ニューヨークタイムズの報道によりますと、ニューヨーク市に立地するコロンビア大学の次期学長に初の女性が就任します。ネマト・シャフィーク女史です。女性活躍の海外情報です。その結果、ハーヴァード大学、ダートマス大学、MIT、ペンシルベニア大学、ジョージワシントン大学など歴史ある名門校の学長が女性です。新学長はエジプト生まれ。学歴は、学部はマサチューセッツのアムハースト大学、修士はロンドン経済政治大学院、博士はオックスフォード大学。職歴は、世界銀行副総裁、国際通貨基金副事務局長、英国銀行副総裁、ロンドン経済政治大学学長。家庭は子供2人。
原田のコメント。彼女の現在の国籍は不明ですが、エジプト人。コロンビア大学にとり外国人。学習歴は、欧米では当たり前の、学部、修士、博士と別々の大学で学びました。彼女はそもそもコロンビア大学とは無関係。欧米の大学では利害関係をなくすため、大学教授のほとんどは他校出身者です。私がライス大学留学した時も、指導教官はオーストラリア人、出身大学はメルボルン大学、後年ハーヴァードの大学院長に就任。修士号審査教授は南アフリカ出身、出身大学はハーヴァード大学、後年MITの大学院長に就任。経歴がバラエティに富んでいます。一昨年私が企画と司会進行を仰せつかった女性研究者を増やす目的のシンポジウムに招聘したハーヴァード大学建築大学院院長サラ・ホワイティング女史も、学部、修士、博士と異なる大学で学び、ハーヴァード大学と縁がありませんで、ハーヴァード大学の大学院長に就任しました。トルコのコジャエリ大学の学部長、ネヴニハルエルドーガン女史も、出身大学、職歴は多様で、他大学出身です。
日本では、東大学長は東大卒、日本の教授は、多くの場合、東大教授なら、学部、修士、博士とずーと東大。日本の教授は、世間的に視野の狭い研究者として育ちます。(個人によりますが)他流試合、他領域、他大学との交流はほとんどありません。日本の大学は「師匠と弟子」の関係が長期間続くのが、研究環境。男性指導者の場合、なかなか女性の若手を抜擢するのは難しいでしょう。日本の主要大学で女性学長が登場するのはいつのことか。
日大では田中元理事長が不祥事で逮捕され、退任。その後、小説家の林さんが理事長に就任しました。大学のトップは博士号を持ち、多様な研究機関で多くの実績を有し、かつ、教育政策、教育指導に明るい、高い意識の人物が最適です。林さんの理事長就任は、有名人なら良いと言う安易な日本的判断と思います。
欧米の教授は学生による厳しい評価に毎学期さらされます。評判悪い教授は即解雇です。日本の大学教授は、評価システムがありません。永久就職です。ですから自分の欠点を認識できません。教育・研究方法を改善できません。
教授、学長など「公募」を原則とすべきです。また、毎学期、学生による評価される必要があります。