港区長秘話84、設計事務所、規模が大きければよいものではない、問われる担当者の資質。

設計事務所、規模が大きければよいというものではありません。担当者がしっかり仕事できるかがカギです。私は30歳で独立自営。悲しいかな、日本は会社の規模が評価の主要項目です。欧米では数人の設計事務所がコンペでワールドカップ競技場の設計をしたりします。

港区長時代の大手の設計事務所X社の仕事ぶり(問題ぶり)です。まず、港区スポーツセンタープール棟の積算書のいい加減さの問題です。就任してまもなく工事発注する段階で私自らX社が作成した積算書をチェックしました。積算書のミスを指摘し2000万円減額させました。もし、私が何もしなければ2000万円高い額で発注された恐れがあります。税金を節約し、区民に貢献した点は大いに誇りたいと思います。もっとも評価する人は誰もいませんでしたが。余計なことしやがってと外からのヤジを耳にしました。X社の積算書が個人事務所出身者により訂正させられたということです。しかも、港区役所の施設課の職員もやる気がないのか、能力がなかったのか、ノーチェックでした。大手だからと安心してはいけません。(私が施設課に指摘した問題のメモは今でも保管しています、いずれ公開します)X社も港区施設課職員も大いに恥じるべきです。

その2。千代田区九段に区政会館があります。大手設計事務所Y社の設計で同上のX社が区長会のコンサルタントとして支援業務をしました。再度私が積算書をチェックしました。誤りを正しました。X社は何をしていたのでしょう。私は発注者側の区長ですから一切コンサル料をもらいませんが、腸が煮えくり返る気持ちでした。大手設計事務所だからと安心してはいけません。

その3。区長時代、Y国の大使が区長室に来訪。大使館建設をするが、区道を挟み敷地が2つに分かれており、交通安全上、治安対策上、区道上空にブリッジを渡したいと思う。ついては設計と技術面の検討を(上記の)X社に依頼したので、X社が区役所に相談に来たら対応方よろしくとの相談でした。大使の要望は合理的な理由があり、私は直ちに技術担当のN助役を呼び、X社が相談に来たらよく話を聞くようにと伝えました。半年後、再度、Y国大使から連絡がありました。区道上空にブリッジを建設する件どうなりましたか?という照会。ところがX社が相談に来たとの報告はありません。X社は大使に異なる報告(港区は前向きに検討してくれないと)をしていいたようでした。しかし、私から動き出す案件でないので、静観していました。結局、2つの敷地に2つの大使館施設が完成しました。X社はコンサル業務を適切にしていなかったようです。

その4。区長退任後のことです。私の住まいに隣接するZ国大使館が建て替わることになりました。(上記の)X社がコンサルタントで、2つの設計事務所(1つは別の大手設計事務所、1つは聞いたことがない近隣対策を専門にやる形式だけの設計事務所)が担当、大手ゼネコンが設計も担当しながら施工担当。X社は発注者側のコンサルタントですが、説明会も後で生じた近隣紛争にもX社は一切登場しませんでした。契約上コンサルタントの役割が何か知る由もありませんが、説明会や近隣紛争にも一切登場も発言もせず。何のためのコンサルタントかと思った次第です。

上記4例は全て大手設計事務所X社の事例です。大手だから、安心というのは幻想と思ったほうが良い事例です。私は独立自営で、役所的な評価からは規模が小さいから信頼性が低いと評価されますが、X社よりよほど私のほうが頼りになるということは明言します。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です