日別アーカイブ: 2017年2月12日

仲間づくり、体験に基づく。

特に20代、30代前半の方に、仲間づくりの体験に基づく教訓をお伝えします。私は30歳で独立自営しました。一人ですから、外部の方たちとお会いし、勉強させていただこうという気持ちでした。私自身もユニークな調査研究資料、特に海外の資料を持っております。情報交換になります。留学の同窓会で多くの方とお知り合いになりました。後年、中央官庁のトップになった方がいます。いつもご個人的に指導いただきました。都市問題研究者の柴田徳衛先生のゼミに誘われました。出席者の多くは都庁や区市役所の職員。後年港区長に就任した際、情報交換に役立ちました。この勉強会に港区職員が2人いました。奇遇でした。別の勉強会に誘われました。朝日新聞の幹部(後年社長、氏から論説記事やコラム執筆を依頼されました)、日銀の幹部がいました。後年考査局長や理事になりました。伝統建築の勉強会に誘われました。数寄屋大工、社寺大工、瓦屋、左官屋など伝統建築の職人さんたちと友人になりました。いつも伝統建築を学んでいます。

立場を離れ、外部の方、特に自らと異なる分野の方々と大いに交流することを勧めます。人生観、教養の幅が広がります。

仕事の進行管理、住宅設計と豊洲市場

住宅設計をしています。30坪程度、3000万円程度。建築設計のスタッフと構造設計、電気設備、機械設備と6名で高齢のご婦人と1か月に一度打ち合わせをします。スタッフが数ページの議事録を作成し、次の打ち合わせの際、まず、議事録を確認します。私は丁寧に仕事を進めることを信条としています。当然のことです。クライアントのご高齢のご婦人が曰く「原田さんのようにきちんと議事録を作成すれば、豊洲のような問題はなかったのでしょうね」と発言がありました。お褒めの言葉と認識しています。豊洲は数千億円。豊洲市場の設計で、発注者と設計事務所が議事録を正確に作成していれば、あのような問題は生じなかったと思います。議事録作成、工程管理はあらゆる業務で必要です。特に規模が超巨大な施設の場合、なおさらです。また、業務の流れが関係者全員が共有するよう、業務の流れを理解するための工程表を作成する必要があります。私は、かつて、きめ細かい業務のフローチャートを作成しました。この考えは今でも役に立っております。大手だから大丈夫という過信はやめたほうが良いです。規模の大小に関わらず、発注者、受注者が常に丁寧に仕事をすることです。

仕事の情報源づくり

仕事をする上で多くの資料が必要です。30代、40代、留学時に入手した大学や市役所の資料が大いに役に立ちました。建築学会の図書館、学会の論文集も必ず閲覧するようにしています。デザインの仕事ですから、週刊誌、鉄道や飛行機の機内誌の美しい写真、イラストも重要な参考資料、ヒントとなります。

新聞記事も重要な資料です。建築や都市に関わる分野の新聞記事資料は1970年頃からファイルしています。建築の専門誌は日本とアメリカの雑誌を中心にファイルしています。

出張のたびに車両の測量や宿泊先にホテルの測量をしています。ホテルの部屋は、ホテルの設計はもとより、住宅の寝室、老人ホームの設計に役に立ちます。

1995年頃からニューヨークタイムズのインターネット配信が始まり、夕方4時頃に(ニューヨーク現地時間は午前2時頃?)はニューヨークタイムズの記事を読みました。無料です。ニューヨーク市民よりも早く読めるのは面白いです。ニューヨーク市政、犯罪、都市開発、教育、文化芸術などの記事をファイルしました。今は、ニューヨークタイムズとワシントンポストをインターネットで閲覧しています。アメリカ建築協会(AIA)もインターネットで読んでいます。テレビではCNNを毎日1時間程度見ています。異なる視点のニュースを読むのが面白いです。専門雑誌のファイルも仕事で役に立ちます。

特に若い方に、情報源となる資料ファイルの参考となれば幸いです。

文科省の天下り問題、私見二題。

文科省の天下り問題が大きな政治、社会問題として取り上げられています。新聞で書いていない視点の私見を2題書きます。1件目は早稲田大学の対応。2件目は文科省役人のマナー・資質についてです。

早稲田大学総長鎌田氏は法学部教授、会社法の専門家と聞きます。最近はやりの法令順守を学生や社会に説く立場です。総長から明確な説明がありません。社会で何か問題があると大学教授がコメンテータとしてマスコミに登場。偉そうにお説教を述べます。今回、総長は明確に説明責任を果たさなければなりません。件の文科省元局長の早稲田での月給は、報道によりますと115万円。早稲田大学教授の平均的な年収は、聞いた話で1100万円。月に60万円から70万円。その差額は、ある種の賄賂でないでしょうか。私は早稲田大学の商議員(サポーター)を務めています。小保方さんの博士号剥奪の時も商議員会で何ら説明がありませんでした。小保方さんの博士号審査した教授は、結果的にでたらめな審査をしたということになりますが、当該教授が厳しい処分を受けたと聞きません。私自身、横浜国立大学で博士号を授与されましたが、審査手続きは厳格でした。データのオリジナル性、受検者はデータ収集の当事者か、分析結果の正確性など基本的な段階でチェックを受けました。指導教官はデータを常時チェックする立場です。チェックできなかったのですから指導者として失格。即厳しい処分を科すべきでした。

2件目は文科省の職員の資質についてです。文科省にすばらしい職員を知っております。しかし、報道によると、天下りを正当化する理由の一つは、国会対策などで忙しく、外に仲間を作る時間がないので外部の人間から就職で声がかかるのは難しい、だから、ある種の組織的な斡旋が必要と職員のコメントが新聞報道にありました。天下りの準備でなく、常に外の世界とコミュニケーションを図るのが、だれであれ必要と思います。外部との接触を通じ「あの文科省の役人はいい人物だ」と評価されれば黙っていても外部からスカウトされるでしょう。友人の早稲田大学の教務部長の体験談。ある時カリキュラムの変更申請で、段ボール箱ひと箱の重い資料を抱え文科省の地下室の事務所を訪問。2時間廊下で待たされた挙句、「今日は忙しいので別の日に来てくれ」と言われ、腹の中で怒りまくったそうです。相手が文科省の役人なので喧嘩するわけにもいかず、とぼやいていました。その程度のマナーの人物であれば後年スカウトする気になれません。その時その役人の言動が機転を利かせたり、待たせたことに謝罪の言葉があったりすれば、その後、礼儀正しい方として個人的に交流が続いたことでしょう。上記のようなマナーの人間を雇う民間組織はありません。自ら積極的に外の世界とマナー良く付き合うことがどなたの人生にとっても大切なことです。皆さん優秀な職員です。退職した後もその能力、経験を適切な方法で大いに社会に貢献していただきたいと思います。

港区長秘話58、新橋6丁目福祉施設業者選定審査の裏話の続き

港区長秘話50で新橋6丁目福祉施設の事業者選定の裏話を書きました。その続きです。元区長を理事長に担ぎ上げ俄か法人でエントリーした新橋の有力者組織は、公正な審査の結果、入選できませんでした。その後、元区長が強い調子で「今回の結果で、新橋のIさんはカンカンに怒っている。このままでは次の選挙は無理。新橋の駅前の再開発構想を打ち上げなどの発言をしないといけない」と言ってきました。再開発の構想が特定の人物の利権とリンクしてはいけません。客観的な指標に基づき再開発事業を選択しなければなりません。困った発言の類です。現在、新橋駅前の再開発構想が進んでいます。推進組織に元港区の部長がいます。現区長と元区長、元部長の合作でなければよいのですが。