日別アーカイブ: 2018年5月27日

文春文庫「収容所から来た遺言」、心に突き刺さる人生教訓

区長時代愛読書3冊挙げて欲しいとの要請で、①か・かた・かたち(建築家、菊竹清訓著)、②竜馬が行く(司馬遼太郎著)、③収容所から来た遺言(辺見じゅん)の3冊を挙げました。子供に収容所から来た遺言を貸し、たまたまテーブルの上に置いてあったので、改めてページをめくりました。太平洋戦争後シベリアの収容所に12年抑留され、現地で死亡。仲間が手分けし、主人公の遺言を記憶し、生き延びた仲間が日本に帰国後、順次未亡人に遺言を口伝で届けたという実話です。ソ連は文書を持ち出すことを禁止していました。(そうした体制はご免です。ソ連共産主義の実態をマスコミはあまり報道しません。)ですから仲間数人が手分けし、記憶し、日本に帰国後ばらばらと未亡人に言葉で伝えました。

共感すること、自分の人生観に合致する内容が書かれています。

1 日本民族として生まれたことを感謝。日本民族こそ将来東洋と西洋の文化を融合する唯一の媒介者。

2 最後に勝つのは同義。誠。まごころ。

3 人の世話にはつとめてならず、人の世話は進んでせよ。(むいみな虚栄はよせ)

4 自分の才能にうぬぼれてならない。学と心理の道において徹頭徹尾敬虔であれ。立身出世などどうでもよい。自から磨けば博士や大臣が向こうからやってくることは必定だ。要は自己完成。

政治家、経営者などに聞かせたい言葉です。