日本建築研究会の本年度第1回の勉強会に出席しました。講師は東京大学建築学科教授の藤井恵介氏。平安時代の礼堂について平面計画の機能論はあるが実際何に使われたのか研究が未発達。藤井先生は礼堂は貴族たちが夜間含め(通夜)長時間滞在し、観音様の前で夢を見て、人生の方針を決める場所ではないかという面白い自説の紹介でした。
証拠をいくつか挙げました。(1)高校時代古文で読んだ更級日記を取り上げ、著者の藤原孝標の娘の日記に、礼堂に入り長時間過ごし、夢を見て、様々判断したという記述の紹介、(2)当時の絵画に礼堂に複数の人が入り横に(眠り)なっている様子が描かれているものが多くあるなどです。
板敷きの礼堂は中国や韓国のお寺にはない形式です。
夢を見て人生判断するということで思い出したのがフロイトの夢の精神分析の本です。学生時代読みました。しかも熱心に。見た夢を思い出しながら(思い出せない夢もあります)メモにし、フロイトの本に基づきながら自分の精神状態を分析しました。自らの深層心理が分ってきます。結構役に立ちます。区長時代も時々やりました。更級日記の著者はフロイトより1000年も前に夢の精神分析をしていたということをドイツの心理学会で発表したら論争が生まれるでしょうか?