕されました。

アメリカの大学に留学し、アメリカの大学経営事情を多少知っている立場から以前から日大の理事長の経歴やガバナンスについて疑問に思っておりました。大学の学長、理事長は博士号を持ち、大学の将来構想を作成し、その目標に向かい大学を運営する役割を持っています。民主的な選挙で、品格ある、学識ある人物が、学長や理事長が選ばれます。日本のような文部科学省がありませんから、大学は自主的に、民主的に、厳格に、管理運営され、評議員や同窓会、学生などの声が重要な要素となります。田中理事長は相撲の世界では実績を残した人物ですが、学問の分野では実績はない方でしょう。博士号も持っていません。また、田中の腰ぎんちゃくとも言ってよいのでしょうが、理事の井ノ口も同様、博士号も持たず、ゴマすりと口先と腕力だけで理事になったのでしょう。このようなレベルの人物が理事、理事長に就任することはアメリカの大学では考えられません。田中理事長、井ノ口理事を推挙した時の評議員や学部長等は、今どうしているのでしょうか。想像ですが、田中から投票依頼を受け金でも貰ったのでしょう。こうした理事、評議員等も調査対象とすべきです。

9年前の2013年2月1日の新聞報道で、「日大田中理事長が委託先の建設会社から500万円超を受け取った」と報道されました。疑問の一つ、なぜ、その時、厳しい内部調査がされなかったのか不思議です。その時の日大の顧問弁護士は「指摘の金銭のやり取りはありません」と回答、疑惑の建設会社の顧問弁護士も「資金提供はしていない」と回答。嘘をついた弁護士も同罪です。弁護士資格を返上すべきです。

多くの理事、評議員、学部長など、事なかれ主義のアホンダラだったということでしょう。日大の法学部長、危機管理部長など、肩書だけの人物で、長いものに巻かれろ式の卑しい人間でした。マスコミなどで政府批判や社会批判をする日大教授も多くいますが、自分の組織を公正、適切に運営できない人物が偉そうなこと言うなと言いたい気持ちです。

国際音楽コンクールで日本人若手優勝、入賞。でも外国育ち。

21年10月22日の報道で、ワルシャワのショパンコンクールで日本人の反田恭平さん(27歳)が歴代最高の2位、小林愛実さん(26歳)が4位に入賞しました。さらに、10月30日の報道で、ジュネーブ国際音楽コンクール、チェロ部門で上野通明さん(25歳)が優勝しました。日本人の快挙、嬉しい知らせです。ショパンコンクールの優勝者の中にはマルタ・アルゲリッチさんなど世界的に活動しているピアニストが多くいます。私もアルゲリッチのCDを持っています。

しかし、報道記事をよく読むと反田さんはモスクワに留学し、その後、ワルシャワの国立ショパン音楽大学で学んだそうです。小林さんはアメリカ、フィラデルフィアのカーティス音楽院に在籍しているとのことです。上野さんはパラグアイ生まれ、ドイツに留学したとのことです。音楽分野(他の分野でも共通点がありますが)での海外での教育方法が大きな要因と言えるかと思います。日本の指導者は教育方法、若手の育て方を再考する必要があるのではと思います。

もう一つ感じるのは、マスコミで欧米での人種差別報道を耳にしますが、欧米の審査員は公平公正に審査し、日本人だから、アジア人だからと言った差別意識はなく、良いものは良い、という判定を下しました。日本でのコンクールでは情実のような黒い噂を耳にします。文化芸術分野での指導方法を再考しなければいけません。