科学技術白書、日本の研究論文世界10に落ちた残念。大学教授は研究に専念せよ

先日公表された科学技術白書で、日本の研究論文数が世界で10位に落ちたとのこと。残念です。女性の研究者も増やし、研究の活性化をしなければなりません。論文数に関して個人的体験を3件。

1 大成建設社長の母校批判(早稲田大学建築学科の論文数が少ない)     1990年代の初め、恩師の菊竹清訓氏が主催する国際会議の支援要請のため、菊竹清訓先生に伴い大成建設社長(早稲田大学理工学部建築学科の先輩)に面会しました。約束の面会時間は60分。寄付の要請は1分で了解いただきました。その後、社長から早稲田大学建築学科の批判が50分続きました。「大成建設研究所は審査付論文を多く発表しているが、早稲田大学建築学科からの論文数は大成建設の足下にも及ばない、情けない。」とのお言葉。

2 原田の私的論文活動、審査付論文9本、数万字の論文10本         私は一匹狼(本当はヒツジ)で活動しております。これまで審査付き学会論文を9本書きました。また、数万字の論文を10本書きました。すべて「一人」で書きました。大学教授との違いです。まじめに研究論文を書いている教授もいますが。                      1つ目、大学教授の研究室の賃料は無料。原田は事務所の賃料を払っております。                                  2つ目、大学教授(日本の)学生を論文指導と言う名目でデータ集めを無料でさせています。原田はアシスタントに報酬を払っています。(欧米の大学では学生を無料でアシスタントに使うことは禁じられています。)学生に書かせた論文に最後に教授の名前を書き加えるだけ。                     3つ目、大学教授は肩書だけで社会的信頼がありデータ集めが容易です。原田がデータ集めをしようとすると相手から「胡散臭そう」な目で見られます。大学教授はそれだけで優位性があります。論文数は少ないのは義務を果たしていないと言えます。やる気がないのかアルバイトで忙しいのか。(教授の利権特権です)                               4つ目、大学教授は大学から一定の研究費が支払われます。原田は全て自腹です。経済的にも大学教授は優位性があります。               他の分野は知りませんが、建築分野で審査付論文9本、数万字の論文を10本「単独で」書いた教授はそうはいないと思います。

3 東京都老人研究所での行革、研究者の採用、活動の提言         1998年東京都庁から依頼され老人研究所(高齢者研究では世界的レベル)の行革コンサルタントを依頼されました。都庁の発注ですから公正にとプロポーザル方式でした。大手のシンクタンクからも応募提案があったようですが、彼らは上手に報告書をまとめるでしょうがきれいごとの羅列で本質的なことは書けないと都庁の担当者は判断し、海外留学3度の体験があることと率直に提言を書くであろうと期待されたと思います。                        提言内容は、研究者の採用、研究活動などについて欧米式を提案し、具体化させました。それまでは研究所の経営は親方日の丸。              1つ目、研究員の採用は公募、1年間は試用、その後の評価で正式に採用、数年ごとに業績評価をする。                          2つ目、東京都の研究所であるので定期的に都民に研究成果を公表、発表する。 3つ目、研究費は、税金を投入せず、様々な所から研究費を集める。      4つ目、研究員は専門誌に加え、テレビ、ラジオ、新聞などに積極的に出る。それも業績評価の一つ。                          5つ目、外部からの報酬については、研究所と折半。つまり、東京都の施設で、東京都の金による成果ですので。日本の大学教授はアルバイトなど外部からの報酬は全て自分の懐へ。利権そのものです。                 6つ目、名刺交換したら自分の引き出しにしまうのでなく研究所の管理部門がすべて管理する、など。                          実際、原田も研究の業績評価に参加させていただきました。都民に役立つ研究科同課などの観点から。                          こうした活動は当時の局長含めた幹部の意識の高さからでした。トップの意識が重要です。日大の田中元理事長を含め日本の大学のガバナンスは問題だらけです。また、政治の世界でも研究、科学技術について語れる、意識ある方が少数なのは残念です。

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