日別アーカイブ: 2017年3月26日

アメリカ連邦政府住宅都市開発省長官人事

日本の国土交通大臣とほぼイコールのアメリカ連邦政府住宅都市開発長官の人事についてです。予算規模5兆円、職員数8000人の規模です。

オバマ前大統領の時は、ショーン・ドノバン氏でした。就任時43歳。前職はニューヨーク市役所住宅委員会委員長(アメリカの自治体では、教育委員会、公安委員会などのように、部局ごとに委員会が設置され委員長が行政のかじ取りをする仕組みです)を務めました。公共住宅の供給に辣腕をふるいました。東京都庁なら43歳ですと早い出世の方でも統括課長です。(それでも立派ですが)。学歴は、ハーヴァード大学ケネディスクール(公共政策大学院)と建築大学院と2つの修士号を持っている専門家です。住宅都市開発長官にう適材人材と思いました。

トランプ大統領はベン・カーソン氏を長官に任命しました。(黒人、65歳、脳神経外科医。イェール大学学部卒、ミシガン大学医学大学院博士課程卒、大学院時代、猛勉強をしたそうです)脳神経外科医としての実績で多くの名誉博士を授与され、また、2008年に民間人として最高栄誉の大統領叙勲を受けました。2015年に共和党のデトロイト地区から大統領選の候補に指名されました。住宅都市開発長官のポストはカーソン氏の専門領域からすると異なりますが、住宅政策、都市政策は広い意味で健康、福祉に強く関係します。カーソン氏の今後の活躍を期待したいと思います。

新聞記事「日本の科学研究失速」、科学研究体制の構造改革

新聞記事にイギリスのネイチャー誌の引用で「日本人研究者の論文件数が5年間で8%減少、イギリスは48%増、中国は17%増。今後10年で日本の地位は低下の恐れ。」とありました。研究組織の構造改革をしなければなりません。欧米の事情を多少知っている立場から、日本の研究体制はタコツボ、家元制度、徒弟奉公です。欧米は、リーダーが5年から10年で入れ替わり、横断的で、世界のあらゆる国から参加し、潤沢な予算で研究をし、自由な議論をし、成果を挙げています。欧米と競争するため、研究の仕組みを変えなければなりません。

Nature誌、平成28年5月に日本の海上保安庁の科学論文が掲載されました。すばらしいことです。南海トラフの想定地震域で、海底の地殻変動を実測データに基づき、広範囲にプレート境界の「ひずみ」の分布を推定した、世界でも初めての画期的な成果です。成果の一部を知人からいただきました。素晴しい研究と思います。

海上保安庁の研究組織について知りませんが、研究リーダの方か総務部門の方が、面白い成果だからNATURE誌に投稿し、世界の判断を仰ごうと組織として判断したことも組織としての英断と思います。感度、意識の低い管理者であれば国内で発表すれば十分と判断したでしょう。大いに世界レベルの専門誌に積極的に寄稿するという姿勢も重要です。