区長秘話その11、負の遺産の解決

平成12年6月から16年6月までの区長時代、多くの仲間のおかげで重要な施策を実績を実現できました。負の遺産の解決も大きな実績です。3つあります。1つは財政再建です。就任時、貯金は400億円、借金は600億円、4年間に、貯金を800億円に増やし、借金を400億円に減らしました。就任時、平成12年の予算で、歳入の16.2%は区債で賄いました。23区平均の区債の比率は14.6%、当時、財政事情が悪いと言われた中野区は21.3%、豊島区は19.8%、墨田区は15.8%でした。都心区の千代田区、中央区は、区債の比率は4%、4.6%でした。当時、港区の財政がいかに借金に頼っていたか、よくわかります。

2つ目は某有名企業が所有する芝公園と港区が所有する浜松町駅前の土地の交換です。20年来の課題と説明を受けました。それまでの3人の区長が、問題解決に躊躇していた案件です。私は区長就任後、直ちに社長に面会に行き、すぐ解決に向けて協議しましょうと申し入れしました。トップ同士で話し合い、解決しましょうと提案しました。部課長レベルに任せたり、口利きをしたがる議員には介入させないと決めました。2年で解決できました。従前の区長たちは、相手企業の社長に面会することをためらったことと200億円以上の価値の土地交換で、不正を疑われる恐れがあったことなどです。この土地交換で、私は1円たりとも受け取っていません。強い意志で、正々堂々交渉を進めることができました。議会で疑いの質問が来ました。それは自分たちが口利きでいい加減なことをしていることを証明しているようなものだと感じました。

3つ目は飯倉小学校の統廃合です。港区は児童数100人未満の小学校は廃校の検討に入るという規則があります。当時、飯倉小学校の児童数は30名、教職員数は42名。一部の親は、児童1人で先生2人という恵まれすぎた環境に満足していました。まともな学校運営ができません。1人の児童数あたりの経費は400万円。大学医学部並み、アメリカの名門大学の年間授業料並みです。港区の一般的な小学校の児童あたりの経費は80万円です。児童数から見ても、経費から見ても統廃合を進めなければならない状況でした。それまでの区長も教育長も政治問題化することを恐れてか、放置してきました。平成15年統廃合を具体化しました。こういう事態で、普段は経費節減を声高に主張する議員は統廃合反対。二枚舌です。また、児童がかわいそうと、マスコミも、普段は行政の経費削減を主張しながら、反対の論陣でした。二枚舌です。

しがらみがないこと、明確な立場で仕事をすることで、具体化できました。課題を先送りすることはいけません。

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