日米TPP交渉

TPP交渉(環太平洋経済連携協定)に日本が参加、全体協議と並行し、日米協議が始まりました。
私は1998年外務省サービス貿易室が設置したサービス貿易研究会の委員を、日本建築士会連合会代表で務めました。弁護士、会計士、医師、建築士等のサービス業の自由化の議論でした。会計は世界共通ということで早々前進。建築デザインも欧米の建築家が日本で設計活動をし、また、日本人建築家が海外で設計活動しており、実質自由化。医師、弁護士の分野は自由化のハードルが高いと感じました。
医師の分野ではロシア大統領エリツィンの心臓手術に、ヒューストンのテキサス・メディカルセンターのディベイキがモスクワへ行き、執刀しました。ロシアの医師免許を持っていませんから無免許手術となります。しかしアメリカの医師免許を持ち、世界最高の心臓外科医ということで手術を依頼されました。そうした自由化は進むと思います。ちなみにディベイキ医師は私がヒューストンのライス大学に留学しているときから有名人でした。ポルシェを乗っていました。
サービス貿易の議論に参加した経験からのコメントです。
気になる点は、アメリカの首席交渉官のフロマン氏と日本の外務官僚である首席交渉官の経歴、立場の違いです。
氏はイスラエルからアメリカに留学、苦学し、今のポストに就いた苦労人です。また、アメリカの首席交渉官は議会承認人事です。
日本の首席交渉官は外務省官僚です。大変優秀で経験豊富な方と思います。しかし、任命は外務大臣の通常の人事で、国会で承認を得たわけではありません。
フロマン氏が雑草のような経歴で、かつ、議会承認を得、就任している重みを考えると、相当手こずるのではと思います。
日本の国益と世界の協調というバランスの中で、良い結果が出ることを期待します。

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