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川越東照宮見学、日本建築研究会

平成25年8月3日、日本建築研究会の見学会に参加しました。
川越周辺の伝統建築の見学です。
見学先で特筆すべき内容は仙波東照宮です。
日本3大東照宮の一つです。日光、久能山と川越の仙波東照宮です。
3大の意味は「東照宮」の文字は当時の後水天皇の直筆であることです。
仙波東照宮は普段は公開されていませんが、日本建築研究会(顧問は東大藤井教授、相談役は伊藤延男先生)という専門家集団ということで特別のお計らいで内部を見学させていただきました。
他の2つの東照宮と同様、すばらしい色彩で施された意匠です。
拝殿の背後の扉を開けると日の光が差し込み、その奥に本殿があるという配置による演出です。
拝殿に、36歌仙絵額、岩佐又兵衛筆の国宝、岩槻藩主が奉納した鷹絵額12面、狩野探幽作が飾られています。(飾られているのはレプリカ、本物は別のところで保管)。
川越は蔵の街、喜多院等で知られていますが、東照宮(現在は境内の外からしか見れませんが)も是非見学されることお勧めします。
地図作成技術が不十分な時代、久能山から富士山の軸線上の延長上の日光に東照宮を置き、徳川家康公の遺骸を祀り、関東の北の守りとしました。家康公の遺言です。久能山東照宮は2年前同会で見学しました。
家康公の都市計画の知識に敬服です。また、素材を大切にする日本建築の特徴と異なるバロック的な装飾を創り出した発想力にも頭が下がります。
港区の芝公園にも東照宮があります。さらに民間でも東照宮が100以上建立されたようです。
私の母方の親類宅にも民間信仰の東照宮があり、徳川家康公を祀っています。宮の建て替えの際、秘仏を見ることができました。東照宮建築の研究をしたくなりました。
また、川越の都市計画形成史を勉強したくなりました。いつ、だれが、どういう道路計画を決定、あるいは、施設配置、建築線を決めたか等です。若い方に研究をしていただけるとよいと思います。