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早稲田大学教授渡部直己(文芸評論家)と早稲田大学が損害賠償命令、東京地裁が命令

4月6日NHKニュースで、また、7日の朝刊で、早稲田大学教授渡部直己(文芸評論家)と早稲田大学が2017年「俺の女になれ」と言ったなど含め深沢レナさんに対するセクハラ行為で55万円の賠償命令を東京地裁が出しました。大学にこうしたバカがいるということです。また、裁判を起こした深沢さんの勇気に敬意。

こうした事件、アメリカなら10億、50億という桁の慰謝料の判決が出ると思います。55万円では、渡部氏にとっても早稲田大学にとっても痛くもかゆくもありません。深沢さんが長年被った精神的、物理的損害に対しての慰謝料としては少なすぎます。(賠償金は弁護士費用でほとんど手取りは無くなるでしょう)

早稲田大学も東京大学も優秀な学生を卒業後助手に囲い込み、研究に集中させ、30歳くらいで専任講師にさせるという教員人事です。教授は世間からちやほやされ、世間的には常識知らずの人物養成です。欧米では、学部、修士、博士と別々の大学で学び、様々な世界で経験を積み、切磋琢磨し、公募という競争で教授に採用、昇進します。そうした競争社会で生きてきた欧米の教授と比較し、早稲田や東大の教授は社会常識形成に問題があると思います。

10年位前でしたが、小保方さんが社会的に問題になりました。早稲田大学が博士号を授与し、その後論文不正があったとして博士号を取り消しました。その時の審査教授(5人くらいいたと思いますが)は審査能力無しだったということです。偉そうなことを発言し、実は、博士論文の審査すらできない能無し教授でした。その時の教授は早稲田大学からどのような処分を受けたか知りませんが、即、辞表を出すべきでした。私は横浜国立大学で博士号を取りましたが、審査は厳格でした。審査教授から謝礼を要求されるようなこともありませんでした。

深沢さんが在籍していた時の早稲田大学総長は鎌田氏。ガバナンスの権威者と言われた方。安倍政権で教育会議の座長を務めました。私の政治家としての勘ですが、文部省の局長を不適切な方法で早稲田の教授に採用しましたが、(その局長は不正が発覚後辞職)、おそらく、文科省と総長はバーターし、文科省の局長を早稲田で教授として採用するから鎌田氏を政府の教育会議の座長にするという裏の約束があったのかと想像します。

学生に人生の中で最も大切な20代を無駄な時間、被害の時間、精神的な苦しみの時間を早稲田大学が、鎌田総長が、そして渡部教授が、与えてしまいました。

渡部氏を知りませんが、「文芸評論家」「早稲田大学教授」としてちやほやされていたのでしょう。欧米の大学に比べ、日本にはこうした教育環境が多いと思います。マスコミでは、問題発覚前は社会的に影響力ある先生として「先生先生」とちやほやしていたのでしょう。日大の元理事長、東京医科大学理事長、学長も同類です。こうしたバカを退場させない限り、日本の高等教育機関の発展、日本での女性活躍はありません。

ホワイトハウス。トランプが解散させた芸術委員会を復活。文化芸術政策の展開を期待。

ニューヨークタイムズ22年9月30日の記事によりますと、バイデン政権は、トランプ前大統領が解散させたArts Commission(芸術委員会)を復活させました。アーツ・コミッションは1982年レーガン大統領により設立され、文化・芸術政策の大統領からの諮問に応える組織です。2021年バイデン大統領が就任し、基金の20%の増額(201万ドル、1ドル100円として201億円)を提案しました。

トランプ大統領は公共建築をギリシャローマ風にデザインしろと命じました。これは共産主義の文化政策と同じです。東西冷戦下、共産主義国では共産党が共産主義を表現する建築にしろと命じました。音楽、美術、建築など文化芸術は大きくアメリカがリードしています。そういう点で、バイデン大統領が文化芸術政策を見直したのは好ましいことと思います。

世界各国の熱対策官会議

CityLab22年10月3日の記事によりますと、世界の主要都市の熱対策官が市民活動家を連れてワシントンDCに集まり気候変動の議論をしました。参加者すべてが女性です。熱の問題は、気づかないうちに、静かに進行することです。この会議はアトランティック委員会のアドリアンヌ・アーシュト‐ロックフェラー財団レジーリエンス・センターが組織しました。主要都市では熱による経済損失が大きいです。熱対策官(チーフ・ヒート・オフィッサー)の役割はまだ緒に就いたばかりです。

