月別アーカイブ: 2022年4月

ウクライナ、侵略破壊被災下で文化芸術が精神的支え

ロシア軍のウクライナ侵攻、破壊行為、略奪、これが国際政治の実態と認識すべきでしょう。3月25日のニューヨークタイムズの報道によりますと、破壊行為の中で、ヴァイオリニストが避難している自分のアパートの地下室で、ヴァイオリンを演奏し、避難している仲間を勇気づけました。ピアニストが同様、近くの避難施設でピアノ演奏しました。トランペット演奏者が地下鉄の駅で国歌を演奏しました。破壊された建物を背景に道路上で別の音楽家がチェロを演奏していました。困難な時こそ文化芸術が重要な役割を果たします。

翻って、日本では文化芸術は不要不急のものと見なされる傾向にあります。日本の政治、行政、民間の指導者達は文化芸術に対する意識、理解力が欧米の指導者より劣っていると思います。欧米では文化芸術は指導者にとり必須の知識です。パンデミック禍でアメリカ連邦政府、ニューヨーク市などの自治体は、文化芸術に多額の予算を割り当てました。文化芸術は精神的な支えになります。

アメリカ、バレエ国際コンクールで日本人優勝、いいものはいい

4月21日の新聞報道でバレエ登龍部門「ユース・アメリカ」のジュニア部門(中学生)で日本人の男女2人がそれぞれ優勝しました。結果を見ると、人種差別などの偏見がないと理解します。分野は異なりますが、アメリカのクライバーンコンクールで視覚障碍者の辻井伸行さんが優勝しました。

アメリカというと日本のマスコミは、ステレオタイプ的に黒人差別などの報道をします。しかし、メジャーリーグでも、日本人選手の活躍も耳にします。アメリカ含め欧米では「いいものはいい」という価値観で審査されます。

翻って日本では、一部の有力な教授が自分の弟子を意図的に入賞させると言ううわさ話を聞きました。10年ほど前、芸大の奏楽堂コンクールで特定の審査員が特定の人を入賞させているという声を聞きました。主催元である台東区の文化担当の幹部から「審査がおかしいと感じた」と耳にしました。古くは小澤征爾がパリのコンクールで優勝しましたが、国籍、人種など離れ「いいものはいい」と評価していただける組織、国があることは敬意を表します。

プーチンのウクライナへの恫喝、港区長時代に同様のことが

2000年6月、元港区長菅谷氏の哀願と言ってもよいほどの要請を受け港区長選に出馬、就任しました。出馬にあたり菅谷元区長は「私は院政を敷きません。原田さんのお好きなように。」私は「まじめに仕事します。不正があれば自ら告発します。」が最初の約束でした。区長就任後、財政再建、20年来くすぶっていた土地問題を解決(増上寺南側の国際興業の所有地(現港区立芝公園)と浜松町駅前の港区所有地との交換)、危機管理担当部門の設置し警視庁から幹部を招聘、子育て支援センター設置など日本初の施策を作りました。一方、公共事業の際の官製談合、開発利権など様々な不祥事について耳にし、自ら監視、改革をしました。でたらめな積算書をチェックし(施設課長はじめ施設課職員はまじめな仕事をしていませんでした)、積算額を削減し、税金の無駄遣いを自ら質しました。不正について関係機関に報告もしました。

しばらくして元区長、一部議員(その中に官製談合の元締めもいました)などから「区長は建築の専門家だから、建築と都市計画について口を出すな、教育と福祉だけやっていりゃーいいんだ。」と理解不能で、攻撃的に言われました。教育と福祉について言えば、私は海外留学3度の経験から教育に対する意識、思いは誰よりも強く、また、福祉の本、論文をいくつか書いていましたので、私は教育、福祉のプロと言えます。元区長も私に攻撃的な意見を言う議員も、福祉教育について専門的な知見を持っていません。また、全国的に見ても福祉教育について専門書を書いた首長や議員はほとんどいないと思います。私は不正と戦いました。元区長氏は最初「原田さんのお好きなように、院政は敷きません。」と発言をすっかりお忘れになったのか、「原田は俺の言うことを聞かねー」とあちらこちらで発言していると耳にしました。

2003年12月(任期半年前、次の選挙を検討する重要な時期)、港区政を水面下で動かす麻布十番の小林石材(区役所の幹部人事、公共事業の業者決定など様々な分野で口をはさむ人物、多くの区議の面倒を見ている。元区長氏からの紹介だから交流せざるを得ない状況)の社長小林氏が私の妻を呼び出し「次の選挙に対抗馬が出ますよ(出します)、原田さんが選挙にお金を使い、選挙に敗れ、会社も傾いたらどうするのか」と伝えました。身を引け、選挙に出るなと言う恫喝です。元区長菅谷氏との盟友関係ですから、元区長菅谷氏からのメッセージでもあります。

