ホスピス牧師、日本にはない仕事。

20年前、国際会議出席のためアメリカを訪問しました。娘も連れて行きました。その際、私が20歳の時早稲田の交換留学で学んだオハイオ州のウースター大学時代の女性の友人宅を訪問し子供同士(同い年)の交流も目的の一つでした。自宅を訪問しホームステイしました。連れ合いの方を紹介されました。名前から北欧系の方。

職業はホスピスで牧師をしていると自己紹介されました。死を目前にした患者さんとお話をし、精神的に安楽にすることが仕事です。日本にはない職業です。宗教観、人生観の違いです。日本ならまだ本人に本当の病名を言わないことが多いと思います。「その内よくなりますよ」と医者は患者に説明し、その後で家族には本当のことを伝える場合があります。私の親の時もそうでした。

欧米で医者がそのような態度をとると事後真実を伝えなかったと裁判所に訴えられると思います。氏から細かい話を聞きませんでしたが、医者が後数日の命と先刻した患者に対し、「〇〇さん、あなたは立派に生きましたね。家族、友人に恵まれましたね。後数日の間、祈り続け、楽しかった人生に感謝しましょう。神様があなたを祝福しています。そして、神様の御前に行きましょう」とでも牧師がやさしく語りかけるのでしょう。

日本では病院で僧侶がうろちょろしたら縁起悪いと患者や家族、病院職員から叱られるかもしれません。しかし、宗教の役割を考えさせられる一コマでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です