参加者全員の認識として、このままだと、2050年までに1000の都市が夏の平均気温が35度になると認識しました。また、植樹により都市の温度を下げるという自然の法則を使っての温度低下をさせる提案がありました。

1994年だったか、早稲田大学建築学科尾島研究室がキャンパス周辺の街路で、街路樹がある所とない所での地表面温度を測定した調査研究が建築学会関東支部で報告されました。緑という自然の力で大地の温度を低くする方法は最も原始的ですが、最も有効な都市を冷やす方法です。都内と見渡すと、道路(幅員4メートル以上)がなく、建築基準法違反の住宅が建て込んでいる街区は熱環境的にも問題が多く、一方、再開発し、緑地を十分に確保した街区は熱環境の観点からも良好な街区と言えます。

ニューヨーク市オープンストリート事業。車を止め路上レストランで商業活性化

ニューヨークタイムズ22年10月25日の記事によりますと、室外(道路)の飲食を推進することで、パンデミックで打撃を受けた飲食業が活性化しています。ニューヨーク市の調査によりますと、オープンストリート事業は大変成功し、飲食業が再び活性化しています。コロナ禍で大打撃を受けた飲食業ですが、オープンストリート事業で新たな商業活動が生まれました。ニューヨーク市役所の運輸委員会の委員長がコメントをしました。

委員長のポストは日本の自治体では教育員会などありますが、欧米の自治体では各部(局)に大きな方針を決める委員会が存在しています。

オープンストリート事業の飲食業が納める税金もかなりになります。調査によりますと2021年の5地区の事例では、6月1日から8月31日まで平均の税収が600万ドル(1ドル100円とすると6億円)で、過去の3年間の平均税収は5万ドルだったので19%の増収となりました。また、近隣地区でオープンストリート事業をしない街区の飲食業の税収は3.6億ドルでした。

前運輸委員会委員長ジャネット・サディク・カーン女史は街路の使い方のデザインでの生活が地域社会に富をもたらしたと語りました。

日本では道路上での飲食業は、祭礼やイベントの時以外は、固く禁じられています。しかし、街の経済の活性化、パンデミック対策、市民のための道路、街の賑わいの観点などから一度実験したらよいと思います。

デンマークでBIG事務所がマルガレーテ女王50周年記念でジェンダー平等のモニュメントのデザイン

dezeeenという建築専門誌の22年9月5日の記事によると、BIGというデンマークの建築設計事務所(世界各地で素晴らしい建築設計をしています)がデンマークのマルガレーテ女王陛下の50周年を記念し、コペンハーゲンで「頑張る女性」をテーマにしたモニュメントをデザインしました。広い公園の敷地に49の高さの異なる柱状の物体を円形に配列するというデザインです。そこには49名の著名な女性の指導者の名前が刻まれています。

ジェンダー平等という大きな社会的な流れの下、女王陛下の50周年と49人の指導的女性の名前を刻み、49個の柱状のモニュメントをシンプルに円形に配置するユニークなインスタレーションです。ジェンダー平等をフォルムに表す社会的挑戦という観点からも注目すべきデザインです。

ペンシルベニア大学建築学部長に台湾出身女性建築家就任

AIA(アメリカ建築家協会)誌4月12日の記事によりますと、ペンシルベニア大学建築学部長に台湾出身の女性建築家ロッサナ・フ(Rossana Hu)女史が24年1月1日から就任予定。現在は上海で設計事務所を運営し、Tongji大学建築学部長。ペン大で3人目の女性学部長。最初はアデーレ・ナウデ・サントス女史(1981-1987)。サントス女史は私のライス大学時代の修士号審査教授でお世話になった方。Hu女史はカリフォルニア大学バークレー校で建築学士、プリンストン大学で建築・都市計画の修士号を取得。経歴はいつものとおり欧米では学士、修士と異なる大学で取得します。バークレー、ハーヴァード、イェイル大学、香港大学などで講師を務めました。大学での女性活躍の好例です。

アメリカの大学の建築学部長に女性が就任

AIA(アメリカ建築家協会)誌によると、ヘザー・フラッド女史がカリフォルニア州のウッドベリー大学の建築学部長に就任、キャサリン・シーヴィット・ノーデンソン女史がペンシルベニア大学造園(景観)計画部長に就任しました。

