2022年7月のアメリカの建築専門誌Architecture Dailyによりますと、EIU(Economist Intelligence Unit)の報告書で「2022年世界の最も活力ある都市のランキング」が発表されました。評価の視点は「安定性」「公衆衛生」「教育」「文化・環境」「インフラストラクチャー」の5分野です。1位がオーストリア、ヴィエナ、2位デンマークのコペンハーゲン、3位スイス、チューリッヒ、4位カナダ、カルガリー、5位カナダ、ヴァンクーバー、6位スイス、ジュネ―ヴ、7位ドイツ、フランクフルト、8位カナダ、トロント、9位オランダ、アムステルダム10位大阪です。逆に最下位の都市は、1位イラン、テヘラン、2位カメルーン、ドゥアラ、3位ジンバブエ、ハラレ、4位バングラデッシュ、ダカ、5位パプアニューギニア、ポートモレスビー、6位パキスタン、カラチ、7位アルジェリア、アルジェ、8位リビア、トリポリ、9位ナイジェリア、ラゴス、10位シリア、ダマスカスです。
森ビルが主宰する研究所で世界の都市ランキングが定期的に発表されます。主に東京、ニューヨーク、パリ、ロンドンとの比較です。評価の視点を何にするか、また、評価の点数付けをどうするかにより、結果に幅が生まれます。森ビルの研究所の特徴からすれば「東京」は理想的な都市とアッピールしたい思いもあるかと思います。しかし、上記のEIUのランキングに東京はリストされていません。私は東京が、安全、利便性等の観点から、相対的に質の高い都市と思っております。しかし、経験上、世界の都市の評価で見ると、問題もいくつかあります。外国人に不親切(英語のサインが少ないなど)、夜まで楽しく時を過ごせる場が少ない、子供を入学させる学校が少ない、外貨交換所が少ない、営業時間が限られている、外国に送金する際手数料が高額、公園・緑地が少ない、住宅の面積が狭い、道路が狭い、など都市環境などの問題も大きく存在しています。これから都市間競争の時代、こうした報告書を参考にしながら都市づくりを進めるべきです。