アメリカの役所の親切さ・情報公開の意識

仕事柄、日本の各地の役所に資料収集で照会したり、また、公務員の方々と意見交換したりします。資料(情報)提供の親切さに疑問を抱くことがあります。個人情報は守らなければいけません。一般的な情報(資料)はすべて公開しなければなりません。

アメリカでの体験です。1974年テキサス州ヒューストン市にあるライス大学建築大学院に留学中、授業で、当時テキサス州政府が検討中だった地下水の規制について資料収集し発表しろと教授から指示がありました。教授のアドバイスでテキサス州政府検事局(司法局)が規制案を作成している部門の一つだから(おそらく当時州政府には環境局といった部門がなかったのかもしれません)そこに照会したらよいと言われました。さっそく、当時ですから州政府検事局に手紙を書きました。するとしばらくして返事が来ました。開けてびっくり。手紙は検事総長の署名でした。

1988年ロサンジェルス市のウォーターフロント開発事業の環境アセスの報告書を読みたいと思いロサンジェルス市役所環境部に航空便で資料要求の手紙を送りました。間もなく厚さ3センチほどの分厚い報告書が航空便で送られてきました。郵便代もかなりの額でした。開けてびっくり、環境部長の署名入りの手紙でした。

1990年頃、シカゴ川沿いの景観規制の報告書を読みたいと思いシカゴ市役所都市計画局に資料要求の手紙を航空便で送りました。するとしばらくして厚さ5ミリくらいの景観計画書報告書が航空便で送付されました。開けてびっくり、シカゴ市役所都市計画局長の署名入りの手紙でした。

アメリカの役所の親切さ、情報を提供して差し上げましょうという意識を感じます。日本の役所で資料要求は結構面倒です。資料を出したがらない、面倒くさがる、あるいは、送られてきても送り状だけ。役所の資料は市民の物。市民に代わり役所が事務局として収集しているだけです。役人はPublic Servantつまり公のシモベです。市民に奉仕するのが役人です。仮に資料が送付されても責任者の挨拶状はありません。多くの公務員や議員が海外視察します。サービス精神も学んでいただき、そして実践していただきたいものです。

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