アメリカやヨーロッパでは、建築は独立した学部、大学院で、専門職大学院です。日本では建築は工学部(理工学部)に属しており、専門職大学院の中に位置付けられています。アメリカの大学は各々が特徴を持ち、競い合っています。私が1974年に留学したライス大学はウィキペディアによりますと、建築と物理が一位と記載されています。教授と学生との比率は1:6で全米で最も高水準。ライス大学には世界で初の宇宙工学科があり、多くの宇宙飛行士が誕生しました。ケネディ大統領が「60年代末までに人類を月に送る」と発言したのはライス大学でです。小規模大学ですが、理工系に強く、一方、音楽部もビジネススクールもあります。建築大学院は教授15名、学生数75名、昨年は建築大学院に3人の若い女性准教授、講師が採用されました。

ライス大学は日本人留学生が少ないので、日本語を使わない(シャットアウト)で留学生活を送れます。1970年代、ハーヴァード大学日本研究部長ペリー教授が送ってきた手紙に「ハーヴァードの日本人留学生は、授業からアパートに戻ると日本人同士、コメのメシとみそ汁を飲み、日本語を使い英語を話さず、アメリカ人や他国からの留学生と交流せず、閉鎖的な日本人コミュニティ(ペリー先生は「日本人スラム(ジャパニーズ・ゲットー)を築いている。何のためハーヴァードに来たのか?」とハーヴァードの日本人留学生を批判的にとらえていました。そして「ライスへ行け」とアドバイスがありました。

女性が幹部として活躍するために分母(すそ野)を拡大する必要があります。具体的目標を正確に作成し、5年後、10年後に女性教員、幹部を増やす努力をすべきです。女性の幹部を増やすために分母(すそ野)を拡大する必要があります。私から言わせれば、「簡単」なことです。ただやるだけで、金はかかりません。もし、私が文科大臣や学長になれば、即実行です。

日本では憲法学者、行政のトップ、学者、議員などの政治家などが色々発言していますが、自宅に帰ると「オイ、風呂!メシ!」など家庭内で叫んでいる可能性ありです。

セクハラ教授等78人処分

読売新聞4月2日朝刊に「セクハラ教授等処分78人」と一面の見出しです。社会面で作家深沢レナさん(32歳)が早稲田大学の指導教官から「俺の女になれ」と言われた学生時代の恐怖を振り返りインタビューに応えていました。彼女の年齢からすると10年弱前の出来事です。

女性の社会参画、その課題など統計的なデータ分析も必要、重要ですが、こうした個別の事例も調べるべきです。今でも記憶にある事例の中で2件紹介します。

1 早稲田大学交換留学生の後輩の女性、卒業後、修士課程で東京大学大学院に入学しました。最初の研究室会議で教授から「君は女なんだから皆のお茶を用意しろ」と言われました。彼女は直ちに退学届けを出し、カナダに留学しました。東大教授による女性差別、蔑視です。こうした具体的事例をマスコミも文科省も報道しません。

彼女はカナダで博士号を取得し、日本に帰国、幸い、つてがあったのでしょう、青山学院に専任講師の職を得ました。すると、先輩の女性教授から「すぐ赤ちゃんを作ってはダメ」と言われました。

最近のハーヴァード大学教授募集の公募広告で「妊婦さんも大歓迎」と書かれていました。日本の大学人の意識は世界から100年遅れています。そういうことを意識しない大学人の存在自体が問題です。

2 2013年2月の週刊新潮に芸大名誉教授(声楽科)平野氏が教え子と不倫関係にあるとの報道がありました。その後、私の知人から聞いた話、平野氏は4人の弟子を愛人にしているとのこと。芸大、日本の音楽界の現実です。週刊新潮が記事を書きましたら後マスコミは報道しませんでした。マスコミは芸大との関係が大事と判断したのでしょう。

平野氏は台東区が主催する奏楽堂コンクールの審査員でした。審査に不正があったと聞き、主催者の台東区に情報提供しました。台東区の幹部も平野氏の審査がおかしいと思っていたと発言。その後、件の台東区の幹部はあろうことか、「原田さんから情報提供があったから、審査員を辞めてください」と平野氏に伝えました。平野氏から手紙が届き「場合によりあなたを名誉棄損で訴える」との内容。世間的には芸大教授と言えば尊敬の対象で、原田は在野の人間ですから芸大教授と比べゴミみたいな存在ですが、実際は芸大教授(一部でしょうが)は、この程度のレベルです。

