チェコ、プレロヴ市庁舎コンペ、オランダ人建築家が入選

建築専門誌Architecture Daily 21年3月号によると、チェコのプレロヴ市庁舎、国際設計コンペで、オランダ人建築事務所Anagram建築都市設計事務所が入選した。規模は6階建て、5,000㎡。設計のテーマは市民と開かれた市庁舎との対話です。具体的には、羊羹状の市庁舎に、広場に面した側に1階から6階まで直通階段を配置し、階段から各階の入口にアクセスできるようになっています。最上階はテラス、カフェを配置し、最上階からはカフェ、テラスからプレロヴ広場を眺望できるようになっています。

[原田のコメント]本案は、市庁舎デザインのプロトタイプの一つである。チェコの一自治体が国際コンペを実施し、外国人であるオランダ人建築家の案が採用されたことは、開かれた公共事業の発注方式である。国際コンペは日本の政府機関、自治体も見習うべきである。

建築界のノーベル賞プリツカー賞、今年はフランス人カップルに。

ニューヨークタイムズ21年3月16日によると、今年のプリツカー賞(建築界のノーベル賞と言われる)受賞者はフランス人カップルの建築家アン・ラカトン、ジャン・フィリップ・ヴァサールに決まりました。

デザイン活動の特徴は、新しい建築を創るために従前の建築を破壊しないことです。つまり、長年使われた既存の建築の再活用をデザインすることです。

代表作の一つ、2012年、パリ市内のパレ東京の拡張事業です。1937年世界博の残置物をデザインし、ヨーロッパ最大の非収蔵型美術館に作り変えました。また、1960年代、ボルドー市で建設された共産主義様式全盛時代の公共住宅(外壁面が多く小さな窓の様式)に、外壁を取り払って新たにバルコニーを設置し、各部屋に太陽と空気を取り入れ、再生し、530戸の新たな公共住宅をデザインしました。さらに、1969年建設されたパリ市郊外のトゥール・ボア・ル・プレトゥルは、同様、バルコニーを拡張し、面積を広げ、修復しました。2人によると、技術、規制などは後回しとして、単に、公共住宅に空気と太陽を取り入れただけだそうです。

2010年、「小規模な大変革」というテーマでニューヨークの近代美術館で展示され、デジーンというイギリスの建築雑誌により優れた建築として表彰されました。また、ニューヨークタイムズの建築評論家は、彼らのデザインを建築の創意工夫と建築の若返りと称賛しました。

こうした活動の積み重ねで、今回のプリツカー賞に至りました。優れたデザイン活動、社会活動です。

ニューヨークタイムズが3月16日にプリツカー賞受賞者の報道、Architecture Daily も続けて報道、18日ブルムバーグニュースが報道しました。日本の主要メディアではプリツカー賞受賞の報道はお目にかかれません。(私が目を通している範囲ですが)残念です。欧米のメディアに比較し、日本のメディアは建築文化にあまり関心がないように思います。もう一点、日本では、建築のニュースが取り上げられるのは、大規模な建築や華々しいデザインの建築が多いですが、公共住宅、修復建築といった地味な建築に、建築界のノーベル賞が与えられたことは嬉しいことです。

京大、警官、医師、ペルー人詐欺師のなりすまし人生。持続化給付金詐欺に注意。

週刊文春の21年3月4日号に「京大、警官、医師…ペルー人詐欺師のなりすまし人生」という記事がありました。京大の偽学生証を持ち京大キャンパスで京大生に近寄ったり、医師の偽免許証を持ちでたらめな医療行為をし、警察官の制服を着て屋根に赤色灯を乗せた偽パトカーで取締し反則金を巻き上げていた、とのことです。ここまで手の込んだ偽の証明書など作り、自信たっぷりの詐欺行為をした詐欺師の存在に驚きました。時々、M資金詐欺、地面師詐欺などで著名人が被害に遭ったという報道もあります。冷静に考えれば、おかしい、ということが多くあります。

