就任間もない頃、某課長が完成した報告書(案)を持参しました。私は、早速読み、問題点を指摘し、修正させました。幹部職員も区議も、新米区長のお手並み拝見といったところでした。報告書案に区長自ら修正を入れたことはすぐあちこちに伝わったようです。多くの幹部は緊張したと思います。それからは課長が自らチェックし、区長室に届けるようになったと思います。
最近の港区の報告書をいくつか読みましたが、客観的なミスが多くあります。分析で考え方の違いは許容範囲ですが。幹部たちは、チェックするような視点でしっかり報告書を読んでいないのでしょう。
同様、就任間際に、工事発注の間際の案件がありました。前任区長が手掛けた公共事業です。田町スポーツセンターのプール棟です。気になり、積算書を区長室に持ってこさせ、区長自らチェックし、2000万円程度減額指示しました。大手の設計事務所の業務です。いろいろミスを見つけ指摘しました。これも、侮れない区長と職員にショック療法となったことと思います。契約課長T氏が「区長がこのようなことをしてよいのですか」と言ってきたのは驚きました。本来「区長がチェックしてくれたおかげで税金を節約でき、ありがとうございました。このようなお仕事を区長にさせてしまい申し訳ありません。今後は気を付けます」が正解の発言です。
いずれ書きますが、もっと問題のある積算書のチェックが半年後にありました。30億円の積算書を私がチェック、3億円減額させました。この詳細は後日述べます。当時の施設課職員の業者任せで自らチェックしないという意識は問題でした。また、もっと問題なことは、こうしたより正確、かつ、公正な積算書という私の作業について、公共事業の契約に関心を持つベテラン区議Y氏(官製談合の元締め)に話が伝わっていたことです。「原田は区長室で積算書のチェックをしている」と。施設課職員が某区議とツーツーであることに驚きました。こうしたこと外部の人間に話すべきではありません。一方こんなものかとも感じました。なお、積算書のチェックは自宅で深夜にやりました。