多くのまじめな教授を知っていますが、一部にこの程度の人物がいるということです。ですから日本では女性教授や研究員の数、比率がOECD諸国で最低水準にあり、女性を教授に採用しようという判断、意識が、欧米と比較し、働きません。女性活躍の課題、障害にこうした日本独特の問題があることも認識する必要があります。ただ、こうした議論は表に出てきません。本来必要な議論のテーマですが。

ニューヨーク市の車が進入しない道路で商店街の活性化

ニューヨークタイムズの22年10月25日の記事によりますと、ニューヨーク市で、「Open Streets Program」(直訳で開放道路事業)でパンデミックで衰退した商業者が道路上(屋外空間なので感染しにくい)で、車をシャットアウトし、飲食できるようにし、何とか生き延びているとのことです。ニューヨーク市運輸委員会委員長ロドリゲス氏がコメントを発表しました。また、商業活動により市の税収増効果もあります。事例調査をした5地区では、2021年6月から8月までの間の税収は、以前500万ドル(1ドル100円とすると5億円)だった額が、600万ドル(1ドル100として)6億円に増えました。一方で、車をシャットアウトしなかった地区の商店街では税収が3.6億ドルに減少したとのことです。

欧米では、歩道上にレストランのテーブルとイスがせり出し営業をしている事例を多く見かけます。コロナ禍で衰退した経済を立て直すために、また、街の賑わいをもっと盛り上げるため、街に活気を取り戻すため、新たな取り組みに挑戦してみる価値があります。そのため、道路の設計、歩道の設計、商店街全体のあり方など、抜本的な見直しも必要です。

政府の子育て政策

岸田政権、政府が少子化に歯止めをかけようと、積極的に新たな政策を掲げつつあります。良い方針と思いますが、一方で、問題も多いです。具体的には、児童手当、出産費用の公的支援、学校給食の無償化などが挙げられています。金のばらまきと思います。お金がかからない有効な政策があります。その点は政府、政治家も発言をあまり聞きません。

一つは労働制度。残業をせず、定時退社です。そうすれば夫婦で家事、育児に参加できます。

二つ目は雇用の流動性です。出産育児で退職しても、いつでも、再度、公務員試験を受けたり、大手企業に応募できる雇用制度にすれば、出産育児というライフイベントに安心して参加できます。20年以上前と記憶していますが、週刊新潮の記事に、ニューヨーク市に移住した日本人女性が、アメリカ国籍を取り、40歳頃ニューヨーク市警の警察官になったと紹介されました。

私自身の体験です。50年前アメリカ、スウェーデンに留学した際、インターンとして大学の研究所、設計事務所で働きましたが、5時になると全員一斉に退社。誰一人残業しませんでした。後輩の体験談です。私の1年後にウースター大学に留学した後輩は、三井物産に勤務後、80年代後半英国石油に転職しました。ロンドンに到着後すぐに英国石油に出勤したら、上司から「一週間出社しなくてよい、家で奥さんが引越しの荷物の整理や子供の学校入学手続きで大変だろう、家庭を大切にしろ」と叱られたそうです。英国石油(世界的な大企業)では、40年前のことですが、残業がなく定時退社で、夕方帰宅後、家事や地域活動に参加したとのことです。女性も安心して働けます。

公務員の場合、議会前、議会中は議会対策で長時間残業。すると、特に女性は幹部になりたいという意欲を失う方が多くいると思います。本来政策の議論は議員同士ですべきで、公務員は政策の執行者ですから政策立案に関係しません。しかし、日本の政治家は政策、立法する能力はほとんどなく、公務員側の政策提案に対し、いちゃもんを付けるだけ、公務員は議会前、議員の質問取材と答弁書作成に忙殺されます。先進国で議会で行政と議員が討論するのは日本だけです。本来、議会の中で議員同士が議論すればよいことです。

港区長時代、上田助役に公務員試験で年齢制限があるのは、欧米的価値観(何歳になっても転職自由)から憲法違反の恐れありと話をしたら、「公務員の年金制度がありますから公務員試験の年齢制限は必要です。」との発言。本質を理解していない発言で、港区の助役はこのレベルかと思った次第です。何歳になっても公務員試験を受験できる、大企業にも応募できる雇用制度に変えるべきです。金はかかりません。公務員組織、大企業組織で多様性が生まれます。多くの政治家、識者は「多様性」を声高に発言していますが、言行不一致です。