ミネソタ州ミネアポリス市。警察官による黒人容疑者殺害事件の裁判、世界中にテレビ中継

昨年5月、ミネソタ州ミネアポリス市で偽札を使ったとして店員から通報があり、ミネアポリス市警察の警察官(ミネアポリス市職員)が駆けつけ、容疑者フロイドを拘束する中で、警察官が容疑者の首を9分間足で押さえつけ窒息死させたというのが事件の概要です。その後、黒人の命を守れ、人権を守れ、警察改革をと全米に運動が広がりました。当該警察官、ショーヴィンは殺人罪で逮捕されました。

2021年3月29日から裁判が始まりました。アメリカでは裁判は生中継です。日本では冒頭の写真撮影のみ許可されます。3週間にわたり、検察と弁護士の証人尋問があり、全米、世界中に放送されました。私も一部をCNNで視聴しました。50年以上前、アメリカのテレビ映画でペリー・メイスンという法廷劇を見ましたが、再度、法廷劇のリアル版を見ました。検事も弁護士もパーフォーマンスたっぷりでした。

陪審員は12名。バランスよく選ばれました。性別では男性5人、女性7人。人種では黒人4人、白人6人(北部のミネソタ州は白人が多い州です)、その他の人種2人。年齢層は20代から60代。居住地は都心と郊外、と多様性に配慮しています。

私がCNNを視聴したのは深夜11時から12時過ぎまでで、一部ですが、証人の証言を視聴しました。非番の女性消防士(ミネアポリス市職員、救命救急士)は「たまたま現場を通りかかり、状況を見て危ないと思ったが何もできず、今ではトラウマで悩まされている。」と涙ながらに証言しました。18歳の女性「フロイド氏の叫びにとりつかれ、トラウマで眠れない夜が続き、何もできなかったことに対しフロイド氏に申し訳ない。」と涙ながらに証言しました。警察官はボディカメラを付けていますので、現場の状況がすべて録画され、法定に証拠として提出されました。

最終日、裁判官は評決にあたり配慮すべき内容を陪審員に説明しました。陪審員は、起訴内容すべてを有罪と判断しました。直後、ショーヴィンは、シェリフ(郡の保安官:市警察職員でありません)に手錠を掛けられ、退出しました。

昨年5月の事件後、ミネアポリス市警察局長は辞任、その後任にパトロール警官出身で黒人警察官が警察局長に就任しました。ミネアポリス市役所は遺族に27億円(1ドル100円として)支払いました。

コメントです。1 裁判は全米で関心が高く、毎日、CNNが中継しました。裁判が公正に行われている様子が分かります。日本もいずれテレビ中継すべきです。2 陪審員の選択はバランスを考慮し選ばれたことが分かります。3 警察官はミネアポリス市の職員で、市長が最高司令官ですから、市長は政治責任を強く感じ、警察改革、警察官の教育改善に取り組み始めました。4 警察官に付けているボディカメラの画像が全て証拠して裁判に提出されました。日本の裁判では、検察の判断で意図的に証拠が開示されないことがあるようです。厚生省の課長(その後事務次官)だった村木さんが、検事の証拠捏造で冤罪で逮捕、長期勾留された際、検察は証拠を開示せず、裁判が始まり、村木さんが冷静に、丁寧に証拠を調べ、検事が捏造したことを明らかにしました。話変わりますが、その時の大罪を犯した検事は今頃どうしているのでしょうか。幼稚園児であるまいし公の場に出て謝罪をすべきです。 5 慰謝料が27億円で日本では考えられない額です。 6 日本でも2007年、佐賀県警で知的障がい者が職務質問で取り押さえられ、圧死した事件がありました。殺人警官は無罪になりました。アメリカで黒人が警察官に殺されたという事件は、日本の大手メディアが喜んで大きく取り上げます。佐賀県警の事件、その顛末は、大手メディアで取り上げられていないようです。日本のメディアの偏向です。自身の体験です。多くの方が体験したと思いますが、車を運転中、交通検問で突然、警察官が車の前を立ちはだかります。心臓がドッキとします。街を歩いている時、警察官から呼び止められ、ドッキとします。まして知的障がい者ですから警察官に呼び止められびっくりしたのでしょう。警察官は不審者として押さえつけたのでしょう。本来、メディアが積極的に取り上げるべき事件です。警察も障がい者に配慮を勉強すべきです。

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