安倍元首相銃撃の検証中間報告と海外などで体験した事例

7月8日安倍元首相が銃撃され1か月経過し、警察庁の検証の途中結果が発表されました。安易な前例踏襲と現場の警察官の連携不足と言った趣旨の内容です。

学生時代の留学中、ニュース報道で見たVIPの警備の様子、時々国際会議で海外を訪問した際たまたま目撃したVIP警備の様子、また、毎日視聴しているCNNで見るVIP警備の様子などと比べ、警備の素人ながらも今回問題があったと思います。また、私が主催者として開催したイベントで最高のVIPをお迎えした際の準備したことを振り返ると、今回、もっと準備することがあったのでは、と考えざるを得ません。

CNNを視聴していると、大統領がホワイトハウスの庭で演説や記者会見をしている姿が放映されます。ホワイトハウスという最も警備上安全な場所ですが、テレビに、大統領の20~30メートル離れた場所に屈強な大統領警護員(シークレットサービスは財務省の職員(皆さん軍隊経験者:もともと偽札捜査で作られた組織)大統領に背を向け、反対側に目を光らせています。また、救急車の姿も見えます。

アメリカ留学中の1975年の大統領選挙の時(この時はカーターさんが勝利)ニューヨークからヒューストンへ飛行機に乗った時、2,3人の屈強の大男が機内に入ってきて、身分証明書を見せろとの指示、何事かと思っていたら大統領候補が乗ってくるとのこと。

レーガン大統領が銃撃された際の映像が時々流されますが、銃撃の瞬間、即座に2,3人の警護員(シークレットサービス)が大統領をフットボールでタックルするような形で車の中に押し込み、そのまま病院へ、でした。(万が一のために行く病院も決まっているのでしょう)警護員の役割は大統領を守ることで、銃撃者を逮捕することでありません。大統領など国民の中に入る場合、二重、三重に警護員が大統領を取り囲み、周辺にいる大勢に目を光らせています。

1999年11月ベルリンで開催された建築家の国際会議に2日間ですが参加しました。ベルリンの壁崩壊10周年でベルリンの建築、都市計画についての議論、視察でした。帰路、タクシーに乗りベルリンのテーゲル空港のターミナル前でタクシーを降りようとしたら警察官が血相を変えタクシーの運転手に「ここは停車禁止」と叫びタクシーを即移動するよう命令。ゴルバチョフ元大統領がちょうど到着する時間だったことが後で分かりました。あるゾーンから人の排除です。自爆テロなどに備えたのでしょう。

数年前CNNのプーチン特集で見た報道番組。プーチン大統領の車列が通る道路沿道の建物の窓は全て閉じるように命じられています。モスクワ市民がプーチン大統領に手を振るなどのシーンはなく、ゴーストタウンで車が走っているといった状況でした。銃撃、暗殺を警戒しています。

私事で恐縮です。10年前ある行事で、私が主催者となり天皇皇后両陛下をお迎えすることとなりました。事前に警備関係者と面会、素人なりに警備について相談に乗っていただきました。会場には関係者しか入場しませんのである種の安心感がありますが、天皇陛下は心臓手術をされた数か月後でしたので、もし、ご気分でも悪くなったらと考え、すぐそばに見えないようにご休息できるよう椅子を配置し、また、万が一ご気分がすぐれなくなった場合に備え、私から救急車の配置をお願いしました。

安倍さんが銃撃された後、救急車が到着するまで10分を要したとのことですが、元総理が訪れる場所の近くに万が一に備え救急車を待機させることも必要があったのではと思います。

推測ですが、現場責任者の経験のなさ、無能ぶりもあったかもしれません。数年前六本木で目撃した場面。(麻布警察署管内)昼間、車道に20人くらいの警察官がいました。遠くから様子を見ると若いやくざ風の男性が一人車道に座り込んでいました。時々大声をあげていました。道路は一車線封鎖。危険な状態です。現場の責任者(おそらく警部補)はどう処理していいのか分からなかったのでしょう。私は数分様子を見ていましたが仕事に戻り2時間後に同じ場所を通ったらまだ同じ状況が続いていました。車道に居座っている若い男性に指揮官が「危ないからどけ、どかないならどかすぞ」とすれば終わることです。20人の警察官がただ立っているだけ。現場指揮官はどうしていいのか分からなかったのでしょう。こんな無能な現場指揮官もいるのかと思った次第です。

トップは結果責任です。警察庁長官、奈良県警本部長、現場の責任者は、前代未聞の事件が起きたことに対し、速やかに責任を取るべきです。

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