私の身の回りでも、ずいぶん昔のことですが、妻の中学校時代の友人が「東京医科歯科大学に合格した。」と偽の合格証明書で親や友人に見せ信用させ(いずれバレますが)、さらに、医学会の論文を偽造(執筆者の氏名に自分の名前を印刷したものを張り付けコピー)し見せびらかし、周囲を信用させるという行為でした。面識のない人物ならある種の警戒心が働くことがあると思いますが、前提が友人ですと、善意が前提で信用します。そういう意味でもより「悪質」と言えます。ろくな定職、つまり収入を持っていなかったのでしょう。ある時期、奨学金が切られたから金を貸してくれ、…でした。事実が発覚し、逃走し、その後、どのような人生を送っていたか?ネットサーフィンをしてその人物の名前は出てきません。実名を隠しているのでしょう。

最近では持続化給付金詐取の事件報道が多いです。簡単な手続きで100万円もらえると周囲の人々に説得、申請書類作成を代行すると言って申請書類を偽造し、手数料を数十万取るという悪質な事件です。これまで詐取で数十人が逮捕されているとのことです。意外なところで、甲府税務署員が給付金詐欺をした、沖縄タイムス社員が給付金詐取した、など、国家公務員やマスコミの人間まで詐欺をする事態です。最近の報道(21年3月7日)で中央競馬会で集団で不適切受給がありました。

私の周囲でも、昨年の夏、音楽家が主催する個人的なサロンで、新顔の参加者Ki氏が、音楽家の組織の一般社団法人の理事と名乗り、持続化給付金が簡単にもらえますからボランティアで手続きしてあげますからと発言。ある音楽家がその話に乗っかり、その後、多額の手数料をピンハネされたと噂話が耳に届きました。一般社団法人の理事を名乗るKi氏のことをインターネットで調べたら、学歴、職歴、資格など何も出てきません。要は経歴を隠蔽したいということです。「一般社団法人の理事」を隠れ蓑にして人を信用させ、でたらめなことをしている寄生のウィルス人間です。そういう正体不明の人物をそういた個人のサロンに連れてきた人物もお人よし、か、馬鹿なのか。Ki氏は自分のアッピールする経歴などない、すなわちイコール詐欺師、詐欺師の類ということです。そうしたお金に絡む話は要注意です。正体不明の人物には要注意です。五右衛門のセリフでないですが、「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ。」です。

銀座高速道路の公園化、遅い。

最近の報道で、銀座高速道路を閉鎖し、公園化するとのことです。ニューヨーク市のハイライン(マンハッタン南西部にある鉄道高架跡を活用しての公園化)を見習ってとあります。銀座高速道路の緑化は好ましいことと賛同するとして、遅きに失する判断と思いました。そして、ニューヨーク市の真似か、と思いました。東京都独自に計画し、もっと早く計画を検討すべきと思いました。

パリ市に1990年代、先行した事例があります。フランス革命で有名なバスティーユ広場近くにあるリヨン駅につながる鉄道高架跡の緑化です。幅10メートル、長さ2キロです。空中の散歩路です。地上階は喫茶店、アトリエ等が立地しています。3階から4階相当の高さからパリの街並みを見ながらの散歩は快適です。私は実際歩きました。

ニューヨーク市のハイラインは2009年に竣工しました。大勢の観光客が高架鉄道跡の公園散歩を楽しんでいます。私も歩きました。スペインのバルセロナで2016年、鉄道敷跡を800メートルにわたり緑化しました。

アジアではソウル市が2015年スカイガーデン事業を実施しました。オランダの設計事務所MVRDVが設計支援をしました。幅16メートル、長さ938メートルです。また、ソウルの中心部で、地下に多目的ハブ(様々な機能の拠点)の国際設計コンぺを実施し、フランス人建築家ドミニク・ペローが入選しました。ペローはパリの国立図書館の設計者として有名です。(私はペローがデザインした図書館の椅子を持っております)

