読売新聞記事によりますと大学教員がセクハラなどの行為で処分を受けたとのことです。その中で作家深沢レナさんが早稲田大学の学生時代、指導教授から「俺の女になれ」とセクハラされたと告発がありました。数年前のことですから、その時の早稲田大学総長は鎌田氏。氏は法学部教授で、会社法、企業のガバナンスの権威者とのこと。しかし、実際には早稲田大学でガバナンスができていなかったということです。
さらに、鎌田氏の総長時代、文科省の局長を早稲田大学教授として採用しましたが、後日、国家公務員の天下りの省を挙げての斡旋を禁止するルールに反したことが発覚しました。その元教授は即退職しました。また、当時の文部次官だった山中氏は退職後ブルガリア大使に転じていましたが、次官時代のルール破りの責任を取り、即、大使を辞任、帰国しました。しかし、鎌田総長は最高責任者であるにもかかわらず責任を取っていなかったと記憶します。
別の問題もあります。文科省の局長が大変優秀な人物であることは分かりますが、大学教授は研究者、教育者であり、博士号を持っている必要があり、また、教育力があることが必要です。その局長OBを存じませんが、果たして若者に対する教育力があったか、不明です。下種の勘繰りかもしれませんが、早稲田大学は文科省の局長を教授として迎え入れたことは、文科省と新たな関係を構築したいという下心があったかもしれません。さらに、下種の勘繰りですが、鎌田氏は安倍総理の時の教育改革会議の議長を務めましたが、そのポストとのバーターだったかもしれません。推測ですが。
本件を見ると、大学教授は理屈の世界だけで、実際、大学運営で不祥事が発生したことで、大学組織のガバナンスがどうなっていたのか、さらに、総長が責任を取らず(ニュース報道などで鎌田総長が責任を取ったと聞いていません)、無責任な人物と思いました。
日本大学も、危機管理部長や法学部長がいますが、田中理事長の暴走を止めることができませんでした。田中理事長が東京地検特捜部に逮捕された後は、溺れる犬をぼうでたたくという日本的なやり方で、田中理事長の現職時代、学部長、理事達は田中理事長の不祥事を批判しなかった連中ですが、逮捕後、田中元理事長を責めました。日本の大学は、教授は建前、能書きを偉そうに社会に向け垂れるだけで、実際は何もできない、言行不一致ということです。
1976年、ロッキード事件で田中元首相が逮捕された時も同じ。それまでマスコミなどは田中首相をほめちぎりましたが(田中首相の問題をマスコミなどの連中は知っていましたが告発せず)、逮捕されると「実は・・・」と問題を書きたてました。日本のマスコミもいい加減です。
先週号の週刊文春に、明治大学の清水教授(日本史)が教員採用の裏話を書きました。教授の公募手続きは、裏があり、出鱈目だそうです。日本の大学教授採用は、欧米の公正な募制度と比べると100年遅れています。女性教員はなかなか増えないと思います。現職の教授達にとり、改革するよりは現状のままのほうが都合が良いと思っているでしょう。立派な教授を知っていますが、馬鹿な、幼稚園児程度の常識の教授も多いということです。