日別アーカイブ: 2017年10月7日

アメリカのアジア系議員(州議会)と交流

アメリカ大使館首席公使が主催する夕食会に招かれました。趣旨はアメリカのアジア系州議会議員の訪日視察の歓迎、交流です。 6人の州議会議員が出席しました。1人はカリフォルニア州議会議員Rob Bonta氏です。フィリッピン系です。アメリカの州議会で初のフィリッピン系議員です。クリーニング店で働きながらお金を稼ぎ、イェール大学で法学博士号を取得、イギリスのオックスフォードでも学びました。その後サンフランシスコ市法務副部長、アラメダ市市議会議員を務めた後、カリフォルニア州議会議員に当選。社会経済、人種間の平等をテーマに政治活動を行っています。2人目はAaron Johansonハワイ州議会議員です。日系です。イェール大学で勉強。高校時代は交換留学生として広島、函館の高校で勉強しました。議員になる前はホワイトハウス、連邦財務省などに勤務。3人目はClarence Lam氏、日系です。メリーランド州議会議員。オハイオ州ケースウェスタン大学の後メリーランド大学医学大学院で学び医者になりました。予防医学に関心を持っているそうです。日本は国民皆保険で、港区含め各自治体が住民のため定期健康診断を無料で受けられる制度になっています。アメリカはすべて自己責任。病気になって病院に行く、保険は自己責任で民間の保険会社に加入。低所得者は医療保険に加入できません。4人目はRady Mom氏、マサチューセッツ州議会議員。カンボジア系です。12歳の時アメリカに難民として移住。全く英語が話せない中、工業高校、コミュニティカレッジ(専門課程の短大)を卒業、アメリカで初のカンボジア系州議会議員。教育の重要性を政策としています。5人目はBrian Shinozawa氏、ユタ州議会議員。ワシントン大学医学大学院を修了後、緊急医療チームに所属。議会では医療政策、産業振興、環境政策、芸術分野で50以上の議案を提出しました。6人目はMonica Jurado Stonier女史、ワシントン州議会議員。日系、メキシコ系です。政策は医療、教育、政府の公正性です。叔父さんは大戦中442部隊(日系人部隊)としてヨーロッパ戦線に従軍したそうです。

私は前港区長、フルブライト同窓会前会長の立場で出席しました。各州議会議員のお話を聞くと任期は各州ごとでことなり、2年、3年、4年です。4年が一番多いようです。選挙の1年前はキャンペーンで忙しく、毎日有権者宅を訪問、チラシを配るそうです。選挙資金は寄付を募りまかなうそうです。寄付文化の国です。議員報酬も州で異なり、議員を本業として勤められる程度の報酬額からボランティア的な報酬額まであるようです。スーパーマーケットで何を買ったまで有権者に見られプライバシーはないとのこと。

日米の文化の違いも多いなる意見交換のテーマでした。記念写真、免許証、ポスター写真で、日本人は真剣なまなざし、笑顔は少ないです。アメリカでは(私も40年前以上経験しましたが)免許証も学生証も皆笑顔で撮影でした。道路沿いに時々見かける選挙ポスターも笑顔の写真でした。

ハワイ州議会議員はハワイは観光客は増加しているが、落とすお金が減少していることと民泊が増えホテル税の徴収が難しくなっていること、中国人観光客が増加しあまりお金を落としてくれないなど政策課題を語っていました。

日本視察、交流の目的はアジア系の州議会議員に日本に対する理解を深めていただくことです。大切なことです。アジア系の政治家が多くのハンディを背負って頑張っていることはすばらしいです。彼らの今後の活躍に期待したいと思います。一方で、日本の地方議会議員も世界の各国に出かけ、教養を広げ、また、異文化と交流することで政策立案に幅が広がることを期待します。