現職は選挙に強いし、まじめに仕事していますから区長としての減点もありません。しかし、彼らは私が選挙に出ると、おそらく謀略情報を流したりすることでしょう。また、当時、飯倉小学校の廃校手続きを、教育長が、私の命令を無視し勝手に進め、大きな(当時最大の)問題が発生しました。原田の評判を傷つけることが狙いであることは明らかです。私は元々政治家になることに関心はなく、社会貢献の気持ちで区長を引き受けました。出馬すると泥まみれの選挙戦になると思い、無用な争いを避けるため、任期いっぱいで退任することとしました。出てきたのが私の時の人事課長、武井さんでした。私が本当の退任理由を公表したら、野党系の候補が勝利したかもしれません。武井さんはバツが悪いと思ったか私に出馬の挨拶はナシでした。武井さんは管理職(課長)試験合格年齢は42歳、東京都庁では普通の管理職、局長級は30歳前後で課長試験に合格します。港区政(地方政治)はこのレベルでした。

アメリカ建築家協会24年度会長選挙に2人の女性候補

アメリカ建築家協会誌4月号によりますと、2023年度の第一副会長(即ち24年度の会長)の選挙が6月に実施予定で、2人の女性が立候補しました。一人はキンベリー・ニコル・ダウデル(Kimberly Nicole Dowdell)女史、もう一人はエヴリン・リー(Evelyn Lee)女史です。ダウデルは黒人女性で、大手設計事務所HOKの役員、リーはアジア系の女性、若手建築家で、設計事務所のオーナーです。お二人ともいわゆるマイノリティの方。2年前のアメリカ建築家協会会長は女性でした。お二人の今後の活躍に大いに期待します。

翻って、日本の類似団体の日本建築家協会、日本建築学会ではまだ女性会長、女性最高幹部はいません。建築の分野は他の技術系、理系の学会などと比べ女性比率は高いと思いますが、未だに明治時代の価値観の男性役員が牛耳っているのでしょう。

ウクライナ第2の都市ハリキウ市の復興計画。イギリス人建築家ノーマン・フォスターに託される

イギリスの代表的建築家ノーマン・フォスター事務所が4月18日公表、建築専門誌DZが4月21日、同じく建築専門誌ADが4月22日に発表した記事によりますと、ウクライナ第2の都市ハリキウ市の市長イホル・テレホフとイギリス人建築家ノーマン・フォスターはジュネーブで面会し、市長は、ロシア軍が破壊した街の復興計画の策定をフォスターに依頼し、フォスターは建築家としての英知を集め復興計画を策定すると応えました。ハリキウ市はウクライナの北東部、ロシア国境から40㎞に位置しています。フォスターはロシアでも建築設計をしていますが、ロシア軍のウクライナ侵攻に伴い活動が停止しているようです。侵攻が早く収束し、ハリキウ市の歴史遺産を活用しながら新たな都市が復活、再生することを祈っています。侵攻、侵略が未だ進んでいる段階で、市長が世界的に活動しているイギリス人建築家にマスタープランを託したことは驚きと感銘です。

ハーヴァード大学建築大学院の公募チラシ、日本の大学も参考とすべし

2022年3月ハーヴァード大学建築大学院の教授、講師の公募チラシを見ました。そこに書かれている内容は、専門分野の博士号又は同種の専門資格を持ち、教育研究実績を持つことと書かれています。当然です。さらに、ハーヴァード大学は「平等」を原理原則とし、人種、国籍、宗教、性別、身体障碍、性的し好などで差別しないと記載され、さらには「妊婦」も応募してください、と書かれています。

アメリカの大学は数十年にわたり公募が原則です。私は、30年以上前のMIT、ハーヴァード大学、ライス大学などの教授募集の公募チラシを持っています。そこに「女性の方も積極的に応募してください」と書かれています。おそらく日本の大学の管理者はこうしたチラシを持っていないでしょう。

日本の大学の教員採用はブラックボックスです。特に女性の採用については。明治時代の体制です。直近の日大の不祥事、数年前の東京医科大学の女性受験者差別。検察の捜査で明らかにされました。要は、大学は自浄能力がないということです。これからは、ハーヴァード大学のチラシをみならって公募制にし、かつ、女性を積極的に採用しないといけません。

昨年のノーベル賞の真鍋先生は日本の大学の研究教育体制を批判しました。また、10年前、私が企画者としてノーベル化学賞の根岸先生を講演会に招聘した際、終日アテンドし、2人でランチを食べている間、根岸先生は日本の大学の体制を厳しく批判していました。日本の大学は世界から相手にされなくなります。

「羽田空港のこれから」に電話しましたが?!

