Dezeenという英国の建築、デザインの専門誌があります。25年度の賞の審査員が発表されました。1人目はイタリア人建築家でカルロ・ラッティ氏、2人目はスウェーデンのデザイナーのソフィア・ラーゲルクビスト女史、3人目はイギリス人インテリアデザイナー、マシュー・ウィリアムソン氏、4人目はムンバイで活動するインテリアデザイナーのサラ・シャム女史(おそらくインド系)の4人です。女性2人、国籍は4か国、職業は建築デザイン、インテリアデザインと多様です。日本では審査というと大学教授が就任することが多いです。明治時代からの伝統、日本人にある意識か、大学教授は中立、公正、専門性があるなど(実際は偏った審査も多いと聞きます)の理由と思います。しかし、欧米では大学教授は大学での教育研究活動に専念しなければならず、また、専門性の高い人材は民間にもいくらでもいるという考えでしょう。多様な審査員であれば審査は公平、公正に維持されると思います。日本での審査方法も大きく変わるべきです。
月別アーカイブ: 2025年3月
ローザンヌ国際バレー日本勢3人入賞
2025年2月10日の報道です。スイスのローザンヌ国際バレーコンクールで日本人が3人入賞したとのことです。若い日本人バレーリーナの活躍に拍手を送りたいと思います。こうした国際コンクールで日本人含め外国人などが入賞するということは「審査が公平、公正」という証でもあります。日本の文化芸術の審査では黒い噂も耳にします。古くは小澤征爾がパリの指揮者コンクールで優勝し、また、比較的最近では辻井伸行がテキサスのクライバーンコンクールで優勝しました。審査員から最高の評価を受けました。審査員は国籍、人種に関わらず「いいものはいい」と公正に評価した結果です。日本でのコンクールで日本の審査員もそうした覚悟を持って審査していただきたいと祈っております。
フジTV問題から働き方改革
欧米の働き方から見てのフジTVの問題です。
1 5時以降はプライベートタイム:1971年スウェーデンの設計事務所でインターンとして働きました。また、1975年ライス大学の研究所で働きました。5時になると、職員は脱兎のごとく帰宅しました。得意先の接待があるから「女性陣は接待係として付き合え」、「日曜日のゴルフ接待に参加せよ」ということは一切ありません。
2 家族を大事にしろ:1980年代、私の後輩が某商社から英国石油に転職しました。家族を連れロンドンに移住しました。彼はロンドン到着後ただちに会社を訪問。すると、幹部から「奥さんが引っ越しの整理、子供の入学手続きなどで大変だろう、一週間出社しなくてよい」と家族を大事にしろと逆に叱られたとのことです。
3 社交で酔っぱらうのは厳禁:留学時代、及び、その後の国際会議に参加した経験から、お酒はマイペースで、注いだり注がれたりの習慣はありません。レセプション会場に酔っ払いはいません。酔っぱらうと「あいつはダメ」と烙印が押されます。日本での社交は、酔っぱらうことが良いことみたいに見られているようです。「まー一杯、どうぞ」と酒宴が始まります。私は港区長時代「原田は酒を飲まないから(酔っぱらわないから)信用できない」と言われました。私には理解不能。日本の社交の席では酔っ払いをよく見かけますが、女性にとり不快、危険な場所となり、女性は参加しにくくなります。
4 問題があれば何でも議論する:アメリカの組織で、何か問題があると年齢、キャリアに関係なく水平志向で自由に意見交換し、問題解決をします。これは組織が発展する大きな要因です。そうした議論の場を何回か目撃し、私自身も議論の輪に参加し、発言を促されたことがあります。
私の健康の主治医(M先生)は慶応大学医学部出身ですが、回診でただ教授の診断結果を聴くだけ、(うっかり発言すると教授から生意気な奴と遠ざけられたそうです)、アメリカの大学病院に留学したらその日からカンファレンスで「君はこの患者を診て、カルテを見てどう思う」と発言を求められたそうです。
港区長時代、庁議(部長と三役が全員出席する最高意思決定会議)を毎月1回開催しましたが、区長が議長役で、誰も発言しないことに驚きました。ある時から区長自ら議事録を作成しました。すると部長達はそれを勤務評定と思ったのでしょう、手を挙げ発言するようになりました。また、部長たちは原田が公正な人事評価をすると、逆に私を評価したのでしょう。それまでは余計な?発言をして区長に嫌われ左遷させられたら困るから黙っていようという意識があったのでしょう。
フジTVはじめ報道機関はニュース番組やニュース解説で偉そうにお説教調で視聴者に向かい発言しますが、彼らのやっていることは幼稚園児以下です。
英国建築専門誌の賞の審査体制、4人の民間の建築家
Dezeenというイギリスの建築の専門誌の賞の審査員が発表されました。日本ですと審査員は大学教授を中心に構成されることが多いですが、欧米では異なります。欧米の大学教授は授業と研究に専念しなければいけない義務があり、外の仕事にはあまり参加できません。日本では大学教授は能力があり中立だと思われ、様々な場面で審査員になっています。実態については疑問符が付きます。今年のDZ誌の審査員は以下の4名です。女性2人、黒人、アジア系の方もいます。Crawford女史は白人女性でインテリア審査部門の担当。Teo Yangは韓国人、住宅や商業施設部門の審査の担当。Benjamin Hubertはイギリス人男性、デザイナー、ナイキやグーグルのデザインなどを担当しています。Orajumoku Adenowo女史はナイジェリア人建築家、公共施設や複合施設の設計をしています。多様性に富んだ審査員体制です。日本でも採用すべき審査体制です。