女性の社会参画の政府目標・先送り。海外での体験に基づく提言。

多くの女性が活動する社会を夢見ている立場から、7月25日読売新聞の報道で、政府は2020年までに国会議員、民間企業の管理職の女性が占める割合30%にするという目標を先送りをしたことを知り、残念に思います。総務省労働力調査によると、民間企業の管理職割合は2019年14.8%、衆議院議員の女性議員の割合は9.9%です。欧米各国では女性の指導者層の割合は40%以上あると思われます。以下、海外の実情と日本の課題を書きます。

1 将来の幹部候補の母集団。:1971年スウェーデンに留学した時、ストックホルム工科大学建築学科で女子学生の割合は60%(女子学生からの回答)、隣国のフィンランドのヘルシンキ工科大学建築学科の女子学生の割合は同様60%(教授からの回答)。1990年代、ハーヴァード大学建築大学院の女子学生の割合は大学院学生600人に対し50%いました。(ハーヴァード大学統計資料)卒業生の半数以上が女性だから、社会でも半数女性がいて、管理職も半数女性がいるのだと思います。

1967年私が大学に入学した年、定員180人で女子学生は2人(1%)。卒業後社会で女性の割合、単純に1%、幹部も最大でも1%となります。まずは、人材の供給源の絶対数を大幅に増やす必要があります。

2 海外で女性の活躍の実態:(1)女性教員の活躍:1974年私がライス大学建築大学院に留学した際、修士号審査教授はアデール・サントス女史。後年MITの大学院院長を務めました。(2)2019年ライス大学同窓会誌によると、建築大学院院長のサラ・ホワイティング女史が秋からハーヴァード大学建築大学院院長に就任と紹介されていました。(3)アメリカ建築家協会(AIA)誌によると、現在プリンストン大学建築大学院院長はヴェネゼラ出身のモニカ・ポンチェ・レオン女史です。(4)ライス大学建築大学院の同窓会誌によると、2020年の秋学期からライス大学に3人の女性教授が就任します。ライス大学建築大学院は学生数75名、教授は15名ですので、女性教員の割合は高いです。(5)トルコの大学、2014年トルコの国立コジャエリ大学主宰の国際会議に招へいされました。学長、副学長、建築学部長、法学部長、海洋学部長(操船学科)、メディア学部長らは女性などなど。イスラムの国での現実に驚きました。アメリカの建築専門誌に、「ハーヴァード大学建築大学院教授募集、学部長募集」など、広告があります。日本では、東大、早稲田などは、退職する教授が後継者を水面下で指名する方法です。女性に機会はほとんどないと言えます。

 3政治・行政での女性活躍の実態。(1)多くの女性市長。ニューヨークタイムズによると、シカゴ市長、アトランタ市長、サンフランシスコ市長、首都ワシントン特別市長など主要都市の市長は女性で、かつ、黒人です。また、昨年面会したオハイオ州、フィンドレー市長(人口5万)市長は27歳の女性。オハイオ州で最も若い市長です。(2)人口200万人全米4位のヒューストン市、22人の局長がいます。そのうち10人が女性です。しかも財政局長、都市計画局長、建設局長、市役所裁判所長など枢要な局長です。また、ヒューストン市議会は定数16名、うち半数の8名が女性議員です。残業などなく、深夜に及ぶ議会もなく(昼間堂々と議論します、あるいは傍聴したい市民のため一定の夜間議会もあると思います)女性にとり働きやすいです。 

4社交方式の実態。欧米の社交は、昼のビジネスランチなど明るいうちの社交、また、自宅で家族同士の社交が多いです。日本では男同士でナイトクラブ、料亭などの社交が多いです。女性は参加しにくいです。日本では宴会というと酒を「飲まされます」。王米では酒はマイペース、人に勧めることはありません。トップの指示で、女性が参加しやすいよう欧米流の社交方式にすべきです。 

5職住近接の都市構造。欧米の都市を見ると、都心に大量の住宅があり、職住近接であることが分かります。家と職場が近いと、女性も男性も早く、疲れず帰宅し、家事、育児、地域活動に参加できます。東京圏で通勤時間は平均90分です。(国の統計)都市構造を抜本的に変える必要があります。 

6男女の意識、バイアス。私が大学に入学した1967年。男女とも、女性に対する意識は「女性は卒業したら有名企業に勤め、結婚資金を貯め、25歳になる前に結婚する。」でした。そういう意識を持つ多くの男性が現在の社会の指導者層にいます。そういう意識の指導者層には意識改革をしてもらうか、あるいは無理なら指導者層から退場していただく必要があります。

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