羽田空港の新飛行経路によって騒音被害があります。「航空機騒音などお問い合わせは」とパンフレットに0570-001-596と記載されていますので、電話しました。自己紹介し、空港の騒音問題に関して、アメリカ、デトロイト空港滑走路拡張時の環境アセスの報告書を持っていること、50年前スウェーデン留学中、オフィス・インテリアの研究の中で室内の騒音問題の研究もしたことなどから、資料提供をしたいと申し入れしました。同時に、アメリカやスウェーデンでの50年前の研究資料を基にすると、パンフレットに記載されている内容は問題があると、お伝えしました。

電話の相手は、声の様子からすると中年の女性のようですが、単に話を聞き、記録するだけの様子でした。私の持つ資料をどこへ送ったらよいか、住所を教えて下さいと伝えたら「上司に相談します」とのこと。国土交通省の航空局の住所、羽田空港事務所の住所など、公開されています。私は、関係者にとって参考になると思って、私の資料を担当者に送りたいので、住所を教えて下さいとお願いしましたが「後で連絡します」と発言し、電話を切り、その後なしのつぶて。その程度の担当者でした。この程度で機能しているのでしょうか?パンフレットには丁寧で分かり易い情報提供を行ってまいりますと書かれています。区民の声を聞くと言う姿勢ではないように感じました。

パンフレットに港区高輪台小の2021年4月から10月の騒音の実測値の平均値中型機の場合73.6dBと記載されています。小学校と言う土地利用からすると騒音値は高いです。また、数分おきに騒音が発生するということが、実は大変な問題です。断続音(間欠音)は心理的に影響が大きいです。パンフレットでは、空港騒音は市街地の騒音とほぼ同じだ型問題はない、と書いてあります。市街地でも、事務所、商業、学校、病院、戸建て住宅などで、騒音の影響は異なります。

築地跡地開発の視点、海外の大規模開発の事例から

築地市場跡地の開発について発注者である東京都の考え方が公表されました。私は、この数年専門誌に紹介された海外の大規模開発の事例を文献調査し、参考となると思われる40事例を整理、分析しました。私は40事例を便宜的にAウォーターフロント(リバーフロント)、B複合機能開発、Cテーマのある開発、D跡地開発と分けてみました。(多くの事例はそれぞれ絡み合っています)

築地の開発で参考となりそうな観点について、キーワードで整理すると以下の通りです。(順不同)1地元のエネルギーを活かす、2地域の文化を称え、都民の文化活動の目的地、3隅田川の玄関、都市の入口としてのアイデンティティ、ランドマーク、4アジアの高密度都市計画、5隅田川を中心軸とする、6ウォーターフロント(リバーフロント)開発の楔、7全ての市民にリバーフロントへのアクセス、8クリエイティブ産業の核、世界の拠点、サービス産業、観光産業、文化の核、世界第一級の商業、文化拠点、研究技術開発の拠点、将来の食糧産業発展の核、9環境との完全調和、10インクルーシブな開発、11デジタル都市。

また、参考となる計画内容は以下の通りです。1河川港、2複合機能都市、観光、商業、娯楽、市場、カフェ、レストラン、文化芸術、スポーツ、3多様な都市空間、ユニークなフォルム、地域を活き活きさせる建築、4段状の空間構成、5住宅は賃貸、高級、アフォーダブルのミックス、6交通拠点、駅、バスターミナル、マリーナ、ウォータータクシー、7緑、プロムナードでイベント、周囲の緑、公共広場と緑地空間のネットワーク、30mのセットバック、8ネットゼロ(地中熱、太陽熱、カーボンニュートラル、エネルギーの自立、(高断熱、ソーラーパネル、風力、有機的廃棄物処理、微気候で環境のコントロール)、9地元のアーティストとコラボでアートの配置、10ナイトライフ、11町会、区長の主導、12建築家選定の国際コンペ

晴海のオリンピック村の住宅計画は、羊羹のような建物が並んでいるだけで、水辺に対し壁を作り、内側からの水辺に対する眺望がなく、また、風のとおりがなく、ウォーターフロント計画の基本からすると失敗作です。築地の開発計画に際し、海外の高い評価の主れも参考にし、世界のモデルとなる計画として欲しいと願っております。

2014年武漢魚市場を訪問したウィルス学者は後年のパンデミックを予測、ラクーンが原因。

22年3月23日のニューヨークタイムズの報道の一部紹介です。

動物由来の新しいウィルスの新種を見つけるため、2014年武漢を訪問したシドニー大学のウィルス学のエドワード・ホルムズは、武漢市役所の衛生当局者から魚市場に案内されました。市場には食用のため蛇、アナグマ、ネズミ、鳥などが売られていました。その中で檻に入れられたラクーン(狸の一種)を観察し、ラクーンが他の動物へのウィルス感染源で、おそらくいずれラクーンから他の動物、そして人に感染すると予想しました。

原田のコメント:科学は、イデオロギーや政治状況と無関係に真実を追い求めるものです。新型コロナの蔓延に際し、中国政府は隠蔽するのでなく、海外の科学者と共に真実(感染源、感染経路、感染の被害の状況など)を調べ、また起こるであろうパンデミックに備えるための貢献をすべきでした。