東京都が銀座高速道路の緑化をしようとするのは好ましいと思いますが、多くの国の事例を見ると、緑化構想発表は遅かったなーと思います。東京都の職員は優秀ですが、新しいことに挑戦することにはアレルギーがあるのかもしれません。今回の構想は、他国の成功例を見て、安心して実施する姿勢です。

緑による、新たな都市の視点場創出による都心の快適化、都心のオアシスの創出、CO2削減、歩行者優先の新たな道路空間システムの創出などの効果があります。驚くべきことは、ソウルが国際コンペを実施し、素晴らしい建築デザイナーを選定したことです。残念ながら東京都は国際コンペを実施しません。世界中からアイデア募集をすべきです。WTO(世界貿易機関)の思想に反することと思います。

アメリカで高齢者の住み易い州

ニューヨークタイムズの21年2月25日の記事で、民間研究機関の調査で高齢者が住み易い、住みにくい州の紹介がありました。評価の視点は、経済、生活の質、医療福祉の3分野で、45の指標から評価しました。(1)経済分野は生活費、税金、相続税など、(2)生活質は犯罪率、公共交通の利便性、貧困率、雇用、ボランティア活動の可能性、居住環境、(3)医療福祉は平均余命、死亡率、COVID19の陽性者率などです。50州を評価、ランキング、ベスト3はフロリダ州、コロラド州、デラウェア州、ワースト3はニュージャージー州、ニューヨーク州、ミシシッピー州です。

フロリダは以前から高齢者が移住する州として有名です。コロラド州も訪問したことがありますが、何となく、納得。デラウェア州は分かりません。また、ニュージャージー州、ニューヨーク州は大都市を抱え、物価高、犯罪率の高さなどから、何となく納得。しかし、ニュージャージーでもニューヨーク州でも、郊外に行くと、高齢者に優しい自治体も多いと思います。

州単位ですと、広すぎますから、出来れば自治体毎の評価があるとよいのではと思いました。日本で私は不勉強で分かりませんが、こうした調査結果があると、老後の居住地選択の参考資料となります。

バイデン大統領、トランプ指令の連邦建築はギリシャローマ様式にせよ、を取消し大統領命令

トランプ元大統領は「連邦政府の建築はギリシャローマ様式にせよ。」「ギリシャローマ様式は美しい、現代建築は醜悪で、無節操である。」と大統領令を出しました。アメリカの多くの建築家がトランプ大統領令を批判しました。特に、アメリカ建築家協会(AIA)、ナショナルトラスト(歴史建築物保存団体)がトランプ大統領を非難しました。独裁国家なら、例えば共産党本部の権威的、威圧的なデザインの建築などありますが、世界で最も自由な国でこのような発言は驚きです。

バイデン大統領は「デザインの自由は、建築家にとって最高の建築の質を追求する根本思想である。」と発言しました。ニューヨーク市の繁華街に立地するトランプタワーは、私の視点からは、キンキラで、少なくとも「美しい」とは言えません。

ニューヨークタイムズ記事「日本は男の高齢者が支配」

ニューヨークタイムズ2021年2月26日、Motoko Rich記者の記事。過日の森元会長の「女性理事が喋りすぎる」と発言した事件を受けて、日本社会の本質を紹介する記事です。タイトルはAn Old Men’s Club Dominate Japan. 長文の記事ですが、概要は以下の通りです。

若者は高齢者の前で静かにし敬意を払うよう教育された日本で、3人の若い女性が立ち上がり、15万人の署名を集め、外に向かって発言を始めた。この瞬間は、日本の強固な年齢による階級は破壊されうるだろうという希望的サインだ。日本で最も力ある政治家、企業経営者(大学なども:原田が追加)は70代、80代、時には90代で、日本の組織は年功序列。3人の女性の一人は「日本では人前で主張するよう教育されていない」と語った。

