51年前のアメリカの検疫

51年前の1969年早稲田大学交換留学生としてアメリカに留学しました。入国に際し、留学ビザが必要で、用意する書類は結構大変でした。アメリカと日本の経済格差故、アメリカで働き稼ごうとする人が相当数いたのでしょう。現在も途上国からアメリカで働く目的で不法入国する方が相当数います。

検疫も書類用意が大変でした。アメリカからすると日本はまだ経済発展途上国。大卒初任給で比較すると69年は2万円台、アメリカは18万円、6倍から7倍の経済格差がありました。①天然痘の予防注射をした証明書。(天然痘をばらまかれたら困る)②アメリカ大使館指定の病院(新宿区中落合にある聖母病院など)での健康診断書。(病気は無く、留学生活に耐える健康状態であるという医者の証明書)。(留学中病気になったら困る)③レントゲンの実物大のフィルム。(結核菌をばらまかれたら困る)フィルムはA-3サイズ程度ですが、これを手荷物で持参し、入国の際、検疫官にレントゲン写真を見せ結核でないことを証明しました。健康診査(検疫)で結構厳重だなと感じました。20歳の学生からすると、ビザのこと、検疫のことなど全く無知で命令された通り動くしかありませんでした。今は日本は経済、健康の優等生、世界中どこへ行っても、入国の際、健康のことを問われることはありません。

最近のように世界的に疫病が拡大、蔓延する時代、それぞれの国の政府が国民の健康、衛生環境を守る為に検疫活動が大切であることが分かります。特定の国を差別するのではなく、当該国で疫病が流行していれば、即、その国からの入国禁止措置を取らなければなりません。今回の新型コロナウィルス蔓延では入国禁止措置が結果として遅すぎました。

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