日本の組織社会を的確に表現した記事と思います。支配層が70代、80代ですと、若者の新しいアイデアを活用しようとか、女性を活用しようとか、そういう意識はなかなか働きません。こうした支配構造も、日本で女性の社会参画が進まない原因の一つです。

タイガーウッズ交通事故の報道現場で警察官・救急隊員が説明。日本との違い

2月24日タイガーウッズ画自動車運転中、自損事故で重傷とNHKの夜9時のニュース報道番組で紹介。アメリカの放送局の画像を一部活用していました。驚き。事故現場で、事故処理がある程度終わった段階で、現場で救急隊員と警察官がメディアに直接説明していました。

日本なら「捜査関係者への取材によると」となります。市民の知る権利、市民に奉仕することが最優先のアメリカでは、現場の警察官、救急隊員が直接メディアに説明します。

1969年、1974年と2度アメリカに留学し、テレビニュースで体験しました。事件が発生すると、現場で捜査中の警察官にマスコミがマイクを向け、現場の警察官が気楽に応じます。大事件の場合は即座に市長(警察の最高司令官)と市役所警察局長、または、警察委員長(日本の公安委員長)が記者会見をし、詳細に説明します。これも文化の違いですが、いずれ、日本の情報公開も大きく発展することを期待します。

アメリカ建築家協会、バイデン大統領への要望

アメリカ建築家(AIA)は1月8日バイデン大統領への要望の論説記事を掲載しました。「パンデミック後の建築に影響を与える政策、その展開に期待」というタイトルです。そのポイントは以下の通りです。

公正なクリーンエネルギーの未来、建築分野で働く人々のための十分な報酬確保のため、持続可能なインフラを構築する必要がある。バイデン政権は、ゼロエミッションの公共交通、4年間で400万棟の建築の質の向上、200万戸の耐久性の改善など新しいニューディールを計画している。具体的には使われなくなったオフィスを低家賃住宅への用途転換である。こうした事業で100万人の十分な賃金の雇用を創出する。

また、バイデンは150万戸の持続可能な住宅を建設したいと言いている。しかし、どこに、どのような方法で、という具体策が見えない。我々は住宅都市開発省は要らない、その代わり、住宅再生・都市再開発省を必要とする。また、空間計画省を必要とする。鳥瞰的な計画策定でなく、一戸一戸の住宅計画、近隣住区の再生、公共空間の創出から始めるべきだ。

さらに、雇用と平等を増加させる技術に投資してほしい。

さて、日本で政権が交代し、新しい首相が就任した際、建築学会や建築士会など都市政策、建設投資などに要望書を出したと聞きません。政策に大いに提言をすべきです。

パンデミック後の海外旅行、健康証明書をパスポートに添付。

パンデミックがある程度収束したら、海外との交流が再び始まります。その際、新型インフルエンザの陰性証明書をパスパートに添付することを義務付けることが各国で当たり前になるかもしれません。この20年、30年、パスポートさえあれば、通常の旅行の場合、ヴィザも不要、健康証明書も不要でほとんどの国を訪問できました。

50年前(正確には1969年)アメリカに留学する時、パスポートに天然痘の予防接種済みの証明書を添付し、また、エックス線の原寸大の写真、健康な体であるというアメリカ大使館指定の病院の診断書を持参し、アメリカに行きました。手続き上の義務でした。到着したカリフォルニア州オークランド空港(サンフランシスコの東側)で入国審査で特に厳重にチェックをされることはありませんでしたが。アメリカ政府の立場は、天然痘や結核に罹患した人物がアメリカに入国することに神経をとがらしていたのでしょう。

これからの時代、健康証明書をパスポートに添付し、海外を行き来することになるかもしれません。医療制度、保険制度が充実した日本ですから、現実に、日本に来て、入院し(保険制度で安く治療や手術が受けられます)、下手すると、退院間際に病院を逃げ出す人物もいます。都立病院は、外国人患者の不払いによる赤字が結構